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古代蝦夷の英雄時代 (平凡社ライブラリー) 文庫 – 2005/10/11
工藤 雅樹
(著)
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購入オプションとあわせ買い
古代蝦夷は、日本民族の成立とアイヌ民族の成立の谷間の存在で、英雄たちが主導する高度に発達した部族制社会を築いていた──その社会構造の実像に迫る。解説=入間田宣夫
- 本の長さ296ページ
- 言語日本語
- 出版社平凡社
- 発売日2005/10/11
- ISBN-104582765548
- ISBN-13978-4582765540
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登録情報
- 出版社 : 平凡社 (2005/10/11)
- 発売日 : 2005/10/11
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 296ページ
- ISBN-10 : 4582765548
- ISBN-13 : 978-4582765540
- Amazon 売れ筋ランキング: - 526,342位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2017年12月14日に日本でレビュー済み
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蝦夷が日本の歴史に深く、大きく関わっていたことを知ることが出来た。
2009年8月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
蝦夷(エミシ)、という言葉の響きに何ともいえない情感を覚えてしまうのは、三上寛の歌を聴きすぎたからかもしれないが、終わってしまったものとまだ始まらないものの間で身を震わせて滅んでいく、という姿が思い浮かんでしまうのが、蝦夷という言葉のイメージだった。まつろわぬ者として差別者から命名され、自身の言葉も残らなければ理解されることもなく、ただ滅ぼされた幻のような民。この著書は、考古学の研究成果や人類学の理論、比較神話学や文献分析など、使える手段を駆使して蝦夷の生活や社会行動、心性をできる限り明らかにしようとした力作。
蝦夷の民族的起原や、蝦夷という名称が当てはまる領域が歴史的に変動していったこと、西日本に中心を持つ政権のコントロールに従わぬものとしての名づけが外交上の必要性とも一致したこと、発掘された遺跡からわかる暮らし向き、蝦夷が段階的に征服されていった経緯など、順序を追って彼らの存在の実態が少しずつ明らかになる。その過程で考古学の調査の技法も少しだけわかる余得もあるが、歴史的記述は少し物足りなかった気がした。
それでも、日本古代史で律令政治・摂関政治・天平文化・国風文化なんて事柄が進行していた時期に、全く違う生き方・暮らし方が同時にあり得ていたことは、実際に読みながら考えていくと新しい空間的捉え方が自分の中で生まれてくる効果があった。
また、辺境に位置して独自の暮らし向きを営むという点では琉球王国ととても似通っていて、その生活の営みが共に交易に基づいているというのが面白かった。勿論「辺境」という名付け自体が中央を前提とした捉え方だということは忘れてはいけないのだろうが、琉球王国・アイヌ・蝦夷、それぞれの暮らし向きは中央と比べればよっぽど三者はお互い似通っていて、しかし蝦夷の姿だけはこの著書を読んでもぼんやり霞んでいる。
あと、蝦夷が滅んだのはお互いに争うことを専らにしていて、共に団結して生きることを知らず、敵の朝廷側にお互い対立するように、共に争うように仕向けられたからだ、という指摘が何度か繰り返されていたのが気になった。その気風は今でも時々感じることがある。
とてもよく纏められた著作。ただ、もう少し知りたいというのが本音です。
蝦夷の民族的起原や、蝦夷という名称が当てはまる領域が歴史的に変動していったこと、西日本に中心を持つ政権のコントロールに従わぬものとしての名づけが外交上の必要性とも一致したこと、発掘された遺跡からわかる暮らし向き、蝦夷が段階的に征服されていった経緯など、順序を追って彼らの存在の実態が少しずつ明らかになる。その過程で考古学の調査の技法も少しだけわかる余得もあるが、歴史的記述は少し物足りなかった気がした。
それでも、日本古代史で律令政治・摂関政治・天平文化・国風文化なんて事柄が進行していた時期に、全く違う生き方・暮らし方が同時にあり得ていたことは、実際に読みながら考えていくと新しい空間的捉え方が自分の中で生まれてくる効果があった。
また、辺境に位置して独自の暮らし向きを営むという点では琉球王国ととても似通っていて、その生活の営みが共に交易に基づいているというのが面白かった。勿論「辺境」という名付け自体が中央を前提とした捉え方だということは忘れてはいけないのだろうが、琉球王国・アイヌ・蝦夷、それぞれの暮らし向きは中央と比べればよっぽど三者はお互い似通っていて、しかし蝦夷の姿だけはこの著書を読んでもぼんやり霞んでいる。
あと、蝦夷が滅んだのはお互いに争うことを専らにしていて、共に団結して生きることを知らず、敵の朝廷側にお互い対立するように、共に争うように仕向けられたからだ、という指摘が何度か繰り返されていたのが気になった。その気風は今でも時々感じることがある。
とてもよく纏められた著作。ただ、もう少し知りたいというのが本音です。
2013年8月2日に日本でレビュー済み
古代を中心に、今の東北、北海道の蝦夷のついて、幅広いテーマを、簡潔にまとめている。
冒頭で、江戸時代の新井白石、本居宣長から、金田一京助らの歴代の主要な学者たちの見解を紹介している。
この説明が、その後のテーマの論点整理になっており、非常に参考になる。
とくに面白かったのは、阿部氏と清原氏の対立から、藤原氏の滅亡に至る過程が、
東北の現地の状況と、京都における政治状況などを踏まえながら、わかりやすく解説されていたところ。
また、大和朝廷に逆らい、殺されたアテルイの悲しい物語にも、心を動かされた。
冒頭で、江戸時代の新井白石、本居宣長から、金田一京助らの歴代の主要な学者たちの見解を紹介している。
この説明が、その後のテーマの論点整理になっており、非常に参考になる。
とくに面白かったのは、阿部氏と清原氏の対立から、藤原氏の滅亡に至る過程が、
東北の現地の状況と、京都における政治状況などを踏まえながら、わかりやすく解説されていたところ。
また、大和朝廷に逆らい、殺されたアテルイの悲しい物語にも、心を動かされた。
2006年12月26日に日本でレビュー済み
蝦夷に英雄時代はあったか、をテーマにする一冊。
とはいえいきなり蝦夷の指導者たちに迫るのではなく、
冒頭からじっくりとページ数を割いて、外堀を埋めるかのように
「蝦夷とは何か?」に迫ってゆく。
著者自らの主張を展開するというより、最新の研究の成果を総合的にうまくまとめてくれている。
章立て・構成が絶妙で、よく整理されており、非常に理解しやすい。
その上で、なぜ古代蝦夷と呼ばれた人々が独立国家を持つに至らなかったのか、
またその可能性はなかったのか?という考察へ入って行くので、
その論説にも説得力を感じさせられる。
東北地方から北海道にかけて、色濃く足跡の残るもう一つの日本の歴史。
はるかな歴史の浪漫に、思いを馳せる一助になってくれる一冊。
とはいえいきなり蝦夷の指導者たちに迫るのではなく、
冒頭からじっくりとページ数を割いて、外堀を埋めるかのように
「蝦夷とは何か?」に迫ってゆく。
著者自らの主張を展開するというより、最新の研究の成果を総合的にうまくまとめてくれている。
章立て・構成が絶妙で、よく整理されており、非常に理解しやすい。
その上で、なぜ古代蝦夷と呼ばれた人々が独立国家を持つに至らなかったのか、
またその可能性はなかったのか?という考察へ入って行くので、
その論説にも説得力を感じさせられる。
東北地方から北海道にかけて、色濃く足跡の残るもう一つの日本の歴史。
はるかな歴史の浪漫に、思いを馳せる一助になってくれる一冊。