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知の操縦法 単行本 – 2016/11/25
購入オプションとあわせ買い
ヘイト本、安保法制、歴史問題……
反知性主義が横行するいま、求められている知とは何か――。
情報が氾濫するインターネット社会で
ブレない思考の枠組みをつくり、
多元的に世界を見るたの知の使い方を佐藤優氏が徹底指南!!
【目次】
第1章 いま求められている知とは何か
日本にはびこる反知性主義/「ビリギャル」に見る新自由主義
高等教育で身に付けるべき知/断片的な知を結びつける体系知
知のスタンダード百科事典と進化し続けるWikipedia/知は時代に応じて変化する
まず型にはまった知を身に付ける/佐藤優をつくりあげた百科事典
知識の欠損をどう埋めていくか/いまこそ体系知を見直す
第2章 知の枠組みを身に付ける
先行する思想の鋳型を知る/人工知能と倫理/技術の進歩は時代の枠組みを超える
時代の視点を残す/動物と人間は同等なのか/複合アイデンティティをつかむ
第3章 知の系譜を知る
ギリシャ古典哲学とキリスト教/無意識を共有するマジック││錬金術とSTAP事件
目には見えないものをどうとらえるか/「ある」を説明する難しさ
村上春樹の小説に描かれた「猿」/読む力と伝える力/哲学史の型をおさえる
哲学書をどう読み進めるか/型をおさえないとでたらめに/必ずしも原著を読む必要はない
第4章 哲学の知を生かす
哲学者ヘーゲル/実用教育と学問研究は両立しない/体系知とは大きな物語である
事実と伝承の線引き/玉虫色の安保改正法/国内法VS国際法
複雑化した問題をどう読み解くか/哲学者の社会への視点をつかむ
第5章 知の技法を培う
現実の出来事を見るために古典を読む/対話による思考法/自己絶対化しないための思考法
理性による分析では表せないもの/現実世界は常に「運動」している/独断論と不可知論
全体主義と普遍主義/真の知とは何か/多元的なヘーゲルの読み方/アナロジーの技法
集中と選択を経た理解/学に至る道そのものが学である
第6章 知を実践する
社会生活の悩みにヘーゲルを生かす/具体例を出す訓練/哲学用語とドイツ語
弁証法に終わりはない/形而上学のとらえ方/「矛盾」「対立」「差異」の違い/要約と敷衍の訓練
危機の時代における弁証法/人権と神権の対立/歴史に終わりはあるのか?
キリスト教圏と日本の歴史観/歴史認識とは何か
- 本の長さ208ページ
- 言語日本語
- 出版社平凡社
- 発売日2016/11/25
- ISBN-104582824846
- ISBN-13978-4582824841
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登録情報
- 出版社 : 平凡社; 四六版 (2016/11/25)
- 発売日 : 2016/11/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 208ページ
- ISBN-10 : 4582824846
- ISBN-13 : 978-4582824841
- Amazon 売れ筋ランキング: - 744,685位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
元外交官で文筆家。ロシア情報収集・解析のエキスパート。魚住昭/ジャーナリスト。ノンフィクションに著作多数。青木理/ジャーナリスト。元共同通信記者。『日本の公安警察』『絞首刑』など著作多数。植草一秀/経済学者。日本経済、金融論が専門。(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 誰が日本を支配するのか!?政治とメディアの巻 (ISBN-13:978-4838721566)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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しかし本書の最後に付けられた「あとがき」まで読んで、このイメージはいっぺんに消え去った。長いあとがきは、ほとんど青木孝平の著書『他者の倫理学』の引用とこれに対する称賛で埋められている。この青木の本に対する全面的評価を読んで、本書で佐藤が書こうとした意図が、本文よりもずっとよく理解できた。つまり、佐藤がいちばん言いたかったことは、「世界を円環的に描く体系知だけが逆説的に「外部」や「他者」の存在を示すことができる」という点なのだ。佐藤は、青木によるレヴィナスや親鸞や宇野弘蔵に対する理解は、こうした体系知の円環化による「他者」の存在証明そのものだというのである。
この「あとがき」があることで、本書のビジネス本的イメージは完全に取り除くことができたと思う。
スマートフォン愛好者の危険性について、こう警告しています。「パソコンしか持っていない、もしくはパソコンとスマートフォンを併用しているが、主にパソコンを利用している人は『読む力』を維持することができている。これに対してスマートフォンしか持っていないか、パソコンを持っていても使わずにほとんどスマートフォンから情報を得ている人の『読む力』が落ちているとの感触を私は得ている。それはスマートフォンを多用する人が、LINEをはじめとするSNS(ソーシャル。ネットワーキング・サービス)、SMS(ショート・メッセージ・サービス)をもっぱら利用することと関係している。SNS、SMSでは、限られた語彙しか用いられず、単文、体言止めが多い。しかも絵文字やスタンプで感情を表現する。ここで用いられているのは話し言葉だ。学校や職場では複雑な日本語を用いていても、日常的には簡単な放し言葉しか用いていないと、急速に『読む力』が退化する。『読む力』は表現力の基本だ。ネット環境が充実した結果、知的退行が起きている」。「LINEで瞬時に返信することばかりしていると、1000語くらいの単語数でしかコミュニケーションをしなくなるので、長いものや難しいものを読めなくなってしまうし、他人に伝わる文章を書くこともできなくなります」。読む力が衰えると、書く力、伝える力も衰弱していくというのです。裏を返せば、読む力を強化すれば、書く力、伝える力も強化されてくるということです。
最近、よく耳にする「反知性主義」を、著者はこのように定義しています。「客観性、実証性を軽視もしくは無視して自分が欲するように理解する態度」。
小保方晴子事件は現代の錬金術師だと喝破しています。「心理学者カール・ユングの『心理学と錬金術』を読めば、小保方晴子さんの事件がなぜ起きたかのかもよくわかります。何かを生み出すときには、まず『ひらめき』が必要になります。この『ひらめき』、無意識の層を共有すると、錬金術師の間で非常に強い共同主観性ができます。第一級の理研の知識人がSTAP細胞があると信じていたのも、錬金術と同じ構成だからです。まず実験が成功して、『ある』ことをみんなで共有すればいいのです。優れた錬金術師は周囲にいる人の心に影響を与え、磁場を変えてしまうことができます」。
イエスの復活にも言及しています。「古代では、目の前にあるものはただ『ある』という素朴実在論で対応すればよかったので、夢で見たものも、実在することだと考えていました。『源氏物語』に出てくる六条御息所の生霊や聖書に書かれているイエス・キリストの復活も、夢を見たということです。でも、これは観念論の立場では説明できないので、現代の我々は共同主観性や集合的無意識という言葉でどうにか説明しようと苦労するのです」。
血液型占いも槍玉に挙げられています。「似非科学は現在でも生きており、日本で定期的にブームになる血液型占いは、その最たるものです。ヨーロッパやアメリカでは血液型を知らない人のほうが多いぐらいで、血液型と性格を結びつけるのは、ナチスの似非科学と近い考え方なので、受け入れられません。ヘーゲルの考察は、こういった似非科学や人種主義への強力なアンチテーゼになっています」。
「何かを学ぶときには、まず、型にはまった知を身に付けることです。最初から型破りなことをするのは、ただのでたらめでしかありません。基礎がないところには応用もないし、基礎をおさえていないと、間違った方向に進んでいってしまいます」。先ず型にはまった知を身に付けよというのです。
「多元的で複線的な思考を身に付けるためには、知の地盤、モノの考え方を作っていかなければならず、そのためにはタテの歴史をおさえていなければいけません」。知の系譜を知ることの重要性を強調しています。
「読者のみなさんは哲学を専攻する学生や研究者ではなく、実社会で生きている人たちがほとんどだと思いますので、高校の倫理の教科書を読み返すといいでしょう。『もういちど読む山川倫理』はよくできているし入手しやすいのでお薦めです」。私自身も、この教科書によって世界の思想史を俯瞰することができました。
著者が最も重視する哲学者、ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲルについては、こう説明しています。「ひとつのことが立場によって違って見えるというのは、まさにヘーゲルの世界です。ある当事者にはこう見えて、また別の当事者からはこう見えて・・・と、つねに複線的な思考を行うことが、ヘーゲルの物の見方なのです。・・・ヘーゲルは、人間と社会が自由になるためにはどうすればよいかを模索して、キリスト教に限界を感じ、哲学の道に進んだ人です」。「なぜヘーゲルのように難しくて、資格や語学みたく人生に直接的に役立たない面倒くさい本を読み解いていかねばならないのかと思う人もいるかもしれません。しかし、ヘーゲルのような古典こそ、現実の出来事を具体的に見ていくうえで役に立つのです。実用的なノウハウは使える用途が限られているので、そのような断片的な知識をいくら身に付けても、長期的には役立ちません。根源的な知を身に付け思考の土台を作り、実際に役に立つところまで落とし込んでいくことが求められています」。
弁証法は、このように解説されています。「弁証法とは、基本的には対話をベースとして真理を得ていく方法です。矛盾や対立、否定といったものを、対話で乗り越えていくのです。もともとは、相手の主張を論駁するためのものだったのを、ソクラテス、プラトンが対話をとおして真理を探究していく生産的なやり方として使い始めました」。対話をしながら思考を発展させていくのが弁証法だというのです。
「要約と敷衍が上手なのが、池上彰さんです。学術的な用語や難しい世界情勢を、一般人に理解できる説明をするので、池上さんのテレビの視聴率は高いし、本も売れるのです」。弁証法的な訓練をしていく上で重要な「要約」と「敷衍」の技術の習得を勧めています。
佐藤優がいいものはいい、悪いものは悪いとはっきりと仕訳している本書は、読み進めていくうちに、知を身に付ける方法が学べるユニークな一冊です。
まえがきによると、「ベストセラーになった本を手に取ってみても内容がよくわからない」という読者からの質問を受けることが増えて、SNSやツイッターなどの細切れの情報発信・受信の影響か読者の「読む力」が相当低下しているのではないか、との危機感から始まった講義であり執筆とのこと。
各章の見出しを見てもらえばわかるが、正統的な、まっとうな知の身につけ方の講義である。一念発起して体系的な知を身につけようというこれからの若者にはよいかもしれない。しかし、50も半ばを過ぎたおやじには、もう時間がない。後半の方でヘーゲルの弁証法を実践に活かす意義が書かれており、ヘーゲルの著書の引用が多いが、この引用を見るだに、私などは「もうだめ」と思ってしまう。佐藤さんは、もちろん、ヘーゲルを読むためにまず哲学史をおさえ、ヘーゲル辞典も座右に置いて・・・と正統的な身につけ方を説いているが、それにしてもあえてこの超難解な本を読むためにひとつずつのステップを踏む時間が私には惜しい。
私にしてみれば、私自身が正統的な知を実践的に身につけるよりも、既にそれを実行された佐藤さんの知見を解説してもらう方がありがたい。