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貧乏の神様 芥川賞作家困窮生活記 単行本(ソフトカバー) – 2015/3/28
本書はその『創』の連載を「お金」「貧乏」にまつわる話を中心にまとめ、新たに加筆した問題作だ。
『創』出版との印税未払いの顛末記も書かれており、芥川賞作家が困窮する衝撃のエピソードが明かされる。
全国には300万人の非正規雇用者がいるが、彼等に向け「貧乏でも幸せ生きる」意味を問う作品となっている。
- 本の長さ280ページ
- 言語日本語
- 出版社双葉社
- 発売日2015/3/28
- 寸法18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- ISBN-104575308676
- ISBN-13978-4575308679
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登録情報
- 出版社 : 双葉社 (2015/3/28)
- 発売日 : 2015/3/28
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 280ページ
- ISBN-10 : 4575308676
- ISBN-13 : 978-4575308679
- 寸法 : 18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 95,673位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 19,118位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について

劇作家・小説家。1968年、茨城県土浦市生まれ。神奈川県横浜市育ち。
高校中退後、ミュージカル劇団「東京キッドブラザース」に入団。女優、演出助手を経て、1987年に演劇ユニット「青春五月党」を結成。1993年、『魚の祭』で第37回岸田國士戯曲賞を最年少で受賞。1994年、初の小説作品「石に泳ぐ魚」を文芸誌「新潮」に発表。1996年、『フルハウス』で第18回野間文芸新人賞、第24回泉鏡花文学賞を受賞。1997年、「家族シネマ」で第116回芥川賞を受賞。1999年、『ゴールドラッシュ』で第3回木山捷平文学賞を受賞。2001 年、『命』で第7回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞を受賞。
2012年3月16日より福島県南相馬市の臨時災害放送局「南相馬ひばりエフエム」にて「柳美里のふたりとひとり」をスタートさせる。番組は2018年3月の閉局まで続き、約600人の地元住民の話を放送する。
2015年4月、福島県南相馬市原町区に転居。2017年7月、同市小高区に転居。
2018年4月、自宅一部を改装し本屋「フルハウス」を開業。9月、青春五月党復活公演vol.1「静物画」、10月、復活公演vol.2「町の形見」を小高にて上演。2019年「ある晴れた日に」を上演。
2020年3月、ブックカフェ「フルハウス」としてリニューアルオープン。
2020年、『Tokyo Ueno Station(JR上野駅公園口)』で全米図書賞(翻訳部門)を受賞。
2022年、第5回バークレー日本賞を受賞。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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すごく低い評価の人がいるが、私は2016年に講評を書いた「かんな」さんと同意見だ。
読む価値あり。
たしかに貯金するこなく6千万をその男性のがん治療とお墓につぎこむ。
つまり、好きだったのが。その人も子どもを産んでそだて、また問題が出てくる。
そこを何として生きようとするが、お金がない。
その模様が詳細に書かれている。
さらには、やっぱり約束した原稿料を払わない出版社はどうかと思う。
のらりくらりと交わすメールのやり取りは、3流の編集長だと思わさるを得ない。
それでも、柳さんは書くことが大好きなのだ。
それが伝わってきた。
書くことが使命。
初めて柳美里の本に接したが、人生を考える意味で大いに役立った。
貧乏しても作家さんは楽しそうです。
それなのにウィット・センスが足りない、いや、ウィット・センスのみが完全に欠けている。
貧乏と貧困はイコールではないというのは、まさにその通りであって「わたしは、19歳で世に出たわけです」と書く柳氏はカッコいい。
その反面、若いときから戦い続けてきた彼女に森茉莉の「贅沢貧乏」を筆頭とする貧乏エッセイを楽しむ時間はなかったろう(あったらごめん。謝ります)。抜群の筆力、負け犬根性も必殺の気合も、エネルギー量としては数十年にひとり出るか出ないかの逸材。でも、借金苦の文豪小咄なら、太宰治を引くんじゃなくて、内田百閒に、ぞろぞろの着流し姿の裾に小銭をかき集めて渡す(その小銭もぼろぼろ零しながら)「これでいいかい」とイッちゃってる(瞳孔の開いた)芥川龍之介が筋じゃないかい?こっちのほうが断然ヤバ過ぎて笑うしかないし、副題「芥川賞作家困窮生活記」とも平仄が合うってもんじゃないか。
柳氏が作家として立つ前に3年、いや1年、それがダメなら半年だって構いやしねえ、こんなヒマなガキの多い日本で、何故、彼女には一刻のモラトリアムも与えられなかったのだろう。それがなかったからグダグダになっていくのか。勿体なさ過ぎる…初めて「ゆうみり」の名前を聞いたのは「石に泳ぐ魚」の結審後、勝訴した韓国人のお姉さんの個展に連れて行かれたときだった。「お顔のことは言ったら駄目」と因果を含められて入った小暗いギャラリーに佇む女性の顔のどこに問題があるのか、乱視の私には分からなかった。優しそうな、口数の少ない温和な雰囲気。壮絶な裁判の痕跡はない。様々な経緯の轍は柳美里氏にだけ刻印されたのか。古典落語の菜刀息子「菜刀誂えて、難儀しております」(「長々患いて、難儀しております」)。このくだらない落ちを柳美里氏に。過食しないで長生きしてね。戦わなくていい場面で全力出すな。貴方のファンではないけど、その幸せを願う赤の他人だっているんだよ。多分、そこに深い理由はないけどね。
貧乏記には留まらず、生きることや死、息子への愛、病など…
そして金策に走る毎日、それでも必死に喘ぎ生きようとする姿。
走り続けてほしい。
とても読みやすくて、美里さんの感受性を強く感じました。
私が、彼女の本で読んだものは、唯一、「JR上野駅公園口」のみ。
読んだ理由は、相双地区がテーマだったから。
この度、柳美里氏が、南相馬に住居を移すとの報道もあり、彼女へ
の興味が倍増して、この本を手にした。
でも、内容はピンとこない!、きっと彼女の背景を知らな過ぎるからだ。
ただし、本からは我武者羅で強い人と感じた。
彼女をもっと知りたいという気持ちになり、「命」シリーズを是非、読みたい。
どこかで、会えるといいなあ~!
さて、この作家、柳美里を簡潔に表現すると「生命力はあるけれど生活力がない人間」なのではないかと思います。
それは決して褒められたものではありません。少なくも、私は彼女の生き様を評価しません。
戦略的に生きることができないのであれば、せめて慎ましく生きればいいのです。
子供を育てるのに金がかかるのは困ったものですが、猫はいいだろ、別に、と思うわけです。
ところが生命力はあるものだから、無駄に吠えるし生き延びる。
すごいですね。
そう考えると、「創」の一連の騒ぎにしても、別に彼女は業界の闇を暴こうとかそういうことをしたかったのではなく、「生活費困ったなあ、あ、そういえばあそこからお金をもらえるはずだから聞いてみよう」という、その日暮らしの流れの中の行為にしか過ぎなかったのだろうと思います。
結果的にファイティングスタイルがアレなので騒ぎになりました。
そして「創」側の対応にしても、単に生活力(というか仕事力か?)ない編集長が、そのまんまのスタイルで対応しただけではないかと。
出版業界の人って、書く方も書かせる方も、頭使ってないんですかね。
頭使うといえば、この絶妙なタイミングでこの単行本を出させた出版社と編集者は、頭使っていると思います。
戦略的に商売するってのは、こういうことですね、すばらしい。
この本で、いい感じに柳美里さんにも印税が入るでしょう。
柳美里さんの本はいつも、身を削って書かれているようで、緊張感を常に感じながら読むことが多いのですが、この本は少し違いました。
貧乏を楽しむ、ということを柳さんも書かれていましたが、緊張の底にあるユーモア、追い込まれながらも漂う安楽さを楽しみながら読み終えました。
様な好奇心からでした。
芥川賞作家が【お金ぐらいで困る】なんてあり得ないと思っていたからです。
もう一つは、私も低年収の貧乏な口だからです。
本を読みすすめていくと、ある意味「柳美里」という作家の逞しささえ想像してしまうのです。
「セゾンカードを使ってATMでキャッシングしようとしたらカードが吸い込まれてしまった」等は笑えます。
無謀な尾瀬への登山で遭難しかけた時、村上くんへの「怒鳴りつけたい感情を抑えた」部分があるがストレートな言い回し(そこに芥川賞作家などというブライドは微塵もない)、焦りと自分への怒りもあったろうことも察する事が出来てこれも笑えます。
また、作家の生々しい原稿料の仕組みやまともな契約書も交わしていない等出版業界を殆ど知らない私にとっても面白かった。