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新書516日本の15大同族企業 (平凡社新書 516) 新書 – 2010/3/15
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- 本の長さ301ページ
- 言語日本語
- 出版社平凡社
- 発売日2010/3/15
- 寸法10.6 x 1.4 x 17.3 cm
- ISBN-104582855164
- ISBN-13978-4582855166
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登録情報
- 出版社 : 平凡社 (2010/3/15)
- 発売日 : 2010/3/15
- 言語 : 日本語
- 新書 : 301ページ
- ISBN-10 : 4582855164
- ISBN-13 : 978-4582855166
- 寸法 : 10.6 x 1.4 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 339,042位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
1963年北海道札幌市に生まれる。転勤族の子に生まれ、20歳まで13回引っ越す。
小学6年生の時に「系図マニア」となり、勉強そっちのけで系図に没頭する。
当然のように大学受験で史学科に落ち、1982年に國學院大學経済学部に進学。
当然のように経済学そっちのけで、歴史系サークルに入り浸る。
大学3年生でゼミに入り、やっと経済学の勉強を始める。
卒業論文は学内懸賞論文で最優秀賞を取り、学術誌に投稿して採用される。
しかし、大学院へは進む気がなく、1986年にソフトウェア会社に入社
(入社当時、ソフトウェアが何か知らなかった)。
入社2年目に「学者になろう」と方針転換するが、結局サラリーマンを続ける。
1995年10月、東京大学助教授に見出され、学術団体「経営史学会」に入れてもらう。
学術論文をコンスタントに発表し、2005年に明治学院大学非常勤講師を兼務。
学術書『企業集団の形成と解体』を発表し、國學院大學から経済学博士号を授与。
翌2006年に発表した一般書があまり売れなかったので、一般書用の原稿で出版できず、
当時、新書ブームだったので、新書用の原稿に書き直し、
平凡社から『日本の15大財閥』を発表。これがそこそこ売れたので、財閥作家として
以降、コンスタントに著作を発表している。
2016年にKADOKAWAから『徳川家臣団の謎』を発表。これがそこそこ売れたので、
今度は系図作家となる。結局、ニーズのある方に流れていく性格のようだ。
執筆活動はプラモデルと一緒で、書いている最中が一番楽しい。
出来てしまった書籍にはあまり関心がなく、過去に出した本の書名をよく忘れる。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
どこの国でもそうだろうが、創業者一族が社長を世襲し、経営権を把握している同族企業(p16参照)というものがあるものだ(この文章は私見)。本書では、上記に加えて、「『戦後、創業者の親族が社長に選出されている企業』」(p294)という判断基準を用いて、前作『日本の15大財閥―現代企業のルーツをひもとく』(平凡社新書)同様に、日本の代表的な同族企業15社を紹介したもの。なお、日本の同族企業の特徴としては、創業者一族が株式所有を通して支配していないことがあげられるが、本書で取り上げられた企業の歴史をどう彩るかについては、本書に譲る。
2.評価
読み始めは、前作よりつまらなく感じた。しかし、徐々に、どこの同族企業も、いろいろな理由により、同族の支配力を薄めようとする動きがあることは参考になろう。この本の主旨と違うかもしれないが、この本の最大の魅力は、取り上げられた同族企業に関する雑学的な知識である。先ほど「つまらなく感じた」と書いたが、豊富にちりばめられている雑学が本当に面白かった。繰り返すが、雑学的知識の豊富さがこの本を魅力的なものとしており、有益な本だと思うので、星5つ。
本書で取り上げられた15の同族企業の中には、他の企業一族の顔が出てくる。さらに、住友家を始めとする財閥との婚姻関係が。多くの同族企業で絡んでいる。“財界”は意外に狭いのかな、という印象を持った。また、世襲一族の中には20代で取締役についた人物もいたことは、かなり驚いた。
「広く浅く」というモットーから、その“攻防”についての記述は、年表ベースの割りとあっさりしたものとなっている。致し方ないだろうが、企業別の各章ページ数は平均20ページと読みやすいというメリットもある。各章末にある、創業者一族の家系図・企業系統図・上位株主推移表は、「筋金入りの系図マニア」と自称する筆者の渾身の作であり、資料的価値は高いと思われる。
あとがきに印象的なコメントがあったので、紹介したい。
──────────────────────────────────────────────────────────────────────
「広く浅く」が執筆スタンスの本だからこそ、就職活動を控えた学生さんや企業で働く多くの皆さんに読んでいただいて、
「戦時中、東急と京王・小田急・京浜急行が合併していた」
「東宝は東京宝塚劇場の略称で、宝塚歌劇団の東京拠点って意味だった」
「テニスプレーヤー松岡修造の曾祖父は阪急電鉄の創業者で、祖母の祖父も松岡修造という名前だった」
というようなことを、後輩や同僚に語って優越感にひたって欲しい。
そんなところから、企業や経営学に対する興味が芽生える。そう信じているからだ。
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MBAなどとはまた違った視点から、日本企業経営の一面について学ぶことができる一冊である。
大きな会社であるほど世襲は簡単ではない。
また、子孫が必ずしも経営のセンスがあるとは限らないので、世襲を成功させつつ会社を発展させるというのは簡単ではない。
しかしながら登場する創業者の親族には優秀な学歴の人が多い。
将来を見据えて教育に対しても惜しみのない投入がされていたのかなと思う。
そして、有名企業の幹部の子供たち同士で結婚し関係を深める。
普段はあまり意識しないが、やはり一般人とは違う独特の階級社会があるように感じた。
1社6ページほどなので、深く切り込んだ話にはならぬ難があるのだが、筆者も開き直っている通り、「広く浅く」がモットーの1冊。確かに類書はなく、こういう本も面白い。
どんなに独創的な創業者も老いれば血縁に頼る姿が浮かぶ。企業を支配するには株式を保有し、経営のトップに人材を送り込み続けるしかない。しかし、この2つながらを全うすることは実は難しいというのを、歴史が教えてくれる。創業家の社長が座っているトヨタなど逆に異例中の異例だろう。
各章に創業家の系図と、企業の系統図が載っている。実に親切。どこにも顔を出すのが住友銀行であり、旧財閥の三井、住友、岩崎、鴻池などの家であり、巧みに姻族でつながり合う、これらの家である。逆にもっとこういう本が出ると、日本株式会社を更生する企業の風土みたいなものが見えてくるし、階級社会ではないと言われる日本にあっても、厳然とそびえる階級の壁みたいなものを教えてくれる気がする。
先の15大財閥の本に続き、好著。入門書としてはすこぶるの3乗くらいにいい本だった。
取り上げられている会社はすべて今は大企業であるが、創業期は同族企業かつベンチャー企業がほとんど。高度成長期に大成長を遂げ、その過程で創業家持ち株は減少。結果として、脱同族の動きが発生してくる。
しかし、株式が分散化することによって逆に株主からの制約が掛かりにくくなることもあり、創業家が世襲を敢行しやすい環境になることもある。
世襲か、脱同族か、各社の攻防は各当事者の思惑が絡んだ人間味あふれる戦いであり、各事例が1冊の本になりそうな面白い内容。
多くの場合、世襲による弊害が目立つのも事実だが、成長期を過ぎた時期に混乱が発生することが多いのもまた事実。世襲でなくとも防ぎようがなかった可能性もあるので、その点は割り引く必要があるだろう。