物語、いや、ある意味、これはフィクションではないので、あきらかに“歴史”書といえる。
夏目漱石を中心に二葉亭四迷、森鴎外、石川啄木など明治の文学者たちを中心にその背景となる世相などが史実に基づき描かれているのだ。作家・評論家としての関川夏央が好きで、このコミックは第1部から愛読していた。ただ、初めに読み始めたのがもう20年ほど前になるのか、1、2部は読んだものの、どうしても3部以降は読んではいたが、購入した記憶がない。そこで、改めて読み直したい(愛蔵書にしたい)という思いから購入した。文庫版で手軽に読むのも良いが、ぜひ、書棚に並べておきたいコミック・・・否、文学史書だ。
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『坊っちゃん』の時代(第3部) 【啄木日録】 かの蒼空に ―凛烈たり近代なお生彩あり明治人 アクションコミックス コミック – 1992/1/1
かの蒼空に-啄木日録-
- 本の長さ307ページ
- 言語日本語
- 出版社双葉社
- 発売日1992/1/1
- ISBN-104575932817
- ISBN-13978-4575932812
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登録情報
- 出版社 : 双葉社 (1992/1/1)
- 発売日 : 1992/1/1
- 言語 : 日本語
- コミック : 307ページ
- ISBN-10 : 4575932817
- ISBN-13 : 978-4575932812
- Amazon 売れ筋ランキング: - 278,069位コミック
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年7月5日に日本でレビュー済み
そりゃ生活苦しいわって突っ込み入れたくなる、石川啄木の回です
どらえもん 金田一京助
のびた 啄木
ってな感じです
一般的な子供向け伝記漫画にはないエピソード盛りだくさんでした
どらえもん 金田一京助
のびた 啄木
ってな感じです
一般的な子供向け伝記漫画にはないエピソード盛りだくさんでした
2009年11月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「清貧のうちに病気で亡くなった歌人」と思っていた石川啄木がビックリするほどに幼稚な浪費家だった(給料の前借をしているのに、無駄な贅沢品を買ったり・・・人にごちそうしたり・・・女遊びに使ったり)という実態を手軽に知るのにお勧めです。平成20年代の感覚では破滅願望を抱えた夢追い人、ただのダメ人間として排斥されそうな青年、啄木。過酷な肉体労働ではなく知識労働(新聞社の校正係)に就いているという、明治時代には恵まれた境遇にあってなお、自分を制御できない男。その姿は淡々と、童顔の小男として描写されていて、鬱屈した想いを抱えているときならば感情移入もできそうな存在です。
2006年8月15日に日本でレビュー済み
(第2部のレビューから続く)
第3部の主人公は石川啄木である。ここで描かれる身勝手で見栄っ張りで借金まみれの、滑稽でもあり哀しい啄木の姿は、ほぼ実像どおりである。
西欧文明を受け入れ近代化へと進む中で悩む日本人の思想史を描こうとしたこのシリーズにおいて、啄木は異質であるが、第1部のあとがきで関川は『明治の時代は激動の時代であった…、明治末期に日本では近代の完成が形成され、それはいくつかの激震を経ても現代人の中に抜きがたく残っている。…つまり、われわれはほとんど(その本質的な部分では少しも)新しくない」と記している。
そして、この第3部のあとがきでは無理を承知ではあるが、と前置きしながら理由を挙げた上で、『啄木の精神は1960年代に末に生まれた青年(連載当時はこの年代に生まれた人は青年である)と似たような精神史の起伏をたどっているといえる』と記している。
そういう関川の考えに基づけば、やはり、啄木は主人公として取り上げられるべき明治人だったのであろう。と難しいことを考えなくても、谷口ジローによって描かれる、生活者としては失格者である啄木の姿(特に表情がいい)を中心としたこの第3部は、面白く楽しい。しかし、同時に哀しみも感じさせる作品である。
なお啄木は第1.2部にも少し登場しているが、ここでの彼の姿は有名なあの憂いを帯びた表情である。これでは、啄木のダメさは表現できないのははっきりしているのだが、あまりの違うので結構笑える。谷口ジローも苦労したのかもしれない。
(第4部のレビューに続く)
第3部の主人公は石川啄木である。ここで描かれる身勝手で見栄っ張りで借金まみれの、滑稽でもあり哀しい啄木の姿は、ほぼ実像どおりである。
西欧文明を受け入れ近代化へと進む中で悩む日本人の思想史を描こうとしたこのシリーズにおいて、啄木は異質であるが、第1部のあとがきで関川は『明治の時代は激動の時代であった…、明治末期に日本では近代の完成が形成され、それはいくつかの激震を経ても現代人の中に抜きがたく残っている。…つまり、われわれはほとんど(その本質的な部分では少しも)新しくない」と記している。
そして、この第3部のあとがきでは無理を承知ではあるが、と前置きしながら理由を挙げた上で、『啄木の精神は1960年代に末に生まれた青年(連載当時はこの年代に生まれた人は青年である)と似たような精神史の起伏をたどっているといえる』と記している。
そういう関川の考えに基づけば、やはり、啄木は主人公として取り上げられるべき明治人だったのであろう。と難しいことを考えなくても、谷口ジローによって描かれる、生活者としては失格者である啄木の姿(特に表情がいい)を中心としたこの第3部は、面白く楽しい。しかし、同時に哀しみも感じさせる作品である。
なお啄木は第1.2部にも少し登場しているが、ここでの彼の姿は有名なあの憂いを帯びた表情である。これでは、啄木のダメさは表現できないのははっきりしているのだが、あまりの違うので結構笑える。谷口ジローも苦労したのかもしれない。
(第4部のレビューに続く)
2007年8月8日に日本でレビュー済み
まさしく『坊ちゃんの時代』。
あの時代、多くの魅力ある人材がうごめいていた。それを 全員 登場させ、あの時代を生き返させんとした野望。脚本の関川 夏央、そしてそれを画として完成させていった谷口ジロー。気の遠くなる話し。特に、絵にしていった谷口ジローはいかにしんどかったかと想像する。逃げないで、ついに完成させたのだ。実に12年間の長い年月がかかった。「未知の世界」に挑戦し続ける、粘り強さ、感性、創作力。
私は この作品にであったとき驚愕した。既存の「漫画」とは異なるジャンルの出現と感じた。
二人は 新しき物作りにおのれの人生の一番元気な時をかけた。こうして 私たちは 日本国で最高の作品と出会う幸せをえることができた。
関川 夏央と谷口ジローが作り上げた 過去の「日本漫画」を止揚した「宇宙」の登場。(これを 感動といわずして何を感動といえるのか。)日本国で これ以上の 「創造物」にまだ会ったことはない。日本に新しい文化が誕生したのだ。このことを確認し、二人の創作者に 感謝したい。世には偉大な人物がいるものだ。
しかし、今の時代と『坊ちゃんの時代』を対比し、これからどう生きるかは我らが、見つけねばならないと迫られているようでもある。
あの時代、多くの魅力ある人材がうごめいていた。それを 全員 登場させ、あの時代を生き返させんとした野望。脚本の関川 夏央、そしてそれを画として完成させていった谷口ジロー。気の遠くなる話し。特に、絵にしていった谷口ジローはいかにしんどかったかと想像する。逃げないで、ついに完成させたのだ。実に12年間の長い年月がかかった。「未知の世界」に挑戦し続ける、粘り強さ、感性、創作力。
私は この作品にであったとき驚愕した。既存の「漫画」とは異なるジャンルの出現と感じた。
二人は 新しき物作りにおのれの人生の一番元気な時をかけた。こうして 私たちは 日本国で最高の作品と出会う幸せをえることができた。
関川 夏央と谷口ジローが作り上げた 過去の「日本漫画」を止揚した「宇宙」の登場。(これを 感動といわずして何を感動といえるのか。)日本国で これ以上の 「創造物」にまだ会ったことはない。日本に新しい文化が誕生したのだ。このことを確認し、二人の創作者に 感謝したい。世には偉大な人物がいるものだ。
しかし、今の時代と『坊ちゃんの時代』を対比し、これからどう生きるかは我らが、見つけねばならないと迫られているようでもある。