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満鉄調査部: 「元祖シンクタンク」の誕生と崩壊 (平凡社新書 289) 新書 – 2005/9/1
小林 英夫
(著)
- 本の長さ215ページ
- 言語日本語
- 出版社平凡社
- 発売日2005/9/1
- ISBN-104582852890
- ISBN-13978-4582852899
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登録情報
- 出版社 : 平凡社 (2005/9/1)
- 発売日 : 2005/9/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 215ページ
- ISBN-10 : 4582852890
- ISBN-13 : 978-4582852899
- Amazon 売れ筋ランキング: - 329,282位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年12月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
参考文献等からして多少の知識があるのは解かるが、読者に何を伝えたいのか意図がわからない。なぜか、関東憲兵隊のあたりになると異様に詳細になり、全体として満鉄調査部の概略くらいしか読みとれない。この程度の参考資料は大学の卒論程度の論文であり、他同内容の書籍から比するに下位に位置すると考える。入門書あるいは手はじめとするには良いかも。
2012年11月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
満鉄調査部は、満鉄創設の直後、1907年4月である。初代総裁、後藤新平はかつて台湾の民政長官であったが、彼は当地の基本は旧慣調査と考えていた節があり、治安不安定で、日本の統治権がおぼつかなかった満州でも土地所有権を含む全般的調査活動が重要と考え、調査部の設置を考えたようである。
創立直後の調査部は経済調査、旧慣調査、ロシア調査の三班に分かれ、それ以外に監査班と統計班で構成されていた。当初、その活動は低迷していたがロシア革命による社会主義国家ソ連の誕生とともに息を吹き返した。新しい国家ソ連の調査研究が重要となったからである。ソ連の動向を知るべく、文献の購入と調査結果の出版が精力的に行われた。
その後、山本条太郎が満鉄社長(1927年7月就任)とともに満鉄の活動は活発化し、臨時経済調査委員会が設置され(32年2月ー36年9月)、鉄道問題、大豆輸出問題の取り組み、満州物産調査などが大々的に遂行された。
満州事変以降状況は一変する。傀儡政権である満州国が立国されると、関東軍が満鉄調査部に民政面の協力者としての役割をふりあて、内部に満鉄経済調査会をおいて満州の経済統制策の立案にあたらせた。混乱を極めていた通貨制度の一体化、5カ年計画の立案、策定、「満州産業永年計画案」の具体化がそれである。
最後の部分では満鉄マルクス主義者の動向が細かく記載されている。満鉄調査部の仕事の拡充とともに、かなり多くのマルクス研究者がここに参入し、マルクス主義の立場から(といってもかなりいろいろなマルク主義)現状分析が行われた。しかし、こうした活動は国際情勢が緊迫化する中で関東憲兵隊に狙われ、いわゆる満鉄調査部事件が生起し、42年9月に第一次、43年7月に第二次と2度にわたる一斉検挙の手が入り、ここに事実上、満鉄調査部の活動は終焉した。
本書は、当時の一級のシンクタンクであった満鉄調査部がいったいどういう組織だったのか、いかなる活動をおこなったのか、調査部の人々は戦後どのように生きたのかを、新しい史料をもとにその事実関係を炙りだした読み物である。ほとんど知られていない今、一読に値する著作である。
創立直後の調査部は経済調査、旧慣調査、ロシア調査の三班に分かれ、それ以外に監査班と統計班で構成されていた。当初、その活動は低迷していたがロシア革命による社会主義国家ソ連の誕生とともに息を吹き返した。新しい国家ソ連の調査研究が重要となったからである。ソ連の動向を知るべく、文献の購入と調査結果の出版が精力的に行われた。
その後、山本条太郎が満鉄社長(1927年7月就任)とともに満鉄の活動は活発化し、臨時経済調査委員会が設置され(32年2月ー36年9月)、鉄道問題、大豆輸出問題の取り組み、満州物産調査などが大々的に遂行された。
満州事変以降状況は一変する。傀儡政権である満州国が立国されると、関東軍が満鉄調査部に民政面の協力者としての役割をふりあて、内部に満鉄経済調査会をおいて満州の経済統制策の立案にあたらせた。混乱を極めていた通貨制度の一体化、5カ年計画の立案、策定、「満州産業永年計画案」の具体化がそれである。
最後の部分では満鉄マルクス主義者の動向が細かく記載されている。満鉄調査部の仕事の拡充とともに、かなり多くのマルクス研究者がここに参入し、マルクス主義の立場から(といってもかなりいろいろなマルク主義)現状分析が行われた。しかし、こうした活動は国際情勢が緊迫化する中で関東憲兵隊に狙われ、いわゆる満鉄調査部事件が生起し、42年9月に第一次、43年7月に第二次と2度にわたる一斉検挙の手が入り、ここに事実上、満鉄調査部の活動は終焉した。
本書は、当時の一級のシンクタンクであった満鉄調査部がいったいどういう組織だったのか、いかなる活動をおこなったのか、調査部の人々は戦後どのように生きたのかを、新しい史料をもとにその事実関係を炙りだした読み物である。ほとんど知られていない今、一読に値する著作である。
2006年2月16日に日本でレビュー済み
本書は満鉄関連の著作の多い、
早稲田大学大学院教授の著作である。
近年、調査研究においては外すことのできないシンクタンク、
その元祖としての満鉄調査部の歴史を
シンプルな新書一冊にまとめている。
満鉄は単なる一会社ではなく、その調査部も
現在の調査部とは比べものにならないほどの機能と
役割を果たしていた。
筆者の『満州と自民党』を併せて読むと、
満鉄という会社が戦後日本に果たした
大きな役割が理解できるだろう。
早稲田大学大学院教授の著作である。
近年、調査研究においては外すことのできないシンクタンク、
その元祖としての満鉄調査部の歴史を
シンプルな新書一冊にまとめている。
満鉄は単なる一会社ではなく、その調査部も
現在の調査部とは比べものにならないほどの機能と
役割を果たしていた。
筆者の『満州と自民党』を併せて読むと、
満鉄という会社が戦後日本に果たした
大きな役割が理解できるだろう。
2005年9月25日に日本でレビュー済み
久しぶりに満鉄調査部関係の作品を読みました。新書という性格でしょうか、人物に焦点を当てるのか、それとも満鉄調査部が持ったイデオロギーの解明に焦点をあわせるのか、どっちつかずになってしまったようです。しかしながら満鉄マルクス主義という時代が生み出した奇妙な存在と尾崎秀美との関連への理解の取っ掛かりは十分に与えてくれます。またマルクス主義という存在が戦前の日本の知識人に対して持った魅力の一端についても適確な指摘がなされています(200ページ)。また第五章の戦後との連関を取り上げた部分も短いながらも重要な指摘がなされています。
2005年10月10日に日本でレビュー済み
筆者は、戦前の日本経済ブロック研究の第一人者。実に多岐にわたる満鉄調査部の活動の中で、本書では経済・金融分野の研究と満鉄調査部事件に多くを割いている。
これだけでも1冊を書けてしまう満鉄調査部事件に関しては、基礎から始めて、近年中国で見つかった逮捕者の獄中手記までを50ページに詰め込んだため、入門書なのか、研究成果の解説なのかどっちつかずで物足りない感があった。
かつて満鉄の調査をしていたことがあったが、大豆の規格作り、通貨の統一、鉄道の収益調査、ロシア・華北の分析など、改めて本書を繰っていると、無政府に近かった旧満州で経済政策や国際関係で、強い実効性を持ちながら、東アジア全域を股にかけた調査活動が出来た「満鉄調査部」に魅力を感じずにはいられない。
これだけでも1冊を書けてしまう満鉄調査部事件に関しては、基礎から始めて、近年中国で見つかった逮捕者の獄中手記までを50ページに詰め込んだため、入門書なのか、研究成果の解説なのかどっちつかずで物足りない感があった。
かつて満鉄の調査をしていたことがあったが、大豆の規格作り、通貨の統一、鉄道の収益調査、ロシア・華北の分析など、改めて本書を繰っていると、無政府に近かった旧満州で経済政策や国際関係で、強い実効性を持ちながら、東アジア全域を股にかけた調査活動が出来た「満鉄調査部」に魅力を感じずにはいられない。
2005年10月4日に日本でレビュー済み
満鉄調査部については類書が多い。本書は小ぶりであるが、新資料を駆使した労作である。満鉄調査部で研鑽に励んだ研究者たちが、戦後になって大学教授等となって活躍した。若いうちの猛勉強が後年役に立つ。そんなことも思い知らされてくれる。