中古の本ですが比較的きれいでした。
歴史的な日本の秘密結社というものが、ピンとこないまま購入したのですが、宗教なども結社のような性質があるという考え方があるなど、あまり自分の発想にないことが書いてあり、興味深い内容でした。
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秘密結社の日本史 (平凡社新書 389) 新書 – 2007/9/1
海野 弘
(著)
- 本の長さ226ページ
- 言語日本語
- 出版社平凡社
- 発売日2007/9/1
- ISBN-104582853897
- ISBN-13978-4582853896
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登録情報
- 出版社 : 平凡社 (2007/9/1)
- 発売日 : 2007/9/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 226ページ
- ISBN-10 : 4582853897
- ISBN-13 : 978-4582853896
- Amazon 売れ筋ランキング: - 629,764位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 625位平凡社新書
- - 8,655位日本史一般の本
- - 59,753位ビジネス・経済 (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年7月7日に日本でレビュー済み
「秘密結社」という言葉は自分には極めて近代的な響きに聞こえる。日常会話ではまず耳にしない言葉である。初めに連想するものと言えばオウム真理教だとか、フリーメーソン、フィクションの悪の組織だとかが思い浮かぶ。これまで日本の歴史上、秘密結社なるものは存在しないというのが一般的な認識であり、またそう刷り込まれてきた。その刷り込み、思い込みに着眼した著者の海野氏はこれまで封印されてきた日本の秘密結社の存在を発掘、その系譜を辿り「秘密結社の日本史」として一冊の本に纏めた。確かにこれまで日本の秘密結社について論じられた本はなくその切り口は斬新なように思える。だがしかし読んでみるとそうでもない。
全体を通して古代から近現代までに存在したとされる秘密結社が列挙されているのだが、どれもこれも無理に秘密結社という言葉に縛られて強引にその枠の中に押し込んだように思える。秘密結社というのは大まかに政治的・宗教的なもの、または犯罪組織といった非合法集団を指すが、現代の感覚で古代・中世に当てはめて考えること自体が無理があるのではないか。教科書に出てきた一向宗や大塩平八郎一派を秘密結社と言われても腑に落ちない。
さらに最終章では近現代史の秘密結社として玄洋社と盾の会の名前がでてくるのだが、これには正直呆れてしまった。まず玄洋社は設立当初に警察に設置届けを提出し公的に認められた政治結社である為、秘密結社には該当しない。たしかに玄洋社は非合法活動をも厭わない武闘派集団であったがそれだけで秘密結社としていい理由にはならない。続いて三島の盾の会であるが著者は「その秘密の計画に、盾の会から選んだ、二人を加える。つまり盾の会の中に、四人だけの秘密結社を結成…四人は市谷の自衛隊に立てこもり…」と書く。三島事件は三島と四人の会員が起した事件である。こんな事は調べればすぐに分かるはずだ。それに四人だけの秘密結社とはどういう事だろうか?
著者自ら秘密結社を「分離し、隠された社会であり、セクトやカルトに重なりオカルトに関わる」と定義する。この本の中には明らかにその定義に当てはまらない集団も秘密結社認定されている。海野氏の「秘密結社論」とは一体何であったのか?
全体を通して古代から近現代までに存在したとされる秘密結社が列挙されているのだが、どれもこれも無理に秘密結社という言葉に縛られて強引にその枠の中に押し込んだように思える。秘密結社というのは大まかに政治的・宗教的なもの、または犯罪組織といった非合法集団を指すが、現代の感覚で古代・中世に当てはめて考えること自体が無理があるのではないか。教科書に出てきた一向宗や大塩平八郎一派を秘密結社と言われても腑に落ちない。
さらに最終章では近現代史の秘密結社として玄洋社と盾の会の名前がでてくるのだが、これには正直呆れてしまった。まず玄洋社は設立当初に警察に設置届けを提出し公的に認められた政治結社である為、秘密結社には該当しない。たしかに玄洋社は非合法活動をも厭わない武闘派集団であったがそれだけで秘密結社としていい理由にはならない。続いて三島の盾の会であるが著者は「その秘密の計画に、盾の会から選んだ、二人を加える。つまり盾の会の中に、四人だけの秘密結社を結成…四人は市谷の自衛隊に立てこもり…」と書く。三島事件は三島と四人の会員が起した事件である。こんな事は調べればすぐに分かるはずだ。それに四人だけの秘密結社とはどういう事だろうか?
著者自ら秘密結社を「分離し、隠された社会であり、セクトやカルトに重なりオカルトに関わる」と定義する。この本の中には明らかにその定義に当てはまらない集団も秘密結社認定されている。海野氏の「秘密結社論」とは一体何であったのか?
2009年11月24日に日本でレビュー済み
タイトルから抱くイメージとは裏腹に、非常に真面目な内容の本だった。
日本の歴史を古代から近代まで広く見渡し、そこに浮かびあがってくる「秘密結社」について書かれたのが本書である。
古代から近代まで記述してあることからもわかるように、「広く浅い」感は否めないが、それでも同様の軽い読み物がなかったことを考えると、入門書としては最適ではないだろうか。
気になった点を上げると、ところどころそれが筆者の考えか、歴史学の常識か、それともトンデモ理論なのか分かりづらいところか。あと、近代あたりはだれてきてる感じがした 笑
本書の意見に諸手をあげて賛成というわけではないが、それでも興味深く読めたことは紛れも無い事実だ。
日本の歴史を古代から近代まで広く見渡し、そこに浮かびあがってくる「秘密結社」について書かれたのが本書である。
古代から近代まで記述してあることからもわかるように、「広く浅い」感は否めないが、それでも同様の軽い読み物がなかったことを考えると、入門書としては最適ではないだろうか。
気になった点を上げると、ところどころそれが筆者の考えか、歴史学の常識か、それともトンデモ理論なのか分かりづらいところか。あと、近代あたりはだれてきてる感じがした 笑
本書の意見に諸手をあげて賛成というわけではないが、それでも興味深く読めたことは紛れも無い事実だ。
2007年10月14日に日本でレビュー済み
著者いわく、外国の歴史学では秘密結社というのは普通に研究対象であり、黄巾の乱
やらフリーメーソンやら東西を問わず歴史を動かす原動力だった。しかし日本の学界ではなぜか「秘密結社」は研究対象として敬遠され、まともに検討されてこなかった。そこで、本書は日本史の古代から近代まで、秘密結社を探して駆け抜けます。
ところで、みなさんは日蓮宗不受不施派というセクトをごぞんじでしょうか? 私はたまたま岡山の学生時代の友人の墓参りをしたときに、その仏壇と墓を見て驚きました。まるでゲリラ、レジスタンス的な形態なのです。仏壇は押し入れに偽装されており、裏山に通じる勝手口は外から見えないように(僧をここから逃がすため)なっており、裏山の細い道は迷路になっており、その先の日当たりの良い斜面、周囲の視線を遮った場所に、友人の墓がありました。不受不施の寺院は石垣で囲まれており、砦として立て籠もることもできるそうです。
本書では以下のような結社や運動が紹介されています。異人・まれびと信仰、金属文化を持った渡来人たち、仏教伝来、聖徳太子信仰、密教と道教、行基の土木工人集団、役行者、源信と浄土信仰、法然の浄土宗、親鸞の浄土真宗、一遍の時宗、そして日蓮。一向一揆、網野史学が提唱したマージナルな人々(道道の輩、遊行の人など)、セックス・カルト真言立川流。傾奇者、天草四郎、由井正雪、赤穂浪士、安藤昌益、大塩平八郎、大原幽学、水戸天狗党、幕末の赤報隊、清河八郎。神風連、秩父困民党、玄洋社、黒龍会、大逆事件、ギロチン社、大本教、血盟団、死なう団、相対会、竹内文書など超古代史のカルト、ゾルゲの情報機関、やくざの組、盾の会、連合赤軍。
あとがきでは「最後にオウム真理教をとりあげたかったが、できなかった」としています。が、創価学会にも触れてほしかったですね。なんといっても過激セクトの本場・日蓮宗系ですし、現代日本最大であることは疑いないですし。
非常に面白い本です。結社という視点で日本史を語ることは、もっと盛んになっていいと思います。
やらフリーメーソンやら東西を問わず歴史を動かす原動力だった。しかし日本の学界ではなぜか「秘密結社」は研究対象として敬遠され、まともに検討されてこなかった。そこで、本書は日本史の古代から近代まで、秘密結社を探して駆け抜けます。
ところで、みなさんは日蓮宗不受不施派というセクトをごぞんじでしょうか? 私はたまたま岡山の学生時代の友人の墓参りをしたときに、その仏壇と墓を見て驚きました。まるでゲリラ、レジスタンス的な形態なのです。仏壇は押し入れに偽装されており、裏山に通じる勝手口は外から見えないように(僧をここから逃がすため)なっており、裏山の細い道は迷路になっており、その先の日当たりの良い斜面、周囲の視線を遮った場所に、友人の墓がありました。不受不施の寺院は石垣で囲まれており、砦として立て籠もることもできるそうです。
本書では以下のような結社や運動が紹介されています。異人・まれびと信仰、金属文化を持った渡来人たち、仏教伝来、聖徳太子信仰、密教と道教、行基の土木工人集団、役行者、源信と浄土信仰、法然の浄土宗、親鸞の浄土真宗、一遍の時宗、そして日蓮。一向一揆、網野史学が提唱したマージナルな人々(道道の輩、遊行の人など)、セックス・カルト真言立川流。傾奇者、天草四郎、由井正雪、赤穂浪士、安藤昌益、大塩平八郎、大原幽学、水戸天狗党、幕末の赤報隊、清河八郎。神風連、秩父困民党、玄洋社、黒龍会、大逆事件、ギロチン社、大本教、血盟団、死なう団、相対会、竹内文書など超古代史のカルト、ゾルゲの情報機関、やくざの組、盾の会、連合赤軍。
あとがきでは「最後にオウム真理教をとりあげたかったが、できなかった」としています。が、創価学会にも触れてほしかったですね。なんといっても過激セクトの本場・日蓮宗系ですし、現代日本最大であることは疑いないですし。
非常に面白い本です。結社という視点で日本史を語ることは、もっと盛んになっていいと思います。
2007年10月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者は一つの切り口から歴史を見るという方法でそれを縦糸とします。この本はそれが「秘密結社」ですが神代の昔から営々と続く日本での「秘密結社」の様相と迫害の歴史を述べています。学問・宗教・政治・思想・歌舞音曲・・さまざまな世界の裏小路あるいは地下にうごめいているのが秘密結社。歴史をひもとくとき残された文書からだけみると片手落ちになります。それは勝者の理屈だからです。この著書のように秘密結社としての生地の裏模様が時には表の模様よりもイキイキと訴えてくるのはそこに「たてまえ」などという小ざかしいものがないからだと思います。 少ない情報で誤った方向にいくことはあっても確かに生の躍動が感じられます。そう 著者の別の本にあるようにここでも「男色」の綾なす糸が「秘密結社」のもう一つの隠された模様として夜陰に浮かび上がってくるのは禁じえません。