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センセイの鞄 単行本 – 2001/6/1
- 本の長さ277ページ
- 言語日本語
- 出版社平凡社
- 発売日2001/6/1
- ISBN-104582829619
- ISBN-13978-4582829617
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商品の説明
商品説明
本書では、日常を静かに淡々と過ごしていた2人がゆっくりと近づき、季節の移り変わりとともに、互いの関係を育んでいく大人の恋愛を描いている。恋愛といっても、勢いにまかせた情熱のそれとは違う。穏やかな情愛というほうが、しっくりくるような愛だ。あのどろりとした「川上ワールド」を期待する読者はちょっともの足りなさを覚えるかもしれない。
およそ恋愛とは結びつかないはずの2人―― 38歳のツキコさんと70代のセンセイは、近所の駅前の一杯飲み屋で居合わせて以来の仲だ。お互い1人で酒を飲み、さかなの好みがよく似ている。
「『女のくせに手酌ですかキミは』センセイが叱る。『古いですねセンセイは』と口答えすると、『古くて結構毛だらけ』とつぶやきながらセンセイも自分の茶碗いっぱいに酒を注いだ」
憎まれ口をたたき合いながら、2人は共に過ごすようになる。
センセイはツキコさんの高校時代の国語の先生だ。背筋をしゃきんと伸ばし、ジャケットを着、いつも同じ黒いかばんを頑固に持っている。一方のツキコさんは独身でもてないわけではないのだが、同世代の男性に誘われてもぴんとこない。かつては恋人とさえ「ぬきさしならぬようになってしまう」のを恐れていた。そんなツキコさんが、しだいにセンセイを強く求めるようになっていく。
30歳の年齢差を超えるというよりむしろ、センセイの老いをしっかりと見つめていくツキコさん。ツキコさんのまっすぐな思いをまぶしい気持ちで受け止めるセンセイ。進展しているのかなんなのか、じれったい、ゆったりとした2人のやりとりが、ほほえましく、安らかだ。
川上の紡ぐ言葉と情景がやわらかで、温かく、人を愛することのせつなさがじんわりと伝わってくる作品だ。(七戸綾子)
内容(「MARC」データベースより)
登録情報
- 出版社 : 平凡社 (2001/6/1)
- 発売日 : 2001/6/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 277ページ
- ISBN-10 : 4582829619
- ISBN-13 : 978-4582829617
- Amazon 売れ筋ランキング: - 219,372位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 5,489位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
1958年生まれ。1996年「蛇を踏む」で芥川賞。1999年『神様』で紫式部文学賞。2000年『溺レる』で伊藤整文学賞と女流文学賞。2001年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞。2007年『真鶴』で芸術選奨を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 パスタマシーンの幽霊 (ISBN-13: 978-4838721009 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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始終ゆるやかな柔らかいゆったりとした時間が流れていて、センセイのやさしさと茶目っ気と、ツキコさんの少女のような恋心
とても綺麗だった
先生が最終的にそうなるんだろうとは思ったけど、やっぱり寂しいなと思う部分もありました。