日本の植物学者の名前を一人あげよといわれれば、死後すでに50年近くが経とうとしているが、牧野富太郎の名をあげる人が多いだろう。
2500種あまりの植物の学名をつけ、心血を注いで作った「牧野植物図鑑」は、以後多くの人々を、植物学の世界へ導くことになった。その活躍は、95歳で亡くなるまでエネルギッシュであり驚異的なものであった。
彼が偉大であれば偉大であるほど、時の学会にはその偉業を妬む気配が渦巻いていた。牧野富太郎の半権威的な姿勢が、当時の学会の誰もが及ばないほどの彼の知識に裏打ちされているとなると、それに対抗する術のない、学会という権威の集団においては、排除されるべきものであったのも、又致し方なかったのかもしれない。
牧野富太郎は植物学に全精力を注ぎ込んだためか、その他の面では、性格破綻者的面もみられた。しかし、そういった面が今となっては、牧野富太郎の人間的魅力を形成しているということもできよう。
金銭感覚のなさから来る膨大な借金と、貧乏生活のエピソードは、偉大な学者としての牧野富太郎のイメージと複雑に絡み合い、読む者をわくわくさせる。
この偉大な学者の学歴は、小学校中退である。東大に45年間奉職したが、常に植物学教室の当時の主流からは排斥されつづけた。「理学博士」の学位取得を頑なに拒みつづけた。等々のエピソードだけでも、牧野富太郎という、超人的な学者の強烈な個性が浮かびあがってくる。
自らを、「草木の精」と呼んだこの学者にとっては、人間社会のしがらみは耐え難いものであったのだろう。そのことが、さまざまなエピソードを生んだということができよう。
草木のように自由に生きたいと望んだ牧野富太郎の、その強烈な個性を含めた全てを、著者はこよなく愛し、尊敬していることがひしひしと伝わって来る。
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牧野富太郎: 私は草木の精である (平凡社ライブラリー し 16-1) 単行本 – 2022/10/14
渋谷章
(著)
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世界的な植物学者牧野は、学歴としては小学校中退であったが、後に新・変種約2500もの日本の植物の命名を行った。自らを“草木の精”と呼ぶ偉大な学者の生涯。解説=荒俣宏
- 本の長さ245ページ
- 言語日本語
- 出版社平凡社
- 発売日2022/10/14
- 寸法11.2 x 2.4 x 16.2 cm
- ISBN-10458276388X
- ISBN-13978-4582763881
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内容(「MARC」データベースより)
自らを「草木の精」と呼び、95年の生涯を植物に捧げた牧野富太郎。約2500種の学名をつけ、幾多の著作を残し、今もってその業績は燦然と輝いている。世界的植物学者の人間性に迫る。リブロポート1987年刊の再刊。
登録情報
- 出版社 : 平凡社 (2022/10/14)
- 発売日 : 2022/10/14
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 245ページ
- ISBN-10 : 458276388X
- ISBN-13 : 978-4582763881
- 寸法 : 11.2 x 2.4 x 16.2 cm
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上位レビュー、対象国: 日本
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2020年4月4日に日本でレビュー済み
リブロポートの「民間日本学者」シリーズの第4巻。
このシリーズはなぜか専門家でないひとに執筆を頼むケースが多いのだが、本書の書き手である渋谷さんも、けっして牧野の研究者というわけではない。学部が植物学だったことで依頼されたらしいが、科学史関係の翻訳に仕事の多いひとだ。
本書は、牧野の生涯を描いた伝記。少年向けではなく、大人が読んでも納得できるものとなっている。ただ、やはり牧野に肩入れした描写になっており、いまいち客観視できていない点に不満が残る。
また、前半生に重点が置かれ、後半生がさらっと流されてしまうのが残念。むしろ、そこを詳しく知りたくて手に取ったのだが。
このシリーズはなぜか専門家でないひとに執筆を頼むケースが多いのだが、本書の書き手である渋谷さんも、けっして牧野の研究者というわけではない。学部が植物学だったことで依頼されたらしいが、科学史関係の翻訳に仕事の多いひとだ。
本書は、牧野の生涯を描いた伝記。少年向けではなく、大人が読んでも納得できるものとなっている。ただ、やはり牧野に肩入れした描写になっており、いまいち客観視できていない点に不満が残る。
また、前半生に重点が置かれ、後半生がさらっと流されてしまうのが残念。むしろ、そこを詳しく知りたくて手に取ったのだが。