凄い。素直に読み進めることを断固として拒絶する翻訳者(須藤先生じゃない方)の心意気には頭が下がる。著者マッハの仕事に箔をつけるためであろうが、できる限り難しい漢字を使い、これでもかと云うくらい権威を誇示する文体はクマラジュウにも負けてはいない。内容が頭に入らなくなる難点を除けばだが。
使われているその漢字が旧字体で常用外であるほど喜びの脳汁がほとばしる読者ならば、この本が手放せなくなること請け合いだ。「ね…燃耗…」「も…贏うる…」と呟きながらガンギマることだろう。
ちなみに訳者による後書きマッハ解説は、それほど難読漢字熟語を使っておらずスラスラ読めた。だからこそ本文の大乗経典ぶりが際立つのだ。そこに翻訳者の面目を感じずにはいられない。著者マッハ自身が「分かりやすく書いた」と書いていようが知ったこっちゃない。こう云う仕事なのだ、とラーメン店主ばりに腕組みする姿が目に浮かび、その心意気にやはり頭が下がる。何よりも「感覚の分析」の邦訳を読める喜びと感謝の気持ちに偽りはないのだ。
とはいえ正直そろそろ新訳を、と願わずにはいられない。
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感覚の分析 (叢書・ウニベルシタス) 単行本 – 1971/10/1
ダブルポイント 詳細
- 本の長さ365ページ
- 言語日本語
- 出版社法政大学出版局
- 発売日1971/10/1
- ISBN-104588000268
- ISBN-13978-4588000263
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登録情報
- 出版社 : 法政大学出版局 (1971/10/1)
- 発売日 : 1971/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 365ページ
- ISBN-10 : 4588000268
- ISBN-13 : 978-4588000263
- Amazon 売れ筋ランキング: - 691,835位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 606位ドイツ・オーストリアの思想
- - 1,251位西洋哲学入門
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年3月16日に日本でレビュー済み
マッハの一連の思想は、仏教で言えば大体”唯識”のところに相当するでしょう。
マッハは自分の意見を強制することはしません。読者もこれを読み進めながら、マッハがそう考えるに至った過程をバーチャルに体験できるようにと、懇切丁寧に説明されている大変有り難い書物です。ですから、ほんとうは五つ星をつけたいのです・・・
が!!元訳者の須藤吾之助氏の責だか、その翻訳遺稿を継いで仕上げた広松渉氏の責だか知りませんが非常に訳が固い。どんなに固くったって日本語訳があることだけでも感謝すべきかもしれませんが、敢えて苦言を呈したく以下お目汚しお許しください。
*****
この固い翻訳も、ドイツ語ができる方なら原文を想像したり、できなくとも「西洋人のいいまわしは○○で・・・」などとあれこれ考えつつ努力すれば一応は読めます。しかし、無駄に難儀しますので、他人様にお薦めにくい。この訳文を読むのを諦めた人がいても私はおかしいと思いませんし、それを努力が足りないなどと責められるとも思えません。元々の内容は、中学生でも無理なく読める程度の難しさでしょうに・・・(と知人のオーストリア人も言っておりました。)
他のマッハの翻訳でもそうですが、広松渉氏は言葉に独特なこだわりがあるのを繊細さと勘違いされているのか、妙な造語をどんどん作ってしまい、いちいち詳細な訳註をつける。読みにくいったらありゃしません。
直訳調で済ませて平然としておりますが、訳者の頭の中であれば、幾日も格闘した原文が反響しているから訳文の意味が通じているだけではありますまいか?この訳文だけをはじめて読む読者の立場を考えたことがあるのでしょうか?いっぺん訳してから何ヶ月も間をおいて、訳文だけ読み返しなどしてますでしょうか?
これをOKした編集者がちゃんと原稿を読んだのかも疑問です。エラい先生でなんか言っても怒られちゃうし、世間の評判はあるようだし、よく判らないからGoしてしまっただけではないか?
ゼミ生に下訳させたのでしょうか、章による出来具合の差も目立つこと多々。たまにスラスラと読める章があって、沙漠のオアシスのように涙も出る有り難さですが、原文が簡単というより、そこを担当した人の能力じゃないかと手前勝手に想像しております。
カントの翻訳で難儀するのはわかります。けれど、マッハのこの内容でそれほどにややこしいことがあるのでしょうか?内容はよいものですから、ドイツ観念論畑でない方にもご協力頂いて、きちんと訳し直していただきたく切に願うものです。
マッハは自分の意見を強制することはしません。読者もこれを読み進めながら、マッハがそう考えるに至った過程をバーチャルに体験できるようにと、懇切丁寧に説明されている大変有り難い書物です。ですから、ほんとうは五つ星をつけたいのです・・・
が!!元訳者の須藤吾之助氏の責だか、その翻訳遺稿を継いで仕上げた広松渉氏の責だか知りませんが非常に訳が固い。どんなに固くったって日本語訳があることだけでも感謝すべきかもしれませんが、敢えて苦言を呈したく以下お目汚しお許しください。
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この固い翻訳も、ドイツ語ができる方なら原文を想像したり、できなくとも「西洋人のいいまわしは○○で・・・」などとあれこれ考えつつ努力すれば一応は読めます。しかし、無駄に難儀しますので、他人様にお薦めにくい。この訳文を読むのを諦めた人がいても私はおかしいと思いませんし、それを努力が足りないなどと責められるとも思えません。元々の内容は、中学生でも無理なく読める程度の難しさでしょうに・・・(と知人のオーストリア人も言っておりました。)
他のマッハの翻訳でもそうですが、広松渉氏は言葉に独特なこだわりがあるのを繊細さと勘違いされているのか、妙な造語をどんどん作ってしまい、いちいち詳細な訳註をつける。読みにくいったらありゃしません。
直訳調で済ませて平然としておりますが、訳者の頭の中であれば、幾日も格闘した原文が反響しているから訳文の意味が通じているだけではありますまいか?この訳文だけをはじめて読む読者の立場を考えたことがあるのでしょうか?いっぺん訳してから何ヶ月も間をおいて、訳文だけ読み返しなどしてますでしょうか?
これをOKした編集者がちゃんと原稿を読んだのかも疑問です。エラい先生でなんか言っても怒られちゃうし、世間の評判はあるようだし、よく判らないからGoしてしまっただけではないか?
ゼミ生に下訳させたのでしょうか、章による出来具合の差も目立つこと多々。たまにスラスラと読める章があって、沙漠のオアシスのように涙も出る有り難さですが、原文が簡単というより、そこを担当した人の能力じゃないかと手前勝手に想像しております。
カントの翻訳で難儀するのはわかります。けれど、マッハのこの内容でそれほどにややこしいことがあるのでしょうか?内容はよいものですから、ドイツ観念論畑でない方にもご協力頂いて、きちんと訳し直していただきたく切に願うものです。
2016年11月7日に日本でレビュー済み
ニーチェと比較されて哲学者扱いされているようですが、自然科学者だと解説にありました。
数式がてんこ盛りの最近の科学書と違って、モノの本質を追求できた時代の雰囲気がうらやましい限りです。
若い人たちにも読んでほしい。音や光、グラフィックスの仕事をするならば、必読です。
言葉が文語的で、現在では少し読みにくいかもしれません。若い人に再翻訳してもらいたいと思います。
数式がてんこ盛りの最近の科学書と違って、モノの本質を追求できた時代の雰囲気がうらやましい限りです。
若い人たちにも読んでほしい。音や光、グラフィックスの仕事をするならば、必読です。
言葉が文語的で、現在では少し読みにくいかもしれません。若い人に再翻訳してもらいたいと思います。
2008年3月20日に日本でレビュー済み
哲学者が飜訳する物理学なので、用語がやや難しい。
特に、廣松渉は難しい漢字の用語が好きなので、敷居が高い。
物理学者が実験、測定する際に、自己の感覚について、客観性を持っていないと、測定結果の分析で袋小路にはまるかもしれない。
その意味で、本書を読むことをお薦めしたい。
特に、廣松渉は難しい漢字の用語が好きなので、敷居が高い。
物理学者が実験、測定する際に、自己の感覚について、客観性を持っていないと、測定結果の分析で袋小路にはまるかもしれない。
その意味で、本書を読むことをお薦めしたい。