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断崖 (双葉文庫 ま 3-3 松本清張初文庫化作品集 2) 文庫 – 2005/12/1
大好評をもって迎えられた前作『失踪』につぐ第2弾がこれ。前作同様、巨匠・松本清張氏の膨大な作品の中から、文庫未収録のものを収録。ミステリー色の強い、濁った陽・断崖・よごれた虹・粗い網版・骨折の5編。
- 本の長さ308ページ
- 言語日本語
- 出版社双葉社
- 発売日2005/12/1
- ISBN-104575510491
- ISBN-13978-4575510492
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登録情報
- 出版社 : 双葉社 (2005/12/1)
- 発売日 : 2005/12/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 308ページ
- ISBN-10 : 4575510491
- ISBN-13 : 978-4575510492
- Amazon 売れ筋ランキング: - 374,102位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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(1909-1992)小倉市(現・北九州市小倉北区)生れ。給仕、印刷工など種々の職を経て朝日新聞西部本社に入社。41歳で懸賞小説に応募、入選した『西郷札』が直木賞候補となり、1953(昭和28)年、『或る「小倉日記」伝』で芥川賞受賞。1958年の『点と線』は推理小説界に“社会派”の新風を生む。生涯を通じて旺盛な創作活動を展開し、その守備範囲は古代から現代まで多岐に亘った。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年12月19日に日本でレビュー済み
「濁った陽」執筆依頼を受けて、資料集めを始めていたら、偶然に2年前の汚職事件の真相を知りたくなって・・・ 「断崖」罪の意識に耐えかねて・・・ 「よごれた虹」ひとの恨みは、ある意味恐ろしい・・・ 「粗い網版」途中で断念 「骨折」非常に短い短編
2005年12月28日に日本でレビュー済み
本書は昭和35年「週刊朝日」に連載された中編『濁った陽』と、昭和37年から昭和63年まで、いろんな小説月刊誌などに掲載された3つの短編、1つの掌編からなっている。
『濁った陽』は、ある汚職事件で鍵を握るとされていた実務の責任者、K課長補佐の自殺事件とその未亡人を追いかけるという、著者お得意(?)のパターンで始まるストーリーである。劇作家・関京太郎とその弟子・森沢真佐子が、ふとしたきっかけで、素人探偵として行動する、ユニークな体裁をとっている。ふたりは未亡人のその後の動向調査を続けるうちに、汚職やK課長補佐の自殺事件の黒幕とその愛人の存在に行き着くが、そこで新たな、殺人の疑惑のある自殺事件が起こる。こちらの事件は関が、犯人が工作したアリバイトリックを見破ってゆく「本格」風味となっていて、大変興味深い。しかし、そこで紙面が尽きて結末となってしまい、肝心の汚職事件とK課長補佐の自殺事件・こちらの方の殺人疑惑とが、あいまいなまま終わっているところが惜しいと思った。
表題作『断崖』は、老人の性の問題を取り上げた、なんとなく残酷な物語。
『よごれた虹』は、長い手紙文スタイルの、ある地方都市の「戦後史の黒い霧」を描いたノンフィクション物のような作品。
『粗い網版』は新興宗教を扱い、それを追い詰めてゆくA特高課長の執念の物語。
いずれもバラエティーに富んでいて、今まで文庫などに収録されていなかったのが不思議なくらいの秀作がそろっていた。
『濁った陽』は、ある汚職事件で鍵を握るとされていた実務の責任者、K課長補佐の自殺事件とその未亡人を追いかけるという、著者お得意(?)のパターンで始まるストーリーである。劇作家・関京太郎とその弟子・森沢真佐子が、ふとしたきっかけで、素人探偵として行動する、ユニークな体裁をとっている。ふたりは未亡人のその後の動向調査を続けるうちに、汚職やK課長補佐の自殺事件の黒幕とその愛人の存在に行き着くが、そこで新たな、殺人の疑惑のある自殺事件が起こる。こちらの事件は関が、犯人が工作したアリバイトリックを見破ってゆく「本格」風味となっていて、大変興味深い。しかし、そこで紙面が尽きて結末となってしまい、肝心の汚職事件とK課長補佐の自殺事件・こちらの方の殺人疑惑とが、あいまいなまま終わっているところが惜しいと思った。
表題作『断崖』は、老人の性の問題を取り上げた、なんとなく残酷な物語。
『よごれた虹』は、長い手紙文スタイルの、ある地方都市の「戦後史の黒い霧」を描いたノンフィクション物のような作品。
『粗い網版』は新興宗教を扱い、それを追い詰めてゆくA特高課長の執念の物語。
いずれもバラエティーに富んでいて、今まで文庫などに収録されていなかったのが不思議なくらいの秀作がそろっていた。