新書版は絶版になっており、キンドル版で読みました。何で絶版なんでしょう? そんな古いものでもないのに... もっと読まれていい本です。
榎本武揚や大鳥圭介など、幕府側の人間が明治新政府で役職を担った例はありました。小栗忠順も生きていればもっともっと活躍できたはずです。現に横須賀造船所など新しい時代に大いに貢献した施策は、すでに幕末に始まっていたのですね。その推進役であった小栗はもっと評価されるべきであるのに、「幕府側の人物で戦わずして斬られた、ただ一人の人物 となり」ました。おそらく、薩摩藩の恨みを買ってしまったからだとのことでした。抵抗する意志もない人物を抹殺する無意味な処刑でした。
いろいろ考えさせられる本でした。是非再版してください。
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小栗上野介-忘れられた悲劇の幕臣 (平凡社新書) 新書 – 2010/12/16
村上 泰賢
(著)
幕末の混乱が続くなか、渡米の経験を活かして、日本の近代化のために奔走した最後の幕臣・小栗上野介。遣米使節の渡米150周年(2010年)にあたり、その業績を改めて検証する。
- 本の長さ232ページ
- 言語日本語
- 出版社平凡社
- 発売日2010/12/16
- ISBN-10458285561X
- ISBN-13978-4582855616
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登録情報
- 出版社 : 平凡社 (2010/12/16)
- 発売日 : 2010/12/16
- 言語 : 日本語
- 新書 : 232ページ
- ISBN-10 : 458285561X
- ISBN-13 : 978-4582855616
- Amazon 売れ筋ランキング: - 218,687位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 185位平凡社新書
- - 44,426位ノンフィクション (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年4月4日に日本でレビュー済み
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こんな偉人がいた事にまったく知らないのにショックです。横須賀出身なのに今まで知らなかったとは学校も地域も教わる機会を奪って来ている事に絶句してます。
2023年8月13日に日本でレビュー済み
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数多くの資料により小栗上野介の足跡がよくわかる。俯瞰してえがかれているのも好印象
2017年2月28日に日本でレビュー済み
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違った観点でもう少し詳しく知りたかった。とても読みやすかったです。
2021年1月25日に日本でレビュー済み
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明治維新以来長く封印されてきたような小栗上野介忠順について、ここ数十年多くの評伝が出されてきた。その中でこの一冊は新書という体裁ながら小栗の事績について的確に紹介しているように思える。著者は高崎市郊外にある東善寺の住職である。ここに小栗と家来の墓があり、私も訪ねていろいろな資料、たとえばアメリカの造船所から持ち帰ったネジとか、決して多くはないが、それらを見せてもらった。幕末と維新はずっと薩長が中心となった勝者の歴史観でつづられてきたが、幕臣にもその後の日本を形成するための礎となった小栗のような先見性をもった優れた人物がいいたことを知るために一読する価値はあるだろう。
ちなみに横須賀の製鉄所(造船所)は小栗の主導で建造されたもので、これは後に海軍の軍艦や大砲などの製造拠点になる。それが日露戦争の日本海海戦での勝利に直接結びつくが、司令長官東郷平八郎は後に小栗の遺族を訪れ、「あの勝利は小栗さんが造船所をつくってくれたおかげです」と言ったという。
幕末から明治時代の歴史を再評価するために、手ごろな、しかも意味のおおきい一冊である。
ちなみに横須賀の製鉄所(造船所)は小栗の主導で建造されたもので、これは後に海軍の軍艦や大砲などの製造拠点になる。それが日露戦争の日本海海戦での勝利に直接結びつくが、司令長官東郷平八郎は後に小栗の遺族を訪れ、「あの勝利は小栗さんが造船所をつくってくれたおかげです」と言ったという。
幕末から明治時代の歴史を再評価するために、手ごろな、しかも意味のおおきい一冊である。
2015年1月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者がお坊さんということで、優しい語り口のとても読みやすい作品。
日本という国に多大な貢献をしたにも関わらず、歴史に埋もれてしまった幕臣小栗忠順(ただまさ)、通称小栗上野介。
小栗は悲惨な最期を迎える。
官軍によって、無実の罪を着せられ、何ら弁解する機会も与えられず、家来共々斬首。
小栗は日本の工業近代化に大きく貢献した人物だった。
1860年に幕府の遣米使節の一員としてアメリカを訪問し、その近代化された工業施設に感銘を受け、欧米諸国と並ぶためには、日本にも同様の工業施設を作らなければいけないと感じ、日本に戻ったのち、フランスの助けを借りて横須賀造船所の元となる横須賀製鉄所を建設。
そこは、蒸気機関を主力として、造船は元より製鉄の技術や大砲の建造、各種部品の制作を総合的に行う工業地帯の先駆だった。
合わせて多くの技術者を育成し、彼らは明治期の日本を支える存在となる。
明治に入ったのちも、日本の工業中心地として近代化に大きく貢献し、日露戦争に勝利した際に東郷平八郎は、小栗の遺族に対して、「日本が勝利できたのは、小栗が横須賀造船所を作ってくれたおかげだ」と述べているそうだ。
また経済にも大変明るい人で、不平等であった金の交換レートの改善のためアメリカと交渉したり、日本で最初の株式会社を立ち上げたりしている(この株式会社は役員の選任や定款を備えた現在と変わらないもの)。
さらには軍制改革にも力を入れ、これもフランスの指導の元、大きな成果をあげた。
小栗は、「家を売りに出すとき、何にもなかったら高く売れない。家主が変わっても価値があるものを作っておこう」と言っていたそうで、つまり、仮に徳川が政権の座から落ちても、その後の日本の為になるものを出来るときに用意しておかなくてはいけない、という考え方。
しかし小栗は官軍に対して徹底抗戦を主張するなど、幕臣としての忠義心も厚い人物だった(それが小栗の悲惨な最期の原因ともなるのだが・・・)。
勝海舟と小栗は仲が良くなかったと言われているが、2人とも幕府を超えて日本の新しい国家像を描くことができ、しかも最後まで幕臣としての忠義を全うした人物同志。
勝は江戸城無血開城をもってその役割を終えたが、小栗はもし生きていれば明治以降も大いに活躍していたかもしれない逸材だった。
昔から、維新の志士と呼ばれる人たちを、世間の人ほど好きではなく、坂本龍馬も高杉晋作も、西郷・大久保に至っては嫌いと言ってもいいくらい。
逆に幕臣の方に好きな人物が多い。
勝・小栗はじめ、江川英龍・川路聖謨・大久保一翁・永井尚志・山岡鉄舟他たくさんいる。
明治期の権力を握った「勝ち組」には、当初から倒幕後のビジョンが明確になく、幕府が行ってきた路線を結局引き継いだにすぎない。
そして、日本の近代化を下から支えたのは、多くの旧幕臣やその流れをくんだ人々だ。
「勝者の歴史」によって、多くの幕臣達が歴史に葬られ、また悪評を捏造された。
小栗はその最たる例だろう。
驚くべきことに、戦前まで小栗を研究することは、反政府者の誹りを受ける可能性があったそうだ。
薩長史観の弊害は、ついこの間まで生きていたのだ。
最近の「○○史観」にとらわれない研究が大きく進んでいる印象だ。
小栗をはじめ、歴史に消えてしまった多くの幕臣の真実の姿が浮かび上がることを期待する。
日本という国に多大な貢献をしたにも関わらず、歴史に埋もれてしまった幕臣小栗忠順(ただまさ)、通称小栗上野介。
小栗は悲惨な最期を迎える。
官軍によって、無実の罪を着せられ、何ら弁解する機会も与えられず、家来共々斬首。
小栗は日本の工業近代化に大きく貢献した人物だった。
1860年に幕府の遣米使節の一員としてアメリカを訪問し、その近代化された工業施設に感銘を受け、欧米諸国と並ぶためには、日本にも同様の工業施設を作らなければいけないと感じ、日本に戻ったのち、フランスの助けを借りて横須賀造船所の元となる横須賀製鉄所を建設。
そこは、蒸気機関を主力として、造船は元より製鉄の技術や大砲の建造、各種部品の制作を総合的に行う工業地帯の先駆だった。
合わせて多くの技術者を育成し、彼らは明治期の日本を支える存在となる。
明治に入ったのちも、日本の工業中心地として近代化に大きく貢献し、日露戦争に勝利した際に東郷平八郎は、小栗の遺族に対して、「日本が勝利できたのは、小栗が横須賀造船所を作ってくれたおかげだ」と述べているそうだ。
また経済にも大変明るい人で、不平等であった金の交換レートの改善のためアメリカと交渉したり、日本で最初の株式会社を立ち上げたりしている(この株式会社は役員の選任や定款を備えた現在と変わらないもの)。
さらには軍制改革にも力を入れ、これもフランスの指導の元、大きな成果をあげた。
小栗は、「家を売りに出すとき、何にもなかったら高く売れない。家主が変わっても価値があるものを作っておこう」と言っていたそうで、つまり、仮に徳川が政権の座から落ちても、その後の日本の為になるものを出来るときに用意しておかなくてはいけない、という考え方。
しかし小栗は官軍に対して徹底抗戦を主張するなど、幕臣としての忠義心も厚い人物だった(それが小栗の悲惨な最期の原因ともなるのだが・・・)。
勝海舟と小栗は仲が良くなかったと言われているが、2人とも幕府を超えて日本の新しい国家像を描くことができ、しかも最後まで幕臣としての忠義を全うした人物同志。
勝は江戸城無血開城をもってその役割を終えたが、小栗はもし生きていれば明治以降も大いに活躍していたかもしれない逸材だった。
昔から、維新の志士と呼ばれる人たちを、世間の人ほど好きではなく、坂本龍馬も高杉晋作も、西郷・大久保に至っては嫌いと言ってもいいくらい。
逆に幕臣の方に好きな人物が多い。
勝・小栗はじめ、江川英龍・川路聖謨・大久保一翁・永井尚志・山岡鉄舟他たくさんいる。
明治期の権力を握った「勝ち組」には、当初から倒幕後のビジョンが明確になく、幕府が行ってきた路線を結局引き継いだにすぎない。
そして、日本の近代化を下から支えたのは、多くの旧幕臣やその流れをくんだ人々だ。
「勝者の歴史」によって、多くの幕臣達が歴史に葬られ、また悪評を捏造された。
小栗はその最たる例だろう。
驚くべきことに、戦前まで小栗を研究することは、反政府者の誹りを受ける可能性があったそうだ。
薩長史観の弊害は、ついこの間まで生きていたのだ。
最近の「○○史観」にとらわれない研究が大きく進んでいる印象だ。
小栗をはじめ、歴史に消えてしまった多くの幕臣の真実の姿が浮かび上がることを期待する。
2017年2月4日に日本でレビュー済み
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この本は、小栗忠順(1827年生)が、1859年(33歳)から1868年(享年42歳)までの幕末9年間、江戸幕府の譜代旗本として日本近代化を提言し実現に持ちこんだ、もう一つの文明開化の歴史です。
本文は4章に分かれていますが、全体の約40%と最も紙面を割いているのが第1章で、1860年日米修好通商条約の批准書交換のため渡米したときの様子です。
第2章では、このときの体験・知見をもとに提言した日本近代化のための諸改革について書かれています。第3章では、通貨交換レートの是正や日本初の株式会社を起こしたこと、第4章は、免職後、群馬県の権田村に戻り、間もなく斬首されてしまったことが書かれています。
そして最後に、小栗道子夫人が苦難の旅を余儀なくされながらも、村人の義の精神に支えられて生き延びたことなども胸を打ちます。
著者の村上泰賢氏は、小栗家の菩提寺である東善寺の住職ですが、小栗公の業績等をことさら強調するでもなく、客観的かつ温かさを感じられる言葉で紹介していることが判ります。
良い本に出会いました。これを機に小栗公のこと権田村のことをもっと勉強してみたくなりました。
本文は4章に分かれていますが、全体の約40%と最も紙面を割いているのが第1章で、1860年日米修好通商条約の批准書交換のため渡米したときの様子です。
第2章では、このときの体験・知見をもとに提言した日本近代化のための諸改革について書かれています。第3章では、通貨交換レートの是正や日本初の株式会社を起こしたこと、第4章は、免職後、群馬県の権田村に戻り、間もなく斬首されてしまったことが書かれています。
そして最後に、小栗道子夫人が苦難の旅を余儀なくされながらも、村人の義の精神に支えられて生き延びたことなども胸を打ちます。
著者の村上泰賢氏は、小栗家の菩提寺である東善寺の住職ですが、小栗公の業績等をことさら強調するでもなく、客観的かつ温かさを感じられる言葉で紹介していることが判ります。
良い本に出会いました。これを機に小栗公のこと権田村のことをもっと勉強してみたくなりました。
2013年6月13日に日本でレビュー済み
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幕末期徳川幕府内開国派小栗上野介忠順公の評伝です。小栗公の開国派としての事跡の数々を紹介しながら、できるだけ客観的な資料に基づいて(あえて、禁欲的な適度の距離を置くことで)人物像を描いています。彼の周りにいた人々の誠実さや殿へ殉じた悲劇の姿などへの眼もそれなりに行き届いている叙述です。