レイモン・アロンはサルトルの友人だったことでも有名な社会思想家で、明晰さを旨とするいい意味での「フランスのエスプリ」と云う言葉が似合う知識人である。本書はパリ大学人文学部で行った講議を元にしたもので、思想史にありがちな単なる通史的な理論の羅列に終るのではなく、彼が真に偉大な思想家であると考える人々を集中して取り上げ、その「学説」の核心を、時にその主要著書の丁寧な解説を交え乍ら情熱的に語ってゆく。ヒューマニスティックな観点を重視したその「アロンらしさ」は時に批判の対象にもなったらしいが、それは本書がそれなりに一本きちんとスジの通った書物だからこそであろうし、またそのことは題材を取り扱う際の客観性や公平さを失わせるものではない(と、私は思う)。
社会学に於ける根本的な発想をきちんと理解したいと望むのならば、原典をひとつひとつ自分の手で当たってゆくのも勿論必要なことではあるが、優れた解説書を読むことも非常に大切である。本書は、トリヴィアルな事項や人名、社会学の学派の細かな流れ等を覚えようとする学生にとってはそれ程役には立たないかも知れない。だが古典の目指していたところについてしっかり学ぼうと思っていて、その上でいい参考書がないかと探している学生がいるならば、私は是非本書をお薦めする。
尚、上巻の内容は以下の通りである。人選にもその特徴が表れていることに注意されたい。
序文
モンテスキュー
オーギュスト・コント
カール・マルクス
アレクシス・ド・トックヴィル
社会学者と一八四八年の革命
訳者あとがき
文献目録
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社会学的思考の流れ 1 (叢書・ウニベルシタス) ペーパーバック – 1974/1/1
- 本の長さ341ページ
- 言語日本語
- 出版社法政大学出版局
- 発売日1974/1/1
- ISBN-104588000527
- ISBN-13978-4588000522
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登録情報
- 出版社 : 法政大学出版局 (1974/1/1)
- 発売日 : 1974/1/1
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 341ページ
- ISBN-10 : 4588000527
- ISBN-13 : 978-4588000522
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,051,425位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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