中国の宋の時代が作品の舞台ですが。
正確な時代は書かれていませんが北宋の八代徽宗。（在位1100〜1125）の時代です。
この時代は宋王朝が急速に衰退し、代わって女真族の建てた王朝「金」が台頭し、後の靖康の変に繋がる時代です。
時の皇帝徽宗は、風流人であり。書や詩歌には高い才能を示した人物でしたが、政治家としては無為惰弱な人物でした。
そのため新法派と旧法派に分かれて対立を続け、政治は混乱を続ける宋王朝の衰退を止める事など出来なかった。
この後、南下してきた女真族の王朝「金」が台頭し、宋王朝の衰退は決定的になりますが
作中には金に関する記述はありませんから、多分、まだ金が建国される１１１５年以前の時代でしょう。
つまり１１００年から１１１５年までの間辺りが、物語の舞台となっている時代です。
北宋の滅亡は１１２７年ですから、宋王朝が金に滅ぼされる直前の時代ということになります
古代中国の予言書「推背図」
これは現在の多くの予言書がそうであるように、詩の形式でかかれ。
どのようにも解釈できる内容ですが。
国を揺るがす乱の気配を感じた五行は、弟子たる燕見鬼に推背図を青渓県にいる「推背図」を渡すべき人物のもとに送るように命じた。
しかし推背図を狙い、数々の敵が襲ってくる
仇導師、十四娘などの強敵たちです。
そして推背図を一度は奪われながらも、燕見鬼は奪還するべく敵のもとに向かいました。
燕見鬼は、剣を振るい道術を使う。魔法剣士になって、強敵たちと戦っています。
阿鬼と呼ばれていた頃と比べればたくましく成長したものです。
あと、短編の二編が収録されています
「土中の怪」
土の中から出た怪物は、何をやっても殺す事は出来ない。殺す方法は、その正体を看破し
名前を知る事だけです。
有力者のテイインガイより、その化け物の正体を見抜くことを依頼された五行と阿鬼は
物語は意外な結末に向かいます。
「麗卿」
この作品は中国の明代の怪奇小説『剪灯新話』に収録された『牡丹燈記』から書かれた作品のようです
この作品は日本にも江戸時代に伝わり、落語の牡丹燈籠として改編された物語です。
ある書生が美しい娘と出会い、一目で互いに恋に落ちた。しかしその娘は幽鬼であった。
この辺の導入部は一緒ですが、諸星版は結末がかなり違った内容に描かれています
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