ゾロアスター教について学ぼうとすると、一次文献はアヴェスター語はもちろんのこと、各種の古代・中世のイラン語派、さらにはアルメニア語、ギリシア語などで書かれており、さらに、二次文献ともなると、英語はもちろんドイツ語、フランス語、イタリア語等で書かれており、それら各種の知識がなければ最新の研究はさらえない、というのが実情である。この言語のハードルの高さがあるからこそ、日本語で読める書物がある、というだけでありがたい。
最新の研究については青木健氏の近年の刊行物を参照するに限るが、ギリシア古典文献のどのようなところにゾロアスター教や古代ペルシアが触れられていたかについては、日本語で書かれている文献ではこの『ゾロアスター教論考』の第一部が端的にまとまっている。ギリシア語を学んだことのある学生は、ヘロドトスの『歴史』などを思い出してもらえばいいが、この部分を読むと、「こんな人もこんなことを書いていたか」と、ギリシアからペルシアへの視線をさらに意識できるのではないかと思う。第二部も、未だに種々の説が立っているゾロアスターが生きた場所、時代を扱い、また、ポイントとなるハカーマニシュ朝とサーサーン朝の宗教のあり方を紹介しており、各論に入る前の総論の、さらにその前のイントロダクションのような形で学生が読むにはちょうどいいのではないかと感じる。この本からさらに一歩進むには、まずは上述の青木氏のものを、それからどのような観点から学ぶかによって、各欧米文献に当たりつつ、ぜひアヴェスター語と古代ペルシア語と各種中世ペルシア語を体系的に学んでほしいと思う。
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ゾロアスター教論考 (東洋文庫 609) 単行本 – 1996/12/1
- 本の長さ319ページ
- 言語日本語
- 出版社平凡社
- 発売日1996/12/1
- ISBN-104582806090
- ISBN-13978-4582806090
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登録情報
- 出版社 : 平凡社 (1996/12/1)
- 発売日 : 1996/12/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 319ページ
- ISBN-10 : 4582806090
- ISBN-13 : 978-4582806090
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