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歴史のための闘い (平凡社ライブラリー) 文庫 – 1995/6/12

4.7 5つ星のうち4.7 16個の評価

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20世紀歴史学の行方を方向付けたフランス〈アナール〉学派。その創始者が、歴史をその全体性において、深層からとらえなおす「生きた歴史学」を提唱した歴史学入門の書。解説=二宮宏之
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商品の説明

内容(「MARC」データベースより)

20世紀歴史学の流れを咆哮づけたフランス〈アナール〉学派の創始者、歴史をその全体性において、深層からとらえなおす「生きた歴史学」を熱のこもった語り口で呼びかける。1977年刊の再刊。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 平凡社 (1995/6/12)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1995/6/12
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 224ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4582761011
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4582761016
  • カスタマーレビュー:
    4.7 5つ星のうち4.7 16個の評価

著者について

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リュシアン・フェーヴル
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上位レビュー、対象国: 日本

2024年4月20日に日本でレビュー済み
フランスの戦前、戦中、歴史の在り方を見直すために熱のこもった議論、批評が繰り広げられる。歴史とは何か、どのように定義するかという議論を飛び越えて、もっと広い視野で語られる。フランス流の荘重かつユーモアと皮肉のある表現、隠喩に次ぐ隠喩により想像を足し合わせる愉しみがある。また文章の面白さを再考させられ、表現の可能性を感じる。
本書は1933年、1941年の講演、『年報(アナール)』1946年のマニフェスト、1936年、1949年の評論などが含まれている。訳者解説によると原書のタイトルCombats pour l'histoireは闘いというより戦闘という意味で過激だったが日本向けに意訳されている。本文についてもとても読みやすくまた著者の激情や隠喩のユーモアが伝わってくる。トインビーや旧弊に対する皮肉の表現は何度読んでも愉しい。
そして時代はフランスがドイツに占領され混乱を極め、破壊、改革、構築と歴史が大きく動いていた背景があり、政治史の一面も持っている。マルク・ブロックの回想では胸が熱くなる。

シュペングラーの歴史観への批判は辛辣で、フェーブルに言わせれば歴史家ですらなく小説家、エッセイスト、手品師という扱いである。現代では歴史学者という位置付けのようだが、そういうわけではなさそうだ。1922年シュペングラーによる『西洋の没落』刊行当時、ドイツ歴史学は外交史や経済史、文学史など相互交流なく細分化されたまま専門家の間に留まっていたが、彼はそういう独占に批判を投じ大衆に大ウケしたのである。彼は西洋文化をファウスト的魂として古代文化のアポロン的魂の静寂、緩慢、晴朗と対置して、上昇する文明に生きるより没落の日々を生きる方が素晴らしいと説いた。読者はこの新しい提言に喜び解放感を得たという。
その後シュペングラーによる『西洋の没落』とそこにある思想は政治色を強め、ドイツを破綻に導いたヒトラーの国家社会主義によって利用された経緯があり、彼を歴史学者とするのは当たらないとする考えがある。実際、ヨーロッパで膨張する当時の悲壮感や英雄的な宿命観などシュペングラーの論点は時流を捉え、ナチスドイツの唱導にも合致していたようだ。しかし後々党のイデオロギーとズレが生じ、またイデオロギーは外交や国際経済においては役に立たないなどの批判によりナチ党とは決別していく。フェーヴルによるシュペングラーへの批判は次のように締めくくられる。「狡猾で魅惑的かつ言葉巧みな人間の政治的混合物を覆っていた歴史家の薄いニスは、かくのごとくあっけなくはげ落ちたのだった」p97。

海を跨いだイギリスのトインビーの記した『歴史の研究』に対しても厳しい批判を投げている。トインビーは人種や時代にとらわれずこれまで歴史上に現れた21の文明を取り上げ、挑戦と応戦(フェーヴルは要請と適応と言い換え)の法則などに照らして比較しているp103。このような方法は専門家による歴史学ではなかった試みで当時の大衆に受け教養人の間でも絶賛されたという。当時の歴史学は過去の遺物、記録から事実を検証して確定していくような地道な作業であって、経済史や文学史など細分化されそれぞれ独立して検証されていた。トインビーは文明以外にも社会の発展は一部の天才に拠るとして、聖パウロ、仏陀、カエサル、マホメット、カント、ハムレットなど取り上げ隠退と復帰(活動と停止)を繰り返して文明は生長するとした。フェーヴルはトインビーが旧来の歴史学に対して狭い研究領域に留まっていてはいけないと聖戦を挑むのは結構とした上で反論を繰り広げていく。トインビーがここでは手品師扱いされ欺瞞的手管だとして揶揄されていて思わず笑ってしまう(1936年の評論)。一方で、フェーヴル自身も旧来の歴史学に対して改革の必要性を述べていて、活動的な班長に率いられた共同研究によって調査枠の設定、正しい問題提起、情報源の正確な指示、支出の見積りなどを元に採取からカード作成、地図、統計、図表作成や厳密な意味の史料と言語学、心理学、民俗学、考古学、植物学資料と照合を行うことを提起しているp178。旧来の歴史学者に対しては「ライバルに奪われまいとまるで金庫の財布のように隠し持っている自分専用のカード箱のうしろで肘掛け椅子に腰を下ろした老人、アナトール・フランスが描く老人は一世代か二世代のうちにその風変わりな生涯を終えるだろう」と手厳しい。

フェーヴルの愛弟子マルク・ブロックの回想についてはその研究や生涯の紹介とともに歴史学の在り方にも踏み込んでいる。歴史家の姿勢として、壮麗な体系を立てないこと、抽象的で精彩を欠いた折衷主義に溺れないこと、現実と先入観と向き合いそれらを直視すること、現在の状況を観察した後、文書記録を取り上げて問いかけることなどを挙げているp141。ブロックは歴史とは変化の学問であると提唱する。旧来の歴史学では古代社会や中世社会を分類するだけに留まったが、抽象物の背後に生きた現実を発見し、人間の精神状態、生活様式、疲労、物質的困難など実際的・具体的・人間的問題を提起し、抽象から決定的に脱することを求めたp138。また歴史家は情報の空白を埋めるため全てを試み絶対に諦めない、過誤を恐れない、熱狂しながら何度も繰り返し希望に満ちた道に飛び込む、目的地に通じていなければやり直す、糸のもつれを辛抱強く再びほどくことを呼びかけるp181。このような励ましは歴史家に限らず、現代の研究者、探求者の心にも響くものがあるのではないか。

マルク・ブロックはソルボンヌ大学の教授となったがドイツによる占領、ドイツ傀儡のヴィシー政権の下、紆余曲折を経てレジスタンス活動に入る。その中でフランスの敗北は若者への教育の不足であるとしてフェーヴルにフランス解放後の教育改革の必要性を説いた。彼はしかしリヨンでゲシュタポに囚えられ裁判無しに処刑されたのである。本書ではその経緯を細かく綴り、偉大な歴史学者の喪失を悼む。

ブロックは定義というものは牢獄であるとし、学問は人間と同様自由なのだから歴史を定義することはしなかった。フェーヴルはそのことに対して余りに正確で推敲され詳細な定義はむしろ歴史の最良の部分を取りこぼす危険があるとする。それは歴史が新しい技術や斬新な視点により絶えず変化するから。ましてや大混乱の時代において定義に熱中していいものか。また歴史家は境界に立って自由に仕事をするため、決まり切った仕切りをなくさなければならない。フェーヴルはブロックの表明を支持して、さらに熱い語りにより補足していく。

過去は恐るべき非人間的なことに溢れている。そしてそれらは今を生きる人間を踏み潰そうとする。そのため人間の本能は過去から注意を逸らし、呑み込まれないように警告する。現代の一部ではこの本能に従い、また何か意図的に過去を忘却しようとする向きがあるが、フェーヴルはそのような社会を最も発達の遅れた社会、精神的に怠惰な社会として非難する(その悲惨な社会を嘆く)p194。そして歴史は過去が人々を圧し潰さないように事実を組織するための手段の一つだという。恐ろしいから忘却する、知らないから美化するという安直な姿勢はまさに歴史が逆行することに等しい。当然意図的に美化することも事実に反し、そのため歴史とも呼べない。

混乱の時代に生きた二人の歴史への渇望、学問への情熱、後世への熱い想いがみなぎっている。歴史と言わず、何かに行き詰まりモヤモヤしている時に、本書は心に再び熱いものを呼び覚ましてくれるのではないか。
2014年10月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
歴史学を専攻しようとする学生ならば、大学1年で読むべき本である。歴史学を専攻しようとするものでなくても、歴史学の教養として読んでおくべき本であろう。他にも 歴史とは何か (岩波新書) 新版 歴史のための弁明 -歴史家の仕事ー もお勧め本である。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年5月10日に日本でレビュー済み
リュシアン・フェーブル(1878-1956)は、一般的には、「歴史家」であり、しかも、マルク・ブロック(1886-1944)とともに「アナール派」という20世紀歴史学最大の衝撃の核心に位置する、普通以上の「歴史家」であると思われているでしょうし、僕も本書を読むまで漫然とそう思っていました。

たしかに、本書は、本筋としては「歴史家」が「歴史」についての見解を示したものです。

ところが、このフェーブル先生、「歴史」という一つの型に押し込めるには、あまりにも広く、深く(広く深いのは地理学・心理学・社会学などとの学際性を重んじたアナール派に共通のものかも知れませんが)、かつ、熱すぎるほど熱い男なのであります。

本書はその熱い男の「魂の叫び集」(?)のようなものではないか、と、今では勝手に思っています。詳しい内容は、他の方がレビューされているのでそちらにお任せすることにしまして、僕は、印象に残った「熱い」文章をお示ししたいと思います。

 【「歴史が人間の科学であること」…歴史は、このような学問であることによって「生」を見出し、隷属を強制する暴君であること、昨日の死者が言い渡したとされる法を生者に押しつけるというあらゆる意味で殺人的な夢を追うことをやめるのです。幸いにも私は、この講堂におられる若い諸君が歴史研究に生涯を捧げようと決意していることを知っているので、確信をもって申し上げます。歴史を研究するためには、決然と過去に背を向け、まず生きなさい。生活に没頭しなさい。…多様な知的生活に。歴史家よ、地理学者でありなさい。同じく法学者、社会学者、心理学者でありなさい。物理的世界の諸科学を、諸君の眼前でめくるめくような速さで変えている偉大な運動に目を閉じてはなりません。そればかりか実生活をも生きなさい。荒れ狂う海に生じていることを、岸辺から物憂げに眺めるだけで満足してはならない。難破しかけた船の中で…腕まくりをして、水夫が船を操るのを手伝いなさい。…諸君は闘志を漲らせ、戦塵と、打ち倒した怪物の血糊とで体を覆われたまま、歴史の眠る静かな古い宮殿に足を踏み入れなければならない。窓を大きく開け、明かりを灯し音を立て、そして諸君の熱く若い生命で眠れる王女の冷え切った生命を蘇らせねばなりません。】  (2章「歴史を生きる」より)

 【歴史家よ、仕事に取りかかれ。議論はもうたくさん。時が経つ、時が切迫している。おそらく、皆さんは一息つきたいに違いない。それぞれが門の前を掃除する時間だけでも。きっとそうだ。だが、世界が皆さんを駆り立てる。顔に熱い息を吹きかけている。とても、そっとしておいてくれない。…昨日の世界は永久に終わった。我々は物的財産のすべてを、あるいはほとんどすべてを失った。しかし精神が残されている限り我々は何も失っていない。世界を世界に説明しよう。歴史によって。だが、どのような歴史によってか。…人々を拘束しない歴史、何ぴとも強制しない歴史、しかしそれなくしては堅固なものは何もできない歴史、このような歴史でなければならない。…自動的(オートマティック)な「歴史」ではなく、問題提起(プログレマティック)の「歴史」を我々に与えよ。】  (3章「嵐に抗して―新しい『年報(アナール)』のマニフェスト」より)

なんという情熱!言い過ぎるほどの饒舌!これが、なまの「リュシアン・フェーブル」なのです。

歴史をかじっていた学生時代、勉強に倦んだとき、行き詰まったときには、これを読み返しました。久しぶりに棚から取り出したこの本は、至る所がボロボロで赤線や書き込みだらけですが、今では良い思い出です。歴史に関心がある方は、一読して損はないでしょう。二宮宏之先生(1932-2006)による「解説」もじつに秀逸。
16人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2006年1月12日に日本でレビュー済み
歴史家とはどうあるべきか。歴史とはなにか。本書はアナール学派(歴史学が政治・経済史に固執し総合的見地を持っていなかったとの批判から生まれた、歴史を様々な学問分野から検討しようと主張する学派)の創始者の一人でもある著者リュシアン=フェーヴルは、歴史学を他の学問から孤立した存在ではなく、隣接する科学との協力を目指すことに一生を捧げた。歴史は文献や文書を調べてそこから事実を抽出することだけではない。歴史はもっと動きに満ちていて、解釈の仕方も様々だということが実感できる。歴史学を学ぶにあたって是非読んでおきたい一冊である。
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年7月29日に日本でレビュー済み
 歴史学の趨勢に大きな影響を与えたというアナール学派の創始者の一人、フランスの歴史学者のリュシアン・フェーブルによる、歴史学方法論。

 全体で6つの独立した論文を掲載していて、一番年代の古いのは1933年、一番新しいのは1949年のもの、現代史の激動の時代にあって思索を躍動させる著者の密度の高い精神の運動が、生き生きとした筆致で翻訳されている。巻末には原注・訳者あとがき・解説・索引が掲載。

 内容については、一章から三章までで従来の体系的で静的な、自動的に歴史が叙述できるかのような歴史研究や歴史哲学に反駁し、歴史家自身が歴史史料を前に問いかけをし、問題提起し、仮説を作って研究を進めていく歴史学の必要性や重要性を主張している。その主張の裏には20世紀に起こった物理学の根本的な変革が与えた方法論的インパクトがあり、また、おそらく第一次世界大戦が当時のヨーロッパの人々に与えた根本的な世界観の転回があったのではないかと思う。事実はたった一つで、事実を観察さえすれば現在も過去もたちどころに理解できるという考え方が崩壊したことが、著者の問題提起の根底にあるのではないかと思った。事実や現実というのが、少なからずそれぞれの人によって解釈された部分を含むことはカルチュラル・スタディーズも示していることだが、案外意識されることのないことだ。そうして進めていく歴史研究は、複数性としての人間の生を浮かび上がらせようという目的を目指すのだという。

 四章はシュペングラーやトインビーの歴史著作を擬似歴史学として批判している。そして五章は著者の朋友のマルク・ブロックについての追想、六章はブロックの「歴史のための弁明」のブックレビュー的文章が載っている。「歴史…」を読みたくなる。ナチスに処刑されてキャリアを絶たれたブロックへの哀悼の思いがこもっている。

 歴史学の方法論を知るのにも役立つし、この書物自身が歴史書としての面白みのある一冊だと思う。
13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2007年10月31日に日本でレビュー済み
アナール派の自称する「生きた歴史」というものが実際どのようなもので
あるかは別として(私には生を装っただけの静かな影絵芝居に思われるが
)、フェーブル氏によるこの書自体は彼の生きた時代そのものを如実に示
している点で第一級の史料である。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年4月10日に日本でレビュー済み
1 歴史と歴史家の反省
2 歴史を生きる―歴史学入門
3 嵐に抗して
4 シュペングラーからトインビーへ―二つの日和見主義的歴史哲学
5 マルク・ブロックとストラスブール―ある偉大な歴史の思い出
6 新しい歴史へ向かって