シージ僧院での護摩を成功させたヴァシュワーミトラは、総ての僧を引き連れてヴァイデーハ国の聖なる首都ミティラーで行われるホーリーの祭典に向かい、ラーマとラクシュマナもこれに同行することに。
ラーマ達は道中で山賊と争っている放浪クシャトリヤと出会い、目的地が同じと知って同行することなるが、それはお忍びで旅に出ていたヴァイデーハ国のシータ皇女だった。
一方、兵士の姿を装ってアヨーディヤーへ侵入したラーヴァナは、ダシャラタに阿修羅軍の侵攻経路について偽の報告を信じさせ、近隣のガンダーラ国とカーイケーヤ国に救援軍を送ったコーサラ国は無防備な状態に。
ミティラーには祭典への参加のために多くの婆羅門が集まっているほか、今年はシータ皇女の婿選び式も行われるため、近隣の貴顕も多く参集していたが、シーターが要求した<シヴァの弓>を射ることの出来た者はただ1人の男だけ。
そしてその男は人間の姿を装った阿修羅の王ラーヴァナだった・・・
ここまででも大真言「バラ/アティバラ」を授かっているラーマは、その超人的な力を見せてきたが、人の手では引くことの叶わない神器<シヴァの弓>を折ってみせ、ラーヴァナの度肝を抜く。
しかし、ミティラーには既に一千万を超える阿修羅の軍勢が迫っており、策略によって隣国コーサラからの援軍を頼れない状態。
いよいよ絶体絶命かと思われたところで、想像を絶する逆転劇に驚かされることになる。
梵天兵器の威力の描写は正しく核兵器のそれであり、使い手のみならず民族全体が永劫に輪廻転生に堕ちるというリスクも頷けるものだ。
国家滅亡と魂の破滅とを秤にかける立場となった大王ジャナカの苦悩も当然のもので、代役を申し出たラーマに葛藤がないのは軽薄にも見える。
その点、脇役ではあるものの、非武装の人々を守るために阿修羅の大軍の前に立ちはだかったベジュー隊長はラーマのような超人でないだけに光る存在だ。
ラーマの選択が誤りだったとは思わないが、葛藤のない非人間的な英雄は魅力が薄い。
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聖都決戦 上 (ラーマーヤナ 3) 単行本 – 2006/10/1
- 本の長さ295ページ
- 言語日本語
- 出版社ポプラ社
- 発売日2006/10/1
- ISBN-104591094685
- ISBN-13978-4591094686
登録情報
- 出版社 : ポプラ社 (2006/10/1)
- 発売日 : 2006/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 295ページ
- ISBN-10 : 4591094685
- ISBN-13 : 978-4591094686
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,976,500位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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