タレントのちはるさんの著書だとは知らずに、タイトルに惹かれて手にしてみました。
休日に家にこもって自由な時間を過ごすのは、インドア派会社員にとっても至福のひととき。それをより充実させる方法を教えられたり、新しい世界を開くアイディアを発見させてくれたり、同じような喜びを持つ他人の休日の過ごし方を参考にできたり、というような期待を抱きました。
実際、オールカラーのカラフルなレイアウトのページは、ぱらぱらとめくるだけで楽しげな様子を伝えてくれるようでした。
「おうちの扉」は全部で６つ。赤いドアは「リズムを感じる」、黄色い入口は「キレイになる」、冷蔵庫のドアは「くいしんぼうになる」、緑の窓は「お部屋を替える」、青く閉ざされたドアは「涙をながす」、紫のドアから出ると「自分の居場所を広げる」。
でもそれらはほとんど、ちはるさんお勧めの音楽や映画、写真集や絵本を紹介するための切り口というだけになっているみたいです。
音楽に関しては、ミュージシャンである旦那さまからの影響もあってか、定番ものからマニアックなものまで幅広いジャンルから選ばれていると感じます。映画に関しては、90年代後半から00年代前半にかけての単館ロードショーものが中心で、さまざまな国籍の作品が紹介されています。絵本に関しては、一人息子トーイくんのために読んであげたものが多いのではないでしょうか。
それぞれの作品に付けられた紹介コメントやエッセイは、短いながらも要領を得ているように思えますが、セレクト全体としての脈絡はないので、ちはるさん独自の視点に共感できるかどうかが、読む側としてはカギになると思います。
ご自宅の部屋や表参道に持つカフェのインテリアなどの写真も豊富で、ここにもちはるさん独自のミクスチャーなセンスを見ることができますが、個人的にはやはり女性向けのタレント本だったか、というのが正直なところ。
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