所々に流れる音楽が文章から得られる風景に加えて、
その音楽が作る空気と音楽に込められた意味でシーンを彩っている。
フリーターの主人公やバイト仲間。
公園に住んでいるホームレス。
友達以上で恋人未満の女性。
それぞれの心理描写がどこかで達観したような物寂しさをだしており、それが文章全体から感じられた。
何気ない楽しい日々から、あって当たり前のものが無くなりそれぞれが葛藤する。
自身の日常の何気ない感や、先行きの不安などがくすぐられた。
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陽気で哀しい音楽に 単行本 – 2007/10/1
佐藤 弘
(著)
- 本の長さ194ページ
- 言語日本語
- 出版社ポプラ社
- 発売日2007/10/1
- ISBN-104591099164
- ISBN-13978-4591099162
登録情報
- 出版社 : ポプラ社 (2007/10/1)
- 発売日 : 2007/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 194ページ
- ISBN-10 : 4591099164
- ISBN-13 : 978-4591099162
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,857,061位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 44,481位日本文学
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年8月27日に日本でレビュー済み
「良い大学を出て、良い会社に就職するのが、幸せな人生という価値観は終わった」
といった言説は、大企業がいくつも倒産した90年代後半の不況期に出てきた。実際、転職が一般化し、一生会社に縛られる必要はない、という感覚は広がってきた。フリーターという生き方も、そこから派生したものだろう。
それで、この作品の発売は2007年10月だが、ずいぶん昔の話だと感じた。
内定者懇談会で違和感を覚えた主人公は、両親の反対を押し切って、大学卒業後にレコードショップの店員(アルバイト)になるが、ちょうど2005〜2008年ごろは就職状況も良いころで、かつ、上のように「会社に入るのが幸せな人生か?」といった問いが有効な時期でもあった。はっきり言えば、サラリーマンになるのは「かっこ悪い」といった言い方が、説得力を持っていたのだ。
そういった点で、今の若い人がこの主人公にどの程度共感を得るのかな、とは思う。内定があるのに、フリーターになる、そういう行動が「カッコいい」という感性がわかるのかな、と。そこがこの本のポイントだと思う。
あと、主人公は割りと排他的で、こだわりが強い人間だ。よく言えば自分を持っているというか。グルメ気取りを批判し、コンドームを持ち歩くことを「ダサい」と考え、小難しいことを延々と考える。接続詞の使い方なども含めて、保坂和志の影響が強い作風だと言える。違いは、セックスの面で恵まれていて盛んというところか。また、古いと感じた理由は、ネット文化に一切触れていないからかもしれない。時代は変わったのだ。
といった言説は、大企業がいくつも倒産した90年代後半の不況期に出てきた。実際、転職が一般化し、一生会社に縛られる必要はない、という感覚は広がってきた。フリーターという生き方も、そこから派生したものだろう。
それで、この作品の発売は2007年10月だが、ずいぶん昔の話だと感じた。
内定者懇談会で違和感を覚えた主人公は、両親の反対を押し切って、大学卒業後にレコードショップの店員(アルバイト)になるが、ちょうど2005〜2008年ごろは就職状況も良いころで、かつ、上のように「会社に入るのが幸せな人生か?」といった問いが有効な時期でもあった。はっきり言えば、サラリーマンになるのは「かっこ悪い」といった言い方が、説得力を持っていたのだ。
そういった点で、今の若い人がこの主人公にどの程度共感を得るのかな、とは思う。内定があるのに、フリーターになる、そういう行動が「カッコいい」という感性がわかるのかな、と。そこがこの本のポイントだと思う。
あと、主人公は割りと排他的で、こだわりが強い人間だ。よく言えば自分を持っているというか。グルメ気取りを批判し、コンドームを持ち歩くことを「ダサい」と考え、小難しいことを延々と考える。接続詞の使い方なども含めて、保坂和志の影響が強い作風だと言える。違いは、セックスの面で恵まれていて盛んというところか。また、古いと感じた理由は、ネット文化に一切触れていないからかもしれない。時代は変わったのだ。