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知事抹殺 つくられた福島県汚職事件 単行本 – 2009/9/10

4.1 5つ星のうち4.1 65個の評価

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商品の説明

著者について

1939年福島県郡山市生まれ。福島県立安積高校、東京大学法学部卒業後、日本青年会議所での活動を経て、1983年に参議院議員選挙で初当選、87年、大蔵政務次官。88年、福島県知事選挙に出馬し、当選を果たす。東京一極集中に異議を唱え、原発問題、道州制などに関して政府の方針と真っ向から対立、「闘う知事」として名を馳せ、県内で圧倒的支持を得た。第五期一八年目の2006年9月、県発注のダム工事をめぐる汚職事件で追及を受け、知事辞職、その後逮捕される。第一審で有罪判決を受けるが、控訴。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 平凡社 (2009/9/10)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2009/9/10
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 340ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4582824544
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4582824544
  • カスタマーレビュー:
    4.1 5つ星のうち4.1 65個の評価

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佐藤 栄佐久
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控訴審有罪でますます強まる「無実」の可能性
5 星
控訴審有罪でますます強まる「無実」の可能性
09年10月14日、控訴審の東京高裁は著者に懲役2年、執行猶予4年の有罪判決を言い渡した。一審の東京地裁は懲役3年、執行猶予5年だったから、さらに罪が軽くなったことになる。東京地検特捜部は、著者の実弟が経営する会社の土地をゼネコンが買った価格と、市価との差額1億7千万が賄賂だとしていた。ところが東京高裁は、賄賂の金額が「ゼロ」だと、贈収賄裁判史上大変珍しい判断をした。賄賂がゼロ。そういう贈収賄ってあるのだろうか。つまり、実質的には無罪なのである。東京高裁は、東京地検特捜部の顔を立てたにすぎない。それにしてはトリッキーな手である。この判決で浮かび上がったのは、原発問題や道州制反対などに対して、国家の大きな力が働いたのではなく、知事を抹殺したのは東京地検特捜部であるということだ。当時の大鶴基成特捜部長時代、ゼネコンと国会議員の結びつきを狙って手当たり次第に事件を広げた。その捜査がうまくいかず、引っ込みがつかなくななり、とにかく政治家を逮捕したいと無理をした。政治家の摘発は特捜の手柄だからだ。大鶴部長は当時、「福島県汚職を絶対に上げろ。そうでないと俺の出世にかかわる」と部下に語ったと最近の週刊誌で報じられている。そのことを考えれば、著者が「誰が私を殺したか」はっきり指摘できない理由がよくわかるのである。著者は闇夜で撃たれたからだ。拘置所での特捜部の調べに、著者は一旦「収賄した」と罪を認めている。なぜ、虚偽の自白をしたのか。やっていないならやっていないと頑張ればいいではないか。本書のリアリティに疑問を持つ人もいるかも知れない。実は、私は新宿駅で痴漢に間違えられ、駅員に電車から引きずり下ろされた経験がある。幸い、疑いは一瞬にして晴れたが、電車から外に引っ張り出されているまさにその瞬間に、なぜか「自分はやってない」という自信がぐらついたのを感じた。「やってなくても人は自白することがある」。私はそのことを、身をもって知った。その経験から本書の、著者が自白に追い込まれていく経過を読むと、うなずけるところが多いのである。本書は、そういう状況にたたき込まれた人間がどう考え、どう行動するかをよく表している貴重な記録だ。ところで、著者が福島県知事として原発問題や地方自治に関わった経験の章も非常に興味深い。原発のトラブル隠しに対する福島県の抵抗で、一時東電の全原発が止まったのは記憶に新しいが、著者が県知事として対峙した東電や経産省の事故隠しやプルサーマル計画の政策変更のいい加減さ、官僚の絶対無責任体制には改めて驚かされる。また、著者ら改革派知事が、全国知事会において小泉内閣の「三位一体改革」に協力し、自分たちの歳入不足の痛みを承知で地方への財源移譲のために奮闘するくだりでは、改革派知事たちが官僚に次々に切り崩される様子が描かれている。片山義博元鳥取県知事や、浅野史郎元宮城県知事が寝返り、自分たちの出身母体である中央省庁に尻尾を振って地方分権に背を向けていたさまが明らかにされており、現在の彼らの態度と全く違う事実は衝撃ですらある。民主党政権になって動き出そうとしている財源委譲は、すでに著者たち改革派知事が2003年に取り組んでおり、官僚たちの抵抗で骨抜きになった。橋下、東国原など今の知事たちは、かつての全国知事会が無能であり、あたかも自分たちの力で地方分権論議をやっているようにパフォーマンスしているが、本書を読むとその「底の浅さ」や欺瞞がひしひしと伝わってくる。なぜ今までそのことが伝えられなかったのかが不思議だ。そういうわけで本書は、ひとりの地方政治家が東京地検特捜部に陥れられた手記という枠を超え、自民党政権末期の原発・地方自治政策を総括し、これからの「国のあり方」を指し示す本としても読める。全国で読まれるべき本である。追記(2010.9.23)その後、小沢一郎氏の陸山会事件、村木厚子氏の郵便不正事件無罪判決と主任検事による証拠フロッピー改竄事件など特捜検察をめぐる動きがさまざまあったので、関連部分を補足する。陸山会事件で「5000万円を2回、1億円渡した」と証言しているという水谷建設元会長の水谷功氏は福島県汚職事件では前田建設の代わりに知事の弟の会社の土地を買う役回りで、この売買代金と実勢価格の差1億7000万が「賄賂」というのが東京地検特捜部の見立てだ。しかし水谷氏は土地を買って収益が上がり、喜んでいた(254ページ、258ページ)。つまり水谷建設は「土地を買ったら、それで儲った」のであり、こういうのは「通常の商行為」あるいは「投資」というのではないか。福島県汚職事件で検察は、「天の声を聞いた」と証言し、収賄罪成立の唯一のカギとなった元土木部長が、自宅に2600万円を隠し持っていたことをつかみながら伏せていた。部下から上司へと責任を広げていく事件の「見立て」の構造は郵便不正事件と酷似している。土木部長が自宅に多額の現金を隠し持っていたというこの事実は、郵便不正事件同様、一審の裁判開始前の「公判前整理手続」によって弁護側が初めてつかんだ(275ページ)。知事の弟が土地売買は賄賂だと自白した日よりも2週間以上前の日付の、弟の自白調書が4通発見され、捏造ではないかと弁護側から追及されている。特捜部に取り調べで呼ばれた知事関係者は、まだ弟が自白していないうちに「弟は自白している」と検事に追及されており、前倒しされた4通の自白調書の日付によって、関係者に自白が強要されたのではないかという疑いが残る。(306ページ)水谷功氏は、一審判決後に「裁判での証言は、自分の法人税法違反の事件があったために検察に言われるままを話した。今なら二審の法廷に出て、本当のことを話していい」、「知事は濡れ衣だ」と弁護団に語ったが、裁判では証拠採用されなかった。(あとがき)そして「佐藤栄佐久ブログ」によると、上記の水谷の取調べに当たったのは、郵便不正事件の証拠隠滅で逮捕された前田恒彦検事である。この事件における前田検事の仕事にも疑問符がつくわけだが、しかし、前田検事は特捜部の一員として仕事をしたにすぎないというのが正確な認識だろう。問われているのは、特捜という組織全体のふるまいなのである。この事件も最初から再検証される必要がある。追記(2011.3.20)まさかこんなことで著者の正しさが証明されてしまうとは。東日本大震災と福島第一原発の事故。現在も事態は流動的なのでコメントは最小限としたいが、第3章「原発をめぐる闘い」第4章「原発全機停止」で描かれている事故隠し、データ改ざんという東京電力の不誠実、内部告発を受けて本来なら査察すべきなのに、東京電力に「こんな内部告発があったけど」と照会してしまう原子力安全・保安院の姿、そして政治家でさえコントロールの利かない、官僚絶対無責任主義の元での原子力政策など、今回の事故に至る道はすでに敷き詰められていた。本書ではそれがよくわかる。著者は県知事として県民の安全のため、ほとんどない権限から知恵を絞って「安全のための闘い」をしていたのだ。いまは責任追及の段階ではない。しかし、いつのことかわからないが、原子力政策の総括はしなければいけない。その際、本書が出発点となるだろう。国民必読の書となったと言わざるを得ない。
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2012年3月15日に日本でレビュー済み
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2023年8月21日に日本でレビュー済み
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2009年10月15日に日本でレビュー済み
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5つ星のうち5.0 控訴審有罪でますます強まる「無実」の可能性
2009年10月15日に日本でレビュー済み
09年10月14日、控訴審の東京高裁は著者に懲役2年、執行猶予4年の有罪判決を言い
渡した。一審の東京地裁は懲役3年、執行猶予5年だったから、さらに罪が軽くなった
ことになる。東京地検特捜部は、著者の実弟が経営する会社の土地をゼネコンが買っ
た価格と、市価との差額1億7千万が賄賂だとしていた。

ところが東京高裁は、賄賂の金額が「ゼロ」だと、贈収賄裁判史上大変珍しい判断を
した。賄賂がゼロ。そういう贈収賄ってあるのだろうか。
つまり、実質的には無罪なのである。東京高裁は、東京地検特捜部の顔を立てたにす
ぎない。それにしてはトリッキーな手である。

この判決で浮かび上がったのは、原発問題や道州制反対などに対して、国家の大きな
力が働いたのではなく、知事を抹殺したのは東京地検特捜部であるということだ。当
時の大鶴基成特捜部長時代、ゼネコンと国会議員の結びつきを狙って手当たり次第に
事件を広げた。その捜査がうまくいかず、引っ込みがつかなくななり、とにかく政治
家を逮捕したいと無理をした。政治家の摘発は特捜の手柄だからだ。
大鶴部長は当時、「福島県汚職を絶対に上げろ。そうでないと俺の出世にかかわる」
と部下に語ったと最近の週刊誌で報じられている。そのことを考えれば、著者が
「誰が私を殺したか」はっきり指摘できない理由がよくわかるのである。
著者は闇夜で撃たれたからだ。

拘置所での特捜部の調べに、著者は一旦「収賄した」と罪を認めている。なぜ、虚偽
の自白をしたのか。やっていないならやっていないと頑張ればいいではないか。本書
のリアリティに疑問を持つ人もいるかも知れない。
実は、私は新宿駅で痴漢に間違えられ、駅員に電車から引きずり下ろされた経験があ
る。幸い、疑いは一瞬にして晴れたが、電車から外に引っ張り出されているまさにそ
の瞬間に、なぜか「自分はやってない」という自信がぐらついたのを感じた。
「やってなくても人は自白することがある」。私はそのことを、身をもって知った。
その経験から本書の、著者が自白に追い込まれていく経過を読むと、うなずけるとこ
ろが多いのである。本書は、そういう状況にたたき込まれた人間がどう考え、どう行
動するかをよく表している貴重な記録だ。

ところで、著者が福島県知事として原発問題や地方自治に関わった経験の章も非常に
興味深い。
原発のトラブル隠しに対する福島県の抵抗で、一時東電の全原発が止まったのは記憶
に新しいが、著者が県知事として対峙した東電や経産省の事故隠しやプルサーマル計
画の政策変更のいい加減さ、官僚の絶対無責任体制には改めて驚かされる。また、
著者ら改革派知事が、全国知事会において小泉内閣の「三位一体改革」に協力し、自
分たちの歳入不足の痛みを承知で地方への財源移譲のために奮闘するくだりでは、改革
派知事たちが官僚に次々に切り崩される様子が描かれている。片山義博元鳥取県知事や、
浅野史郎元宮城県知事が寝返り、自分たちの出身母体である中央省庁に尻尾を振って
地方分権に背を向けていたさまが明らかにされており、現在の彼らの態度と全く違う
事実は衝撃ですらある。

民主党政権になって動き出そうとしている財源委譲は、すでに著者たち改革派知事が
2003年に取り組んでおり、官僚たちの抵抗で骨抜きになった。橋下、東国原など今の
知事たちは、かつての全国知事会が無能であり、あたかも自分たちの力で地方分権論議
をやっているようにパフォーマンスしているが、本書を読むとその「底の浅さ」や欺瞞
がひしひしと伝わってくる。なぜ今までそのことが伝えられなかったのかが不思議だ。

そういうわけで本書は、ひとりの地方政治家が東京地検特捜部に陥れられた手記とい
う枠を超え、自民党政権末期の原発・地方自治政策を総括し、これからの「国のあり
方」を指し示す本としても読める。全国で読まれるべき本である。

追記(2010.9.23)
その後、小沢一郎氏の陸山会事件、村木厚子氏の郵便不正事件無罪判決と主任検事に
よる証拠フロッピー改竄事件など特捜検察をめぐる動きがさまざまあったので、関連
部分を補足する。

陸山会事件で「5000万円を2回、1億円渡した」と証言しているという水谷建設元
会長の水谷功氏は福島県汚職事件では前田建設の代わりに知事の弟の会社の土地を買う
役回りで、この売買代金と実勢価格の差1億7000万が「賄賂」というのが東京地検特捜
部の見立てだ。しかし水谷氏は土地を買って収益が上がり、喜んでいた(254ページ、
258ページ)。つまり水谷建設は「土地を買ったら、それで儲った」のであり、こうい
うのは「通常の商行為」あるいは「投資」というのではないか。

福島県汚職事件で検察は、「天の声を聞いた」と証言し、収賄罪成立の唯一のカギと
なった元土木部長が、自宅に2600万円を隠し持っていたことをつかみながら伏せていた。
部下から上司へと責任を広げていく事件の「見立て」の構造は郵便不正事件と酷似してい
る。土木部長が自宅に多額の現金を隠し持っていたというこの事実は、郵便不正事件同様、
一審の裁判開始前の「公判前整理手続」によって弁護側が初めてつかんだ(275ページ)。

知事の弟が土地売買は賄賂だと自白した日よりも2週間以上前の日付の、弟の自白調書が
4通発見され、捏造ではないかと弁護側から追及されている。特捜部に取り調べで呼ばれ
た知事関係者は、まだ弟が自白していないうちに「弟は自白している」と検事に追及され
ており、前倒しされた4通の自白調書の日付によって、関係者に自白が強要されたのではな
いかという疑いが残る。(306ページ)

水谷功氏は、一審判決後に「裁判での証言は、自分の法人税法違反の事件があったために
検察に言われるままを話した。今なら二審の法廷に出て、本当のことを話していい」、
「知事は濡れ衣だ」と弁護団に語ったが、裁判では証拠採用されなかった。(あとがき)

そして「佐藤栄佐久ブログ」によると、上記の水谷の取調べに当たったのは、郵便不正事
件の証拠隠滅で逮捕された前田恒彦検事である。

この事件における前田検事の仕事にも疑問符がつくわけだが、しかし、前田検事は特捜部
の一員として仕事をしたにすぎないというのが正確な認識だろう。問われているのは、特
捜という組織全体のふるまいなのである。この事件も最初から再検証される必要がある。

追記(2011.3.20)
まさかこんなことで著者の正しさが証明されてしまうとは。
東日本大震災と福島第一原発の事故。現在も事態は流動的なのでコメントは最小限とした
いが、第3章「原発をめぐる闘い」第4章「原発全機停止」で描かれている事故隠し、
データ改ざんという東京電力の不誠実、内部告発を受けて本来なら査察すべきなのに、
東京電力に「こんな内部告発があったけど」と照会してしまう原子力安全・保安院の姿、
そして政治家でさえコントロールの利かない、官僚絶対無責任主義の元での原子力政策
など、今回の事故に至る道はすでに敷き詰められていた。本書ではそれがよくわかる。
著者は県知事として県民の安全のため、ほとんどない権限から知恵を絞って「安全のため
の闘い」をしていたのだ。いまは責任追及の段階ではない。しかし、いつのことかわから
ないが、原子力政策の総括はしなければいけない。その際、本書が出発点となるだろう。
国民必読の書となったと言わざるを得ない。
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2023年5月29日に日本でレビュー済み
2012年4月15日に日本でレビュー済み
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