17〜18世紀のフランスを中心としたヨーロッパを、旅・戦争・サロンという3つの視点から捉えた本です。
基本的なこととして、本書は歴史的経緯を説明したものではありません。なので、ある程度は西洋史を事前に理解している必要はあるのではないかと思います。ただし、その時代の暮らしぶり等を知りたいといった、ある種の興味があれば寸分にとはいかないでしょうが、歴史的な事柄を知らなくても読むことはできるし理解も可能です。
さて、本書で言及される人物についてですが、フィロゾーフや科学者のみならず、貴族や僧侶、軍人、サロンを主催していた夫人等に至る幅広い多くの名前が見受けられます。個別的なエピソードや、若干怪しさもある有名無名な人物による資料も非常に豊富に示され、そのエピソードの正否は別として、当時の人間の考えかたを知ることができます。
本書は本文約400頁に及び、この手の著作にしてはやや分厚い部類に入るかと思います。さらに、引用の乱発は文章が雑になりがちですが、しかし著者の巧みな名文が全体を通して引き締めており、非常に読みやすいものとなっております。加えて言うなら、著者のそれらの有象無象の資料に対する姿勢が面白く、軽く一言感想を述べるといった体で堅苦しさがないのも楽しいものです。
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旅・戦争・サロン: 啓蒙思潮の底流と源泉 単行本 – 1991/7/1
高橋 安光
(著)
18世紀フランス,人々は旅に出て何を見,戦争で何を経験し,サロンで何を語ったか。人間の生きざま,フィロゾーフたちの精神的営みを時代の基層から掘り起こす。
- 本の長さ444ページ
- 言語日本語
- 出版社法政大学出版局
- 発売日1991/7/1
- ISBN-104588130110
- ISBN-13978-4588130113
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
18世紀フランス、人々は旅に出て何を見、戦争で何を経験し、サロンで何を語ったか。ヴォルテールやディドロらフィロゾーフと啓蒙君主たちの精神的営みを、また庶民、女性たちの心意気と生き様を、旅愁と硝煙と脂粉の底から掘り起こす、異色の啓蒙思想論。
登録情報
- 出版社 : 法政大学出版局 (1991/7/1)
- 発売日 : 1991/7/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 444ページ
- ISBN-10 : 4588130110
- ISBN-13 : 978-4588130113
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,035,099位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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- - 1,954位西洋哲学入門
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