宗教が出来る前からあった聖杯伝説の起源を辿り、それがどう物語に受け継がれていったかを考察した評論。
聖杯の探求、祭り、剣舞、巫医、食事に出る魚、鳩等がどういう意味で使われているのかを多角的に検証して何の為に探求譚が出来たか、現代に受け継がれていったかを探った評論でした。
古代の物語で、何かを探してそれが手に入ると幸福になる、という物が多い様で、それが現代にも受け継がれて、推理小説や冒険小説でも何か謎を探る物が多くなった理由が判った気がしました。
それと、キリスト教以前から、土壌信仰の様な物があり、五穀豊穣を願って供物を捧げたり、生贄を捧げたりして、神か或いは人間よりも上の存在に雨が降ってくれるのを期待する傾向があったのも何となく判りました。
読んでいて民族や言語が違う国や地域でも、人間よりも上に神か或いは、そういう人間が逆らえない存在がいて、その存在に色々祈願する、という行為が人類にあるらしいと思いました。前述の雨に関しても干ばつで農作物が育たないと食事に困るので、天候をうまくしてもらいたい、という事で村で一番美しい男性や女性を生贄に捧げる風習等が過去にあったそうで、今みたいに色々な宗教が出来る前の農耕民族の時代からそういう風に何かに頼る傾向が人類にあったらしいです。
エリオットの「荒地」のネタになったという事で読みましたが、そんなに難しくなく、普通に読めるので、信仰心や聖杯探索英雄譚に興味のある人は読んでみては。
文化民俗学の古典。ぜひご一読を。
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祭祀からロマンスへ (叢書・ウニベルシタス) ペーパーバック – 1981/1/1
- 本の長さ278ページ
- 言語日本語
- 出版社法政大学出版局
- 発売日1981/1/1
- ISBN-104588001094
- ISBN-13978-4588001093
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登録情報
- 出版社 : 法政大学出版局 (1981/1/1)
- 発売日 : 1981/1/1
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 278ページ
- ISBN-10 : 4588001094
- ISBN-13 : 978-4588001093
- Amazon 売れ筋ランキング: - 713,663位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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