長期間ワタリウム美術館で開催された岡倉天心研究会をまとめたもの、という理解で良いと思う。天心と関わった多くの人の文献や手紙を凡その時系列で編集されている。様々な視点があるので、編集に於いては大変な労力を必要としたことが想像され、敬意を表したい。建築家の磯崎新氏によるイントロ部も新鮮だったし、勉学家ながら17歳で13歳の「もと」をめとっていて、それが天心の運命に少なからず大きな影響を与える結果になっていること等に従来にない分析を可能にしていると感じた。若者に、最初に天心を知る書物として最適であると記しておきたい。クレームもある。特に第2章、第3章のページ下端が赤く塗られていて、大変読みづらいし、全般に意味不明なデザイン処理が見受けられる。本としては100点満点上げられるが、本としてのデザインはその内容のレベルに合致していない点が惜しまれる。★一個減点はそれ。

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岡倉天心 日本文化と世界戦略 単行本 – 2005/6/26

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