自転車で旅に出るための心構え・マナーについて、著者の豊富な経験と知識をもとに丁寧に書かれており、これから自転車旅を始めようと思っている方にはもちろんおすすめである。心構え・マナーについてといえば、初心者向けで何か堅苦しい印象を受けるかもしれないが、この書は、単なる自転車旅の型通りのハウツー本ではない。それは、自転車に限らず「旅」というものが人生にとっていかに大切で意味深いものであるかということについて語られているからではないか。
金沢へのドライブで見かけた一人のサイクリストが彼の旅に対する思いを甦らせ、その7年後に、19歳の夏の終わりに乗っていた旅行用自転車のフレームの錆を落とし、かつて自分が旅した行程の谷間へと旅に出ていく。著者はそれを、「旅という終わりのない本を読むチャンスがまだ自分に残っていたことを知った。」と書かれている。
したがって、この書は、旅について真摯に向き合う方向けの本だと思う。
以下私の心に残った文章の一部を紹介する。
・九月の第一週に自転車旅に出発するのが、何より好きだ。
・一説によれば、秋は最も人の意識が明るくなる時節だという。
・その、工事がなければまず通ることのなかったであろう町道が素晴らしかった。
・人間はもともと仏性が備わっている・・・何かをして感謝されると深く喜び、好きなことをしていても、感謝されることがないと魂は枯渇する。
・自転車や自転車の旅を通して、他人の人生の秘められた価値を知ってほしい。なぜなら、他人を本当に理解しようとする気のない人は、自己についても正しく知ることがないからだ。(あとがきより)
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素晴らしき自転車の旅: サイクルツ-リングのすすめ (平凡社新書 228) 新書 – 2004/5/1
白鳥 和也
(著)
わが愛車で街道や峠、海や川沿いの道を辿り、小さな町や村を訪ねる愉しさはほかでは味わえないもの。ソフトからハードまで、自由な自転車の旅の素晴らしさを伝える画期的な本。
- 本の長さ270ページ
- 言語日本語
- 出版社平凡社
- 発売日2004/5/1
- ISBN-104582852289
- ISBN-13978-4582852288
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商品の説明
著者について
1960年静岡県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。現在著述業、自転車文学研究室主宰。著書に、この種のガイドブックとして新しいかたちを開拓した『静岡県サイクルツーリングガイド』(静岡新聞社)がある。こよなく愛する自転車の旅と、もうひとつのテーマである文学や写真や音楽をクロスオーバーさせ、走って、撮って、書く活動を続けている。
登録情報
- 出版社 : 平凡社 (2004/5/1)
- 発売日 : 2004/5/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 270ページ
- ISBN-10 : 4582852289
- ISBN-13 : 978-4582852288
- Amazon 売れ筋ランキング: - 741,177位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 416位自転車・サイクリング (本)
- - 751位平凡社新書
- - 49,637位歴史・地理 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2006年9月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人間だれしも、自分が好きなものを語るときには饒舌になるものです。そして、聞き手の側に少しでもそのものに対する興味があれば、そんな話に魅了され、時間が過ぎるのも忘れてしまうことすらあります。
本書は、「自転車文学研究室」を主宰する白鳥氏が、自身の体験を顧みつつ、自転車による小旅行の魅力を存分に語るものです。自転車に関するあれこれが流麗な文章で綴られており、それだけでも読む価値を感じますが、それ以上に特筆すべきは、氏の自転車に対する思い入れが、これでもかと言わんばかりに、ヒシヒシと伝わってくることでしょう。氏の文章には、例えばトラブルやアクシデントの記述すら、どこかしら憧憬をもって回顧している風情が感じられます。
自転車に全く興味がない向きにはなかなかついていけないものが感じられるかも知れませんが、自転車乗りを自称する人、あるいはそれを目指している人であれば、この本が語る豊かな世界に必ずや幾許かの共感を禁じ得ないことでしょう。
また、氏は仏教への帰依からか、自転車に乗ることと感謝の気持ちを抱くことを結び付けて語っています。両者が論理的にどうつながっているのかはともかく、いずれにしても大事な視点だと思います。また、こうした発想が本書における氏の語り口に、単なるマニュアル本や紀行文とは異なる深みを与えているようにも思えました。
本書は、「自転車文学研究室」を主宰する白鳥氏が、自身の体験を顧みつつ、自転車による小旅行の魅力を存分に語るものです。自転車に関するあれこれが流麗な文章で綴られており、それだけでも読む価値を感じますが、それ以上に特筆すべきは、氏の自転車に対する思い入れが、これでもかと言わんばかりに、ヒシヒシと伝わってくることでしょう。氏の文章には、例えばトラブルやアクシデントの記述すら、どこかしら憧憬をもって回顧している風情が感じられます。
自転車に全く興味がない向きにはなかなかついていけないものが感じられるかも知れませんが、自転車乗りを自称する人、あるいはそれを目指している人であれば、この本が語る豊かな世界に必ずや幾許かの共感を禁じ得ないことでしょう。
また、氏は仏教への帰依からか、自転車に乗ることと感謝の気持ちを抱くことを結び付けて語っています。両者が論理的にどうつながっているのかはともかく、いずれにしても大事な視点だと思います。また、こうした発想が本書における氏の語り口に、単なるマニュアル本や紀行文とは異なる深みを与えているようにも思えました。
2015年5月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
初心者にとって、とてもよく出来た本だとおもいます。
(可笑しいでしょうが私はママチャリしか乗った事が有りません)
ランドナーが欲しいのです。(もっと可笑しいですか?)
でも本気なのです。
私は高齢ですので無理は出来ませんが自転車の旅の雰囲気を楽しみたいと思います。
全てはこの本からの「夢」を頂戴いたしました。
有難うございました。
(可笑しいでしょうが私はママチャリしか乗った事が有りません)
ランドナーが欲しいのです。(もっと可笑しいですか?)
でも本気なのです。
私は高齢ですので無理は出来ませんが自転車の旅の雰囲気を楽しみたいと思います。
全てはこの本からの「夢」を頂戴いたしました。
有難うございました。
2004年6月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自転車で走ると分かる「道の発見」の素晴らしさを、鼻につかない程度の文学的表現をまじえながら紹介する本。終章の「魚沼と会津への7日間」も素晴らしく、「自転車文学」ってのも確かにアリかな、などと思わせる。「ラ」(ランドナー)系の人々の懲りない話など、合間にはさまれているコラムも面白い。もちろん、旅用自転車の技術面や運用面も、技術的になり過ぎない範囲できちんと押さえてあって好ましい。
この本が面白いのは、読んでいるうちに(男の子なら特に)多かれ少なかれあるだろう個人的な自転車との関わりが、記憶から鮮やかに甦ることか。ママチャリで、今で言うスーパー林道のようなところを延々登って、舗装路をダウンヒル。最後にはタイヤのゴムの焼き切れる匂いに怖くなった中坊の夏を思い出す(苦笑)。
この本が面白いのは、読んでいるうちに(男の子なら特に)多かれ少なかれあるだろう個人的な自転車との関わりが、記憶から鮮やかに甦ることか。ママチャリで、今で言うスーパー林道のようなところを延々登って、舗装路をダウンヒル。最後にはタイヤのゴムの焼き切れる匂いに怖くなった中坊の夏を思い出す(苦笑)。
2006年5月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
連休だし、どこか旅行へ行きたいな〜。車よりも自転車の旅行がいい!
そんなことから自転車旅行の本を探してこの本に行き着きました。
レビューが良かったのでさっそく購入。
文章が読みやすく面白い、自転車旅行の魅力が感じられる、自転車旅行全般についての知識が得られるなど、自転車旅行初心者の私にとっては大変参考になりました。
私は興味がある順に読んで行きました。
新しくスポーツタイプの自転車を購入しようとしてましたので、この本でどのタイプの自転車にするか決められました。
以前は、マウンテンバイクとロードレーサーしか知らない私でした(^^;
クロスバイクを購入しましたが、いつかはランドナーに乗ってみたい気分です。
今日より2泊3日で自転車旅行に行ってきます。自転車旅行は初めてで、しかも泊まりがけなので多少不安な気持ちもありますが、のんびりと旅を楽しんで来たいと思います。
そんなことから自転車旅行の本を探してこの本に行き着きました。
レビューが良かったのでさっそく購入。
文章が読みやすく面白い、自転車旅行の魅力が感じられる、自転車旅行全般についての知識が得られるなど、自転車旅行初心者の私にとっては大変参考になりました。
私は興味がある順に読んで行きました。
新しくスポーツタイプの自転車を購入しようとしてましたので、この本でどのタイプの自転車にするか決められました。
以前は、マウンテンバイクとロードレーサーしか知らない私でした(^^;
クロスバイクを購入しましたが、いつかはランドナーに乗ってみたい気分です。
今日より2泊3日で自転車旅行に行ってきます。自転車旅行は初めてで、しかも泊まりがけなので多少不安な気持ちもありますが、のんびりと旅を楽しんで来たいと思います。
2005年7月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自転車の楽しさは、快楽の一つ。とすればどこから来るのか?
体的には、大腿筋はじめ体の筋肉のポンプ運動がもたらす血流アップだろう。それから、ペダリングにつれて刺激をうける坐骨神経系からの快感信号ではないだろか。
この本には、もう一つの要素が書いてある。それは、走りつつ、高揚した脳細胞が発する快適信号である。風、景色、路面の感触それらが言葉の一つ一つのように、自転車で走る人に語りかけるのだ。
ともすれば、繰り返しになりそうなところを回避してラストページまで連れて行ってくれる。
呼んでいる何日かの間、通勤電車の時間が至福のときに変わった。
体的には、大腿筋はじめ体の筋肉のポンプ運動がもたらす血流アップだろう。それから、ペダリングにつれて刺激をうける坐骨神経系からの快感信号ではないだろか。
この本には、もう一つの要素が書いてある。それは、走りつつ、高揚した脳細胞が発する快適信号である。風、景色、路面の感触それらが言葉の一つ一つのように、自転車で走る人に語りかけるのだ。
ともすれば、繰り返しになりそうなところを回避してラストページまで連れて行ってくれる。
呼んでいる何日かの間、通勤電車の時間が至福のときに変わった。
2008年3月16日に日本でレビュー済み
ロードバイクやマウンテンバイクが席巻している現代において、ゆっくりとサイクリング(ツーリング)を楽しむ心得を独特の文章で詳述したユニークなガイドブックです。まさにランドナーやスポルティーフ乗りのための含蓄に富んだ教書。
従って、スピード命の走りを楽しみたいライダーやタフなマウンテン・スポーツに挑戦したい人達にとっては、あまり適さないかも知れません。
(また、女性に対する配慮に欠けたようにみえる表現があるのも事実です。)
そういう意味では、多数派のためのガイドブックではなくて、少数派の味方かと思います。私はランドナー乗りですので、著者の言いたいことに共感しきりでした。
ある意味では昔風の自転車乗り気質を代弁した著作で、ある年代以上の自転車好きにはたまらなく郷愁をそそる筆致かと思います。「大人」のためのガイドブックです。
従って、スピード命の走りを楽しみたいライダーやタフなマウンテン・スポーツに挑戦したい人達にとっては、あまり適さないかも知れません。
(また、女性に対する配慮に欠けたようにみえる表現があるのも事実です。)
そういう意味では、多数派のためのガイドブックではなくて、少数派の味方かと思います。私はランドナー乗りですので、著者の言いたいことに共感しきりでした。
ある意味では昔風の自転車乗り気質を代弁した著作で、ある年代以上の自転車好きにはたまらなく郷愁をそそる筆致かと思います。「大人」のためのガイドブックです。
2014年1月18日に日本でレビュー済み
自転車でのツーリングの魅力を紹介した入門書である。
ただし、自転車の選び方、技術的な側面にはほとんど触れられていない。それらについては別の本を当たった方がいいだろう。
前半は自転車の魅力。数時間の「散策」から何日もかけてのツーリングまで、いろいろな楽しみ方があること。自動車と違って、じっくりと町を楽しめ、好きなところで止まれること。「競わないスポーツ」であること。海岸線や峠道などそれぞれの楽しさ……といったことが分かりやすく書かれている。
後半はツーリングのための準備篇。洋服やバッグの選び方、乗り方、安全の確保のためにすべきことが解説される。
よくできた自転車ツーリングの本だと思う。「関心はあるけどちょっと」と迷っているひとがいたら、手に取るべき。自己流でそれなりに走っているひとも、得られるものが多いだろう。
ただし、自転車の選び方、技術的な側面にはほとんど触れられていない。それらについては別の本を当たった方がいいだろう。
前半は自転車の魅力。数時間の「散策」から何日もかけてのツーリングまで、いろいろな楽しみ方があること。自動車と違って、じっくりと町を楽しめ、好きなところで止まれること。「競わないスポーツ」であること。海岸線や峠道などそれぞれの楽しさ……といったことが分かりやすく書かれている。
後半はツーリングのための準備篇。洋服やバッグの選び方、乗り方、安全の確保のためにすべきことが解説される。
よくできた自転車ツーリングの本だと思う。「関心はあるけどちょっと」と迷っているひとがいたら、手に取るべき。自己流でそれなりに走っているひとも、得られるものが多いだろう。