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きれいごとすぎる傾向は否めないものの、都庁にはこういう優秀な役人がいるんだな、と納得させられる。
行政の勉強にもなる。が、東京は決して日本のスタンダードではない。これを行政の手本として読んでいいものかどうか。
マスコミ経由で伝えられる石原知事とは違う(真実の)顔を教えられた。
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石原都政副知事ノート (平凡社新書 209) 新書 – 2004/1/21
青山 やすし
(著)
- 本の長さ219ページ
- 言語日本語
- 出版社平凡社
- 発売日2004/1/21
- ISBN-104582852092
- ISBN-13978-4582852097
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商品の説明
商品説明
1999年に就任した石原慎太郎都知事への世評は、変革に向けた強力なリーダーシップに対する期待と、弱者切り捨て、外国人蔑視発言などへの反発との両極端に分かれやすい。しかしそれはいずれも表面的なイメージにのっとったもので、必ずしも政治家としての実績に基づく冷静な評価ではなかった。本書は、行政マンとしての手腕を評価され第1次石原都政で副知事に抜擢された著者による、内側から見た客観的な事実経過レポート、および中間総括である。
財政再建、都市再生、横田基地の軍民共用化、福祉改革など、石原都知事の就任後に着手されたように見える課題は数多い。しかしそれらの多くは、都庁内では長年の懸案として意識されてきたものだという。すなわち、石原都知事と実務担当者との歯車ががっちりかみ合ったところでは、改革が大きく進んだと著者は評価する。その一方で、現場の意見を軽視しがちな側面があり、「破壊から創造へ」の舵取りが必ずしもうまくとれていない部分については、厳しく警鐘を鳴らしている。
本書全体を通じ、意思決定の現場における石原都知事の具体的な発言、行動が詳細に記されている。それだけに、あたかも小説を読むような臨場感で、地方行政の最前線の息遣いが伝わってくる。また、多数決という民主主義の手続きにのっとり、その決定に反対する少数派との折衝にあたる行政担当者の苦渋など、著者自身のエピソードも興味深い。生きた政治行政学の教科書として、都民以外にもおすすめできる内容となっている。(松田尚之)
登録情報
- 出版社 : 平凡社 (2004/1/21)
- 発売日 : 2004/1/21
- 言語 : 日本語
- 新書 : 219ページ
- ISBN-10 : 4582852092
- ISBN-13 : 978-4582852097
- Amazon 売れ筋ランキング: - 640,473位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2005年1月26日に日本でレビュー済み
日本の自治体は大統領制をとっており、首長には巨大な権限が集中している。
ところがその一方で、新任の首長が自らの政策を実現させるために腹心のスタッフを自治体幹部に登用する「政治的任命」の制度は、日本にはまったくない。このため、すべての新人知事(市町村長)は(当該役所のOBである場合を除いて)、多かれ少なかれ「見知らぬ組織に単身落下傘降下」という状況を強いられる。これは、首長にとっても大変だが、迎える役所の側にとっても大変なストレスで、幹部職員は大きな緊張と期待をともに抱えて新しい知事の言動を固唾を呑んで見守ることになる。
本書はまさに石原都知事当選の日の夜、筆者ら都庁幹部が石原慎太郎氏を選挙事務所に訪ねるところから始まる。マスコミに囲繞されて事務所に入れない彼らは、駐車場から窓を乗り越えて事務所に入る。まるで映画のような、「政権移行」の臨場感溢れるシーンである。このような、都庁の幹部でないと知り得ないエピソードが多く、それだけでもたいへん面白い。
政権移行が予想されるとき、有力候補者の政策には役所の側も注目している。実現不可能な「公約」を掲げて当選されることほど困ることはないからだ。本書でも選挙期間中の興味深いエピソードとして、都庁は各候補者の主張を整理して「実現困難な公約の一覧表」を作ったという話が紹介されている。(ちなみに石原「候補」の公約には荒唐無稽なものはなかったとのこと。)また、石原都政一期目の総括として「知事と都庁実務がピタリと息が合うと、面白いほど仕事が進む」と筆者は述べている。首長と役所の「息が合う」ということは当然視されているが、実は日本の自治制度においては制度的にはまったく保障されていないのだ。
最近、地方の首長選でマニフェストを掲げる事例が増えているが、実行可能・検証可能な公約を掲げて選挙を戦ってもらうことは、日本の自治制度の弱点を補い、民主主義を機能させるために非常に大事なことであると思われる。
ところがその一方で、新任の首長が自らの政策を実現させるために腹心のスタッフを自治体幹部に登用する「政治的任命」の制度は、日本にはまったくない。このため、すべての新人知事(市町村長)は(当該役所のOBである場合を除いて)、多かれ少なかれ「見知らぬ組織に単身落下傘降下」という状況を強いられる。これは、首長にとっても大変だが、迎える役所の側にとっても大変なストレスで、幹部職員は大きな緊張と期待をともに抱えて新しい知事の言動を固唾を呑んで見守ることになる。
本書はまさに石原都知事当選の日の夜、筆者ら都庁幹部が石原慎太郎氏を選挙事務所に訪ねるところから始まる。マスコミに囲繞されて事務所に入れない彼らは、駐車場から窓を乗り越えて事務所に入る。まるで映画のような、「政権移行」の臨場感溢れるシーンである。このような、都庁の幹部でないと知り得ないエピソードが多く、それだけでもたいへん面白い。
政権移行が予想されるとき、有力候補者の政策には役所の側も注目している。実現不可能な「公約」を掲げて当選されることほど困ることはないからだ。本書でも選挙期間中の興味深いエピソードとして、都庁は各候補者の主張を整理して「実現困難な公約の一覧表」を作ったという話が紹介されている。(ちなみに石原「候補」の公約には荒唐無稽なものはなかったとのこと。)また、石原都政一期目の総括として「知事と都庁実務がピタリと息が合うと、面白いほど仕事が進む」と筆者は述べている。首長と役所の「息が合う」ということは当然視されているが、実は日本の自治制度においては制度的にはまったく保障されていないのだ。
最近、地方の首長選でマニフェストを掲げる事例が増えているが、実行可能・検証可能な公約を掲げて選挙を戦ってもらうことは、日本の自治制度の弱点を補い、民主主義を機能させるために非常に大事なことであると思われる。