今年（2008年）を含め、過去3回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭を訪れたが、この本を読んで、改めてこの映画祭の偉大さに感服した。タランティーノ監督が有名だが、どれだけ多くのクリエーターがこの映画祭をステップに、世界的な監督へと育っていったことか。
映画祭を育て上げた、「泣き」の小松澤陽一プロデューサー入魂の著作。映画祭のはじまりから、訪れたスターの物語とそれを迎えた市民の物語、さらに夕張財政破綻の本当の原因にまで話はおよんでいる。
冷静にみても、一回の開催に一億円を切る予算しかかけず、それでいながら市民よりも多い人を数日間に集め、しかも世界的にも知られるようになったこの映画祭、地方イベントとしてはコストパフォーマンスが非常に高い、大成功例だ。その奇跡を成し遂げたのは、故中田元市長や夕張市民、映画関係者の「愛」。このことを、改めてひしひしと感じさせてくれる一冊だった。
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