まず本書では、京都議定書の成立における環境庁・外務省側と通産省側との攻防が、簡潔に濃厚にまとめられています。
続けて、京都議定書の問題点、日本で実施されている対策、エネルギー政策の問題点などが登場します。本書は、息をつかせぬファクトの宝庫です。
京都議定書発行以前の本とはいえ、地球温暖化に関心がある方は必見です。なぜなら、本書に登場する問題点は、今も殆ど改善していないからです。
日本は省エネ技術では世界のトップクラスにあるため、追加的な温暖化対策のコストが突出して高いこと。
京都議定書では日本の省エネ技術における優位を生かせる仕組みがなく、この高コストを甘受せざるを得ないこと。
民生、運輸においては単体のエネルギー効率が3%向上しても販売台数がそれを遥かに上回っていること。
エネルギー政策において、原発にまつわる対立が尾を引き、行政と国民との意思疎通ができていないこと。
列挙すればキリがありませんが、著者は、これまで誰も、このような問題点を真剣に考え、現実的な対策を講じてこなかったと断言します。
カチンと来る方もいらっしゃるでしょう。ならば、「現実的」という要素をもう一度考え直してく下さい。
私も実はカチンと来て、何か減点要素はないかと探しましたが、見つけられませんでした。
参りました。星5つです。
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京都議定書は実現できるのか CO2規制社会のゆくえ (平凡社新書 218) 新書 – 2004/3/18
石井 孝明
(著)
- 本の長さ238ページ
- 言語日本語
- 出版社平凡社
- 発売日2004/3/18
- ISBN-104582852181
- ISBN-13978-4582852189
商品の説明
メディア掲載レビューほか
京都議定書は実現できるのか
京都議定書を巡る国内外の状況と課題を綿密な取材に基づいて描いた好著。著者は、京都議定書の見直しと共にエネルギーや環境関連の施策を民主的な姿に転換せよ、と訴える。
京都議定書を巡る国内外の状況と課題を綿密な取材に基づいて描いた好著。著者は、京都議定書の見直しと共にエネルギーや環境関連の施策を民主的な姿に転換せよ、と訴える。
企業の環境保全活動と経済性の両立に取り組む生産拠点を「グリーンファクトリー」と総称する。第3章と4章は、今号で本誌連載が終了する「ゼロエミ通信簿」を再構成し加筆した。
(日経エコロジー 2004/06/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
-- 日経BP企画
登録情報
- 出版社 : 平凡社 (2004/3/18)
- 発売日 : 2004/3/18
- 言語 : 日本語
- 新書 : 238ページ
- ISBN-10 : 4582852181
- ISBN-13 : 978-4582852189
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,214,617位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,003位環境問題
- - 1,196位平凡社新書
- - 109,493位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2006年2月18日に日本でレビュー済み
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気候変動、地球温暖化は大変ホットなトピックである。子どもの学習テーマとしても良質である。 日本未来問題解決プログラムでも、京都議定書は2005〜06年度の1つのトピックになっている。
私たちのような日本の庶民のレベルでは、「平和」「環境」「人権」などの良いことを、”率直に”とらえようとし、重層的なアプローチをしていかないことが多いと、私は思っている。
その日本が議長国として、京都議定書を”率直に”とりまとめ、そして今、反省をしている。
もちろん、気候変動は深刻なトピックであることは間違いない。
日本が政治的知恵を学習し、あか抜けし、また世界にも貢献していこうというとき、必修トピックだと思われる。
未来問題解決の重要テーマとしても、ウオッチし続けたい。
私たちのような日本の庶民のレベルでは、「平和」「環境」「人権」などの良いことを、”率直に”とらえようとし、重層的なアプローチをしていかないことが多いと、私は思っている。
その日本が議長国として、京都議定書を”率直に”とりまとめ、そして今、反省をしている。
もちろん、気候変動は深刻なトピックであることは間違いない。
日本が政治的知恵を学習し、あか抜けし、また世界にも貢献していこうというとき、必修トピックだと思われる。
未来問題解決の重要テーマとしても、ウオッチし続けたい。
2007年8月4日に日本でレビュー済み
最近世界中で起こっている異常気象に危機感を持っています。最新のIPCC報告書を見ると、温暖化による悪影響が懸念されていて、早急な対策が必要だと述べられています。
タイトルを見て、狭い「国益」(日本企業の利益優先)に基づいて書かれている本だと想像がつきました。京都議定書の内容に問題点があるのはそのとおりですが、これから世界全体で対策を進めるための方向性が全く見えませんでした。それは、この作者が環境問題への危機感がないからだと思われます。
「京都議定書をどのように実現できるのか」という観点で本書が書かれていないのはとても残念です。また、この本を読んでも、新しい知識・アイディアは何も得られませんでした。
タイトルを見て、狭い「国益」(日本企業の利益優先)に基づいて書かれている本だと想像がつきました。京都議定書の内容に問題点があるのはそのとおりですが、これから世界全体で対策を進めるための方向性が全く見えませんでした。それは、この作者が環境問題への危機感がないからだと思われます。
「京都議定書をどのように実現できるのか」という観点で本書が書かれていないのはとても残念です。また、この本を読んでも、新しい知識・アイディアは何も得られませんでした。
2007年7月23日に日本でレビュー済み
経産省・経団連の立場で議論を展開しているだけで、内容にオリジナリティがまるで見られない。また、本のタイトルに即してみれば、「京都議定書は実現できない」という結論である。京都議定書が日本の産業界に不利にできており、2013年以降の国際制度は骨抜きに変更すべきだという。
著者の主張で「50%削減」社会の実現が見通せるのだろうか。「現実性」が一つのキーワードになっているが、現状追認ばかりで代替策に結びつく温暖化対策への大きな展望が全く示されていない。環境問題への理解や温暖化対策のあり方を誤解させる愚本である。
著者の主張で「50%削減」社会の実現が見通せるのだろうか。「現実性」が一つのキーワードになっているが、現状追認ばかりで代替策に結びつく温暖化対策への大きな展望が全く示されていない。環境問題への理解や温暖化対策のあり方を誤解させる愚本である。