｢南極料理人｣は私の大好きな映画。もう何度観返したことか。映画の中のどの料理も美味しそうだが、私は、酷寒の中での作業中の昼休みに、基地内の食堂で皆がおにぎりと味噌汁を食べるシーンにことのほか興をそそられた。チームの皆ががっつくように、本当に美味しそうに食べてるんだよねー。画面を観ている私も垂涎を禁じ得なかった。凍てつく寒さの中での作業の後のホカホカのおにぎりと熱々の味噌汁だ。そりゃあ美味しいでしょうよ(笑)
この映画を観たのは大雪の降る冬の夜。翌朝、玄関を開けて見たら案の定の積雪。我が家は町道沿いにあるため、早朝に除雪車がかいた雪が玄関前にうず高く盛り上がっていた。雪かきをせざるを得ない状況。スコップで雪と格闘すること約2時間。氷点下なのに大汗をかいた。
やり終えて一服している時に、ふと昨夜観た｢南極料理人｣のおにぎりと味噌汁のシーンを思い出した。今それを食べたら美味しいだろうなと。思い立ったが吉日、私は台所に上がって自分でおにぎりと味噌汁を作って食べた。塩は幾分強目で、海苔を巻き、漬物を添えて。いや～、うまかった！本当にうまかった！映画さながらに、むさぼるようにがっついた。なんてうまいんだろう。この世にこんなうまいものはない。つくづく日本人に生まれて良かったと思った。
以来、私はおにぎりマニアになりました(笑)
事程左様に、食べ物は状況が味に大きく加味するものなのである。
映画があまりにも面白かったので、このレシピ本｢ごはんにしよう。｣も迷わず購入。買って正解、映画の中に出てきた美味しそうな数々の料理のレシピが満載されている。ページをめくれば映画の雰囲気を追体験出来ると同時に、このレシピを参考に料理を作れば、唾を飲み込みながら観たそれらの料理をも追体験出来るというわけなのである。その意味で、本誌の出版は極めて的を得た、意義あるものだったと言える。
なお、この映画に出てくる数々の美味しそうな料理を作り、観せてくれたフードコーディネーターの飯島奈美、榑谷孝子両氏に絶賛の拍手を送りたい。お二人のフードプロデュースがなければこのような傑作にはなり得なかったと思う。映画本編を観ながら腹がグーグー鳴って仕方なかったのは、ひとえに両氏のセンスとスキルによる。すべての料理が、本当に美味しそうに見えたものね。お二人にはよくやってくれましたと伝えたい。
しかし｢南極料理人｣は罪作りな映画だ。
観返すたびに腹が減る(笑)
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