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日本残酷物語1 (平凡社ライブラリー) 文庫 – 1995/4/12

4.2 5つ星のうち4.2 35個の評価

商品の説明

内容(「MARC」データベースより)

日常的な飢え、虐げられる女や老人、掠奪やもの乞いの生涯、山や海辺の窮民…。かつての日本のありふれた光景の記録を集めた「残酷」な物語。長く貧しさの底を生き継いできた人々の様々な肖像。再刊。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 平凡社 (1995/4/12)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1995/4/12
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 541ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4582760953
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4582760958
  • カスタマーレビュー:
    4.2 5つ星のうち4.2 35個の評価

著者について

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宮本 常一
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1907年、山口県周防大島生まれ。大阪府立天王寺師範学校専攻科地理学専攻卒業。民俗学者。日本観光文化研究所所長、武蔵野美術大学教授、日本常民文化研究所理事などを務める。1981年没。同年勲三等瑞宝章(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 和泉の国の青春 (ISBN-13: 978-4896949568 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)

カスタマーレビュー

星5つ中4.2つ
5つのうち4.2つ
35グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2013年12月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1959年に出版された本だが、当時としても何十年も前に取材したことだとか、当時すでにおじいさん、おばあさんであった人への聞き取り調査をたくさん詰め込んである。
寒村や離島の小作農家の生き残り、はたまた騙されて中国やインドシナへ娼婦として輸出された人たちの証言を、話し言葉そのままをなんとか文字に起こさんとする。
これは読みやすいとは言いがたいし、いつ取材したのかというような客観的情報に欠けるきらいがある。これでは筆者の創作する物語という接しかたもあろう。

死んだ人の証言は取れないので、たいてい壮絶な生きかたが刻まれる。
厳しい自然と事実を客観的な記述するのではなく むしろ話し手の主観そのもので、学際的には評価されないかもしれない。それでも、なんだか悲惨すぎて、自分の人生のなんと明るいものかと不遜なことを思いさえする。そんな強さを本書は備える。

日本の土地の多くは山地であって、農耕がとても難しいところにも案外人は住みついていた。戦国時代が終わってからは、日本は平均的には豊かで、平均的にはすぐれた文化を持っていたものと信じるが、とてつもなく貧しい地域が戦後しばらく残されていたことは忘れてはならぬことだと思う。

いまは、都市が高密度に人口を受け入れることができる。昭和初期までずっと数年おきに冷害で飢饉となった東北地方でも、一部の農家の尽力で品種改良が進んで収量が伸びた。もう山奥だとか、目の前が海で背にはすぐに山があるような絶望的なところに無理して住まなくてもいい。だが、その背景には、生まれながらにしてとてつもなく貧しくあらざるを得なかった人々がいたことを忘れてはならぬと思うのである。
29人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年6月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今日の研究水準から見ると果たしてその信憑性やいかにと思われる記述も散見します。
例えばあの名高い「姥捨て山」は、現在の歴史研究ですらそれを裏付ける具体的な証拠は見つかっていません。
本書でも出所の定かでない巷間の伝承を拾うのがやっとで、
我が国ではむしろ外国から入ってきた棄老伝説を敬老譚として昇華する動きの方が顕著だったと認めています。
にもかかわらず、これが執筆者の手にかかると
「しかしこうした逆説的な敬老譚が成立するためには、現実にも年寄りを粗末にする風習が一般的にあったことをしめすものだろう」
といった牽強付会な論理にたちまち生まれ変わるくだりを見るとさすがに閉口します。
この手の詭弁はあたかも自分に都合のいいサイレントマジョリティを作り出すようなもので個人的に一番嫌いですね。
こんな理屈が成り立つなら本書の指摘する不都合な真実そのものが繁栄の歴史の裏付けでしかないことになるでしょう。

しかし、それでも大部分は膨大な口碑や文献を丹念に渉猟して得た研究成果に基づいているだけあって
さすがに一読して民俗学としての面白さを存分に伝えてくれます。
解説の大月隆寛氏も揶揄しているように当時のイデオロギーが時折鼻につきすぎるきらいはありますが
今日いまだ存在意義を失っていないシリーズだと思います。
47人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年8月16日に日本でレビュー済み
昭和35年5月7日14版発行。 中古品 - 可 函付324円で購入  古本の経年の香りが漂う
第1章 追いつめられた人々 海辺の窮民:アイのかぜのめぐみ 海の掠奪者 山民相奪う:山中の殺戮 無主無住の地 落ち武者の運命 掠奪に生きる:強盗武士 山民の盗伐 都会の窮迫 乞食:乞食の流れ 飛騨の乞食北海道のオド 土佐梼原の乞食
第2章 病める大地     飢えの起源:享保 天明 天保の飢饉 明治・昭和の飢饉 自然の悪霊:風土病 悪疫の恐怖 
第3章 弱き者の世界   老人と子供:間引きと堕胎 日陰の子供たち 老人の扱い 女の座:女の苦行 嫁と姑 嫁入らぬ女たち 白川村の女                  女の忌 働く女たち:おせいばあさん おしかさん おかねさん 工女たち 袖志の海女圧制ヤマの女たち
遊女:よるべなき女たち 御手洗の遊女 ゴケのはなし 天草女:天草の貧しさ 女衒村岡伊平治伝 生き残った人々

各項目ごとに著者が違うので、その文体の異なりにより読んでいて飽きがこない
この本は今まで宮本常一の本を40冊以上読んできた自分にとっては、記憶に新たにするものも多いが、江戸期作品を参照とし著者が違うことで歴史的側面に重きにしたものも少なくない
各項目の根底にあるものは、常民、非常民の生活がいかに苦しく窮民たる生活を送らねばならなかったかにある
貧しさ ひもじさ 飢え 寒さというものが常民の生活にはつきものであった  
農民には飢饉、旱魃 冷害 多雨これらにより自分の生活が左右された さらにのしかかる年貢の足かせ 日々くうか食わざるかである
農民は飢饉に供えて、郷蔵を作り一致団結して稗などを備蓄して供える 享保 天保 天明の三大飢饉では東北で数順万人が餓死したという
食えるものは人肉さえも口にせねば 明日自分が死ぬのである  
そう考えると今は いい時代だと思うとともに 畜生にならずにはいられなかった歴史の上に 現代があると考え直すべきであろう
明治から昭和にかけては、飢饉冷害に強いイネの品種改良がおこなわれた 酒米で有名は亀の尾は山形庄内地方の東部で開発された品種であり、それがさらに冷害に強い品種を生む原型となっており、現在の稲作へのつながるのである

土佐梼原の乞食は、忘れられた日本人に収載されている 土佐源氏の話である
乞食は非常民であるが、街の中で常民の些少な保護を受けながら共存していた存在のようである
乞食の中には施されたものを全て寺社に寄付して、寄進者に名を連ね人々から尊敬冴えた乞食もいたそうである
こうした非常民の存在は 決して自然に耳に入るものではないので 非常に興味深かっ

病める大地では 各地の風土病とよばれた感染症やらい病患者の悲劇を書いている 風土病といえばツツガムシ病が有名だが 日本住血吸虫症も農薬のない時代には 多かったようだ

他のレビューで信憑性が疑われるとか、民話だ言い伝えだと酷評も多いが、宮本常一の監修であれならば、聞書きがデータベースになっているはずである。寺社仏閣や武家公家の伝承であれば文字によるものがほとんどであるが、常民の生活における伝承方法は口碑によるものがほとんどでありその記録が文字として残されていることがほとんどないことを知らないレビューアーもいるようである。
つまるところ文字になっていないもの、口でしか伝承されていないものは価値がないと言ったところであろうか。そうなると世の中に記録されていないもの、伝承されていないものは、そもそも存在しないのだという論理にもつながってしまう 注意が必要だ
民俗学的考察の原点は、聞書き、口碑によるデータ収集であるということを認識しないと、宮本の民俗学を大方否定することになるな
54人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年12月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タイトルにあるとおり、今日において「残酷」と思われる風景が、ほんの数十年前までは日常生活と隣り合わせだったことは、知っておくべきこと。なぜなら、それを知らないまま今の価値観でこの残酷を理解しようとしても、現在にも引き継がれている伝統的な考え方などもまったく理解不能な非現実的な風景に映ってしまう。例えば、地方に今でも残る風習はまさにその代表的なことだと思う。最近経験したことでは、東北地方での混浴の習慣を取り上げてもそうだ。現在の東京に住んでいる私からは理解できない風習だが、現地に行って目の当たりにすると、自然なことと実感できる。

とにかく、倫理や道徳と、現実生活との折り合いって、今も昔も難しくって、正解ってないんだなって思う。ある所までは考慮しなければいけないけど、線引きの難しさを改めて感じた。昔の事例から正解が見つけることが出来れば白黒はっきりしてすっきりするものの、正解を見つけるのではなくて、考え続けることが大事なんだと思う。

ちょっと文量が多いので、ちょっと気軽に読めないのが残念。また、土地に根付いた話なので、旅行前に読んでその土地に行くといろんなことが見えるかと思ったが、私はそこまで器用ではないから、読んだ後にまたその土地に行ってみないと、本で読んだ内容が生きてこないと思った。
16人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年1月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
民俗学の書籍を二十数冊読んで辿り着いたシリーズです。
宮本常一で検索して出会った書籍です。
残酷というタイトルでは決して読まなかった本です。
昭和30年代に初版が発行され、版を重ね、体裁を変え現在に続くロングセラーのようです。
江戸時代から昭和30年代までの時代背景を知るには最適なテキストです。
読み進めると有名な宮本常一の口述筆記に何度か出会いますが、2度読んでも損のない文章です。
平凡社ライブラリーでは5巻までしか再版されていませんが、本来なら全7巻です。
今ならまだ当時の別巻1,2も古本で手に入ります。
これは現代編で出版直前の昭和35年位までの事柄が咀嚼されることなく反映されています。
全巻を読み終えて思ったことは、学生時代に読みたかった。
そうすれば、もっと歴史が理解できたし、儒教の精神ではなく敬老の念を抱いただろうと思います。
なめとこ山の熊や蛙団長はこんな時代に書かれたのだなと、人間の性の普遍性に畏怖します。
23人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年7月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本ってゆうといったいどんな国でしょう?
先進国でマナーがよくてよその国から一目おかれて・・・

もちろん今を生きる我々にはそんな一般的な現代の日本しか知りませんが
むかしむかしは色々と大変だった・・・

歴史の教科書とは違った「日本の歴史」アナザーサイドです
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年1月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最初のうちは貧困の記述にのめりこんだが、どの逸話も民話や言い伝えであることをいい事に、「実際あった話かどうか分からない」という逃げ口上で締めくくられる。(2)も買ったが読まずにブックオフ行きだ。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年7月28日に日本でレビュー済み
小学生のころ、ハードカバー版の、子供が手に取りやすい形の本で児童図書館に置いてありました。
はだしのゲンとか、こういうお話や、731部隊のお話が、
普通のおとぎ話やとんち話、高天原神話やアイヌ神話や韓国神話、他、いろんな国の神話、
少年探偵の話なんかと一緒に置いてありました。

今の子供たちが、ソフトになりすぎる今どきのおとぎ話ばかり読んでいると
とても不安になります。
自分の中の善悪の確立や、考え、乗り越える力を持てないのではないかと思うからです。

汚い話から遠ざけて、それを知らずにいれば、
人を無知と無神経で傷つけてしまうのが見えています。

この話のシリーズをはじめ、もっといろんな事に興味を持って欲しいと思います。
そして、きれいな話ばかり聞かされて、日本
18人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート