NHKラジオで当書の第一話を朗読していたのを聴き、購入しました。
著者が活版印刷等について懸命に勉強したことがよくわかりますし、それを反映しつつ
物語を作った「熱」を感じることがでる一方で、各話に登場する
このような人物が周りにいたらいいなと強く思いました。
悲しみや思いを胸に秘めて淡々と生きる市井の人々が少ない
今を改めて思いました。また登場人物を通じて、日本人はものすごく変質してきているなあと
物語の内容とは別に深く思った次第です。
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[ほ]4-1)活版印刷三日月堂 星たちの栞 (ポプラ文庫)Merchant Video
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([ほ]4-1)活版印刷三日月堂 (ポプラ文庫 ほ 4-1) 文庫 – 2016/6/3
ほしお さなえ
(著)
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「伝えられていない〝言葉〟はありませんか――」
発売前から社内外で感涙・絶賛の声、続出!!
優しさと切なさと感動の詰まった、今年一番の自信作!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<内容>
川越の街の片隅に佇む印刷所・三日月堂。店主が亡くなり、長らく空き家になっていた三日月堂だが、店主の孫娘・弓子が川越に帰ってきたことで営業を再開する。三日月堂が営むのは昔ながらの活版印刷。活字を拾い、依頼に応じて一枚一枚手作業で言葉を印刷する。そんな三日月堂には色んな悩みを抱えたお客が訪れ、活字と言葉の温かみによって心が解きほぐされていくのだが、弓子もどうやら事情を抱えているようで――。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<著者プロフィール>
ほしおさなえ
1964年東京都生まれ。作家・詩人。95年『影をめくるとき』が第38回群像新人文学賞優秀作受賞。2002年『ヘビイチゴ・サナトリウム』にて、第12回鮎川哲也賞最終候補。
著作に『空き家課まぼろし譚』『みずうみの歌』などのほか、「ものだま探偵団」シリーズなど、児童書も手がけている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(感想の声)
<20代男性・編集局>
原稿を読んで、行方知れずの友人に電話をかけた。電話は通じなかった。あの時伝えておけばよかった言葉――そんなことを思い出して、気づいたらぼろぼろ泣いていた。
まだ間に合う人たちがいるなら、ぜひ読んで欲しい。そして伝えて欲しい。そう思った。
発売前から社内外で感涙・絶賛の声、続出!!
優しさと切なさと感動の詰まった、今年一番の自信作!
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<内容>
川越の街の片隅に佇む印刷所・三日月堂。店主が亡くなり、長らく空き家になっていた三日月堂だが、店主の孫娘・弓子が川越に帰ってきたことで営業を再開する。三日月堂が営むのは昔ながらの活版印刷。活字を拾い、依頼に応じて一枚一枚手作業で言葉を印刷する。そんな三日月堂には色んな悩みを抱えたお客が訪れ、活字と言葉の温かみによって心が解きほぐされていくのだが、弓子もどうやら事情を抱えているようで――。
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<著者プロフィール>
ほしおさなえ
1964年東京都生まれ。作家・詩人。95年『影をめくるとき』が第38回群像新人文学賞優秀作受賞。2002年『ヘビイチゴ・サナトリウム』にて、第12回鮎川哲也賞最終候補。
著作に『空き家課まぼろし譚』『みずうみの歌』などのほか、「ものだま探偵団」シリーズなど、児童書も手がけている。
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(感想の声)
<20代男性・編集局>
原稿を読んで、行方知れずの友人に電話をかけた。電話は通じなかった。あの時伝えておけばよかった言葉――そんなことを思い出して、気づいたらぼろぼろ泣いていた。
まだ間に合う人たちがいるなら、ぜひ読んで欲しい。そして伝えて欲しい。そう思った。
- 本の長さ311ページ
- 言語日本語
- 出版社ポプラ社
- 発売日2016/6/3
- ISBN-104591150410
- ISBN-13978-4591150412
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![([ほ]4-1)活版印刷三日月堂 (ポプラ文庫 ほ 4-1)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/71ebDnLMSFL._AC_UL116_SR116,116_.jpg)
対象商品: ([ほ]4-1)活版印刷三日月堂 (ポプラ文庫 ほ 4-1)
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登録情報
- 出版社 : ポプラ社 (2016/6/3)
- 発売日 : 2016/6/3
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 311ページ
- ISBN-10 : 4591150410
- ISBN-13 : 978-4591150412
- Amazon 売れ筋ランキング: - 162,199位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 154位ポプラ文庫
- カスタマーレビュー:
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5 星
ふわっとした物語だけどオタク本
飯田橋にある印刷博物館を訪れた際、コラボ企画として展示されていた小説。川越にある昔ながらの活版印刷所「三日月堂」に出入りするお客さんの心模様を描く中編4本――ふわっとした物語なのだが、文字、インキ、珈琲、外字‥‥技術者としての私がこだわってきた事項がサラリと盛り込まれているオタク本なのである。世界は森――川越の街の片隅に佇む三日月堂は、店主が亡くなり、しばらく空き家となってきた。孫娘の弓子が戻り、営業を再開する。再開のきっかけとなったのは、三日月堂のオリジナル・レターセット。発注したハルさんが、亡くなったご主人と息子の名前に込めた想いとは――。私たち夫婦が子どもの名前を付けた時のことを思い出し、年甲斐にもなく、心がジンとなった。印刷会社で仕事したのも、ホームページで技術情報を書いているのも、私が「文字」にこだわりがあったから。八月のコースター――伯父から珈琲店「桐一葉」を受け継いだ岡野。紙マッチの代わりにショップカードを作ろうと、三日月堂を訪れる。弓子の台詞「インキです。インクじゃなくて、印刷業界では、インキ、っていうんですよ」を読んで、思わずニヤリ。そう、印刷会社で仕事をしていたときは「インキ」だった。CMYKの4色に特色を加えた5色の世界。珈琲店というのも懐かしい。チェーン店のマシンが淹れる均質のものではなく、店ごとに味が違った。そして、アイスコーヒーのコースター。私は煙草をやらないので紙マッチとは縁がなかったが、このコースターを集めていたこともあったっけ。星たちの栞――鈴懸学園の学園祭で、文芸部は三日月堂の弓子を呼び、活版印刷のワークショップを催すことになった。『銀河鉄道の夜』でジョバンニが印刷屋で働いている話題が出る。1985年のアニメ映画を思い出した。ますむらひろしの絵で、ネコのジョバンニが活字を拾っているシーンが記憶に残る。文芸部員の一人が家庭の悩みを抱えているが、これがジョバンニに重なる。ひとつだけの活字――弓子と雪乃は銀座にある活字店を訪れる。本文用の活字の大きさは5号という日本独自の単位で、フォントサイズの10.5ポイントに相当する。だからWORDの本文標準は10.5ポイントなのである。そして、フリガナをルビと呼ぶのは、7号(約5.5ポイント)をそう呼んだから。HTMLのタグrubyに受け継がれている。活字には重さがある。無い文字は、その場で職人が彫って作ったというが、フォントも似たようなものだ。まだJIS第2水準までしかなかった時代、人名・地名に足りない字は、デザイナがPostScript外字を作った。そして、私たちプログラマは、それを表示用ビットマップに変換し、外字コードを割り当てたものである。雪乃と友明は、1セットしかない平仮名の活字を組み合わせて結婚式の招待状の文面を練る。「八月のコースタ」では俳句が取り上げられたが、こうした制約があるからこそ、逆に、私たち日本人は1つ1つの文字を大切にし、時間をかけて文章を組み立ててきたのではないか。そして、「組版」という独特の印刷文化を築き上げたのである。
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上位レビュー、対象国: 日本
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2019年9月11日に日本でレビュー済み
こういう本は書き続けられるべきで、読み継がれていくべきである。
忘れたくないことが、ひっそりと詰まっていて、読んでいる時間が幸せ
中学の図書館にあって、擦り切れていて欲しい。
忘れたくないことが、ひっそりと詰まっていて、読んでいる時間が幸せ
中学の図書館にあって、擦り切れていて欲しい。
2018年11月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
三日月堂の店主弓子さんを通して、昔ながらの活版印刷に出会って、笑い.涙.感動が溢れて心から温かくなりました。
2018年7月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ほっこりした気持ちになれました。
ほかの巻も読みたいと思います。
ほかの巻も読みたいと思います。
2020年4月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
美麗な表紙に惹かれて購入しました。活版印刷という普段あまり触れることのないものを題材にしたお話で、新鮮さを感じ、文章も優しく、ほっこりしたお話でした。
ただ、涙するほどの感動作とまでは私はいかなかったですね……。
落ち着きたい気分の時に読むとちょうどいい本だと思います。
ただ、涙するほどの感動作とまでは私はいかなかったですね……。
落ち着きたい気分の時に読むとちょうどいい本だと思います。
2017年7月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この作業に多くの人たちの思いが込められて印刷物という形になって人に伝わっていく。
きれいごとだと言ってしまえばそれまででしょうが、そんな世界にも染まりたいときに読む本です。
きれいごとだと言ってしまえばそれまででしょうが、そんな世界にも染まりたいときに読む本です。
2017年5月7日に日本でレビュー済み
かつて祖父がやっていた活版印刷屋を長い年月を経て継ぐことになった弓子。
活版印刷屋を舞台に暖かい物語が繰り広げられます。
4つのエピソードが収録されています。
あまり期待していなかったのですが、思いのほか良かったです。
当たり前の事ですが、まだまだ知らない一冊があるなと改めて思った作品です。
活版印刷屋を舞台に暖かい物語が繰り広げられます。
4つのエピソードが収録されています。
あまり期待していなかったのですが、思いのほか良かったです。
当たり前の事ですが、まだまだ知らない一冊があるなと改めて思った作品です。
2019年1月20日に日本でレビュー済み
飯田橋にある印刷博物館を訪れた際、コラボ企画として展示されていた小説。川越にある昔ながらの活版印刷所「三日月堂」に出入りするお客さんの心模様を描く中編4本――ふわっとした物語なのだが、文字、インキ、珈琲、外字‥‥技術者としての私がこだわってきた事項がサラリと盛り込まれているオタク本なのである。
世界は森――川越の街の片隅に佇む三日月堂は、店主が亡くなり、しばらく空き家となってきた。孫娘の弓子が戻り、営業を再開する。再開のきっかけとなったのは、三日月堂のオリジナル・レターセット。発注したハルさんが、亡くなったご主人と息子の名前に込めた想いとは――。
私たち夫婦が子どもの名前を付けた時のことを思い出し、年甲斐にもなく、心がジンとなった。印刷会社で仕事したのも、ホームページで技術情報を書いているのも、私が「文字」にこだわりがあったから。
八月のコースター――伯父から珈琲店「桐一葉」を受け継いだ岡野。紙マッチの代わりにショップカードを作ろうと、三日月堂を訪れる。
弓子の台詞「インキです。インクじゃなくて、印刷業界では、インキ、っていうんですよ」を読んで、思わずニヤリ。そう、印刷会社で仕事をしていたときは「インキ」だった。CMYKの4色に特色を加えた5色の世界。
珈琲店というのも懐かしい。チェーン店のマシンが淹れる均質のものではなく、店ごとに味が違った。そして、アイスコーヒーのコースター。私は煙草をやらないので紙マッチとは縁がなかったが、このコースターを集めていたこともあったっけ。
星たちの栞――鈴懸学園の学園祭で、文芸部は三日月堂の弓子を呼び、活版印刷のワークショップを催すことになった。
『銀河鉄道の夜』でジョバンニが印刷屋で働いている話題が出る。1985年のアニメ映画を思い出した。ますむらひろしの絵で、ネコのジョバンニが活字を拾っているシーンが記憶に残る。文芸部員の一人が家庭の悩みを抱えているが、これがジョバンニに重なる。
ひとつだけの活字――弓子と雪乃は銀座にある活字店を訪れる。本文用の活字の大きさは5号という日本独自の単位で、フォントサイズの10.5ポイントに相当する。だからWORDの本文標準は10.5ポイントなのである。そして、フリガナをルビと呼ぶのは、7号(約5.5ポイント)をそう呼んだから。HTMLのタグrubyに受け継がれている。
活字には重さがある。無い文字は、その場で職人が彫って作ったというが、フォントも似たようなものだ。まだJIS第2水準までしかなかった時代、人名・地名に足りない字は、デザイナがPostScript外字を作った。そして、私たちプログラマは、それを表示用ビットマップに変換し、外字コードを割り当てたものである。
雪乃と友明は、1セットしかない平仮名の活字を組み合わせて結婚式の招待状の文面を練る。「八月のコースタ」では俳句が取り上げられたが、こうした制約があるからこそ、逆に、私たち日本人は1つ1つの文字を大切にし、時間をかけて文章を組み立ててきたのではないか。そして、「組版」という独特の印刷文化を築き上げたのである。
世界は森――川越の街の片隅に佇む三日月堂は、店主が亡くなり、しばらく空き家となってきた。孫娘の弓子が戻り、営業を再開する。再開のきっかけとなったのは、三日月堂のオリジナル・レターセット。発注したハルさんが、亡くなったご主人と息子の名前に込めた想いとは――。
私たち夫婦が子どもの名前を付けた時のことを思い出し、年甲斐にもなく、心がジンとなった。印刷会社で仕事したのも、ホームページで技術情報を書いているのも、私が「文字」にこだわりがあったから。
八月のコースター――伯父から珈琲店「桐一葉」を受け継いだ岡野。紙マッチの代わりにショップカードを作ろうと、三日月堂を訪れる。
弓子の台詞「インキです。インクじゃなくて、印刷業界では、インキ、っていうんですよ」を読んで、思わずニヤリ。そう、印刷会社で仕事をしていたときは「インキ」だった。CMYKの4色に特色を加えた5色の世界。
珈琲店というのも懐かしい。チェーン店のマシンが淹れる均質のものではなく、店ごとに味が違った。そして、アイスコーヒーのコースター。私は煙草をやらないので紙マッチとは縁がなかったが、このコースターを集めていたこともあったっけ。
星たちの栞――鈴懸学園の学園祭で、文芸部は三日月堂の弓子を呼び、活版印刷のワークショップを催すことになった。
『銀河鉄道の夜』でジョバンニが印刷屋で働いている話題が出る。1985年のアニメ映画を思い出した。ますむらひろしの絵で、ネコのジョバンニが活字を拾っているシーンが記憶に残る。文芸部員の一人が家庭の悩みを抱えているが、これがジョバンニに重なる。
ひとつだけの活字――弓子と雪乃は銀座にある活字店を訪れる。本文用の活字の大きさは5号という日本独自の単位で、フォントサイズの10.5ポイントに相当する。だからWORDの本文標準は10.5ポイントなのである。そして、フリガナをルビと呼ぶのは、7号(約5.5ポイント)をそう呼んだから。HTMLのタグrubyに受け継がれている。
活字には重さがある。無い文字は、その場で職人が彫って作ったというが、フォントも似たようなものだ。まだJIS第2水準までしかなかった時代、人名・地名に足りない字は、デザイナがPostScript外字を作った。そして、私たちプログラマは、それを表示用ビットマップに変換し、外字コードを割り当てたものである。
雪乃と友明は、1セットしかない平仮名の活字を組み合わせて結婚式の招待状の文面を練る。「八月のコースタ」では俳句が取り上げられたが、こうした制約があるからこそ、逆に、私たち日本人は1つ1つの文字を大切にし、時間をかけて文章を組み立ててきたのではないか。そして、「組版」という独特の印刷文化を築き上げたのである。

飯田橋にある印刷博物館を訪れた際、コラボ企画として展示されていた小説。川越にある昔ながらの活版印刷所「三日月堂」に出入りするお客さんの心模様を描く中編4本――ふわっとした物語なのだが、文字、インキ、珈琲、外字‥‥技術者としての私がこだわってきた事項がサラリと盛り込まれているオタク本なのである。
世界は森――川越の街の片隅に佇む三日月堂は、店主が亡くなり、しばらく空き家となってきた。孫娘の弓子が戻り、営業を再開する。再開のきっかけとなったのは、三日月堂のオリジナル・レターセット。発注したハルさんが、亡くなったご主人と息子の名前に込めた想いとは――。
私たち夫婦が子どもの名前を付けた時のことを思い出し、年甲斐にもなく、心がジンとなった。印刷会社で仕事したのも、ホームページで技術情報を書いているのも、私が「文字」にこだわりがあったから。
八月のコースター――伯父から珈琲店「桐一葉」を受け継いだ岡野。紙マッチの代わりにショップカードを作ろうと、三日月堂を訪れる。
弓子の台詞「インキです。インクじゃなくて、印刷業界では、インキ、っていうんですよ」を読んで、思わずニヤリ。そう、印刷会社で仕事をしていたときは「インキ」だった。CMYKの4色に特色を加えた5色の世界。
珈琲店というのも懐かしい。チェーン店のマシンが淹れる均質のものではなく、店ごとに味が違った。そして、アイスコーヒーのコースター。私は煙草をやらないので紙マッチとは縁がなかったが、このコースターを集めていたこともあったっけ。
星たちの栞――鈴懸学園の学園祭で、文芸部は三日月堂の弓子を呼び、活版印刷のワークショップを催すことになった。
『銀河鉄道の夜』でジョバンニが印刷屋で働いている話題が出る。1985年のアニメ映画を思い出した。ますむらひろしの絵で、ネコのジョバンニが活字を拾っているシーンが記憶に残る。文芸部員の一人が家庭の悩みを抱えているが、これがジョバンニに重なる。
ひとつだけの活字――弓子と雪乃は銀座にある活字店を訪れる。本文用の活字の大きさは5号という日本独自の単位で、フォントサイズの10.5ポイントに相当する。だからWORDの本文標準は10.5ポイントなのである。そして、フリガナをルビと呼ぶのは、7号(約5.5ポイント)をそう呼んだから。HTMLのタグrubyに受け継がれている。
活字には重さがある。無い文字は、その場で職人が彫って作ったというが、フォントも似たようなものだ。まだJIS第2水準までしかなかった時代、人名・地名に足りない字は、デザイナがPostScript外字を作った。そして、私たちプログラマは、それを表示用ビットマップに変換し、外字コードを割り当てたものである。
雪乃と友明は、1セットしかない平仮名の活字を組み合わせて結婚式の招待状の文面を練る。「八月のコースタ」では俳句が取り上げられたが、こうした制約があるからこそ、逆に、私たち日本人は1つ1つの文字を大切にし、時間をかけて文章を組み立ててきたのではないか。そして、「組版」という独特の印刷文化を築き上げたのである。
世界は森――川越の街の片隅に佇む三日月堂は、店主が亡くなり、しばらく空き家となってきた。孫娘の弓子が戻り、営業を再開する。再開のきっかけとなったのは、三日月堂のオリジナル・レターセット。発注したハルさんが、亡くなったご主人と息子の名前に込めた想いとは――。
私たち夫婦が子どもの名前を付けた時のことを思い出し、年甲斐にもなく、心がジンとなった。印刷会社で仕事したのも、ホームページで技術情報を書いているのも、私が「文字」にこだわりがあったから。
八月のコースター――伯父から珈琲店「桐一葉」を受け継いだ岡野。紙マッチの代わりにショップカードを作ろうと、三日月堂を訪れる。
弓子の台詞「インキです。インクじゃなくて、印刷業界では、インキ、っていうんですよ」を読んで、思わずニヤリ。そう、印刷会社で仕事をしていたときは「インキ」だった。CMYKの4色に特色を加えた5色の世界。
珈琲店というのも懐かしい。チェーン店のマシンが淹れる均質のものではなく、店ごとに味が違った。そして、アイスコーヒーのコースター。私は煙草をやらないので紙マッチとは縁がなかったが、このコースターを集めていたこともあったっけ。
星たちの栞――鈴懸学園の学園祭で、文芸部は三日月堂の弓子を呼び、活版印刷のワークショップを催すことになった。
『銀河鉄道の夜』でジョバンニが印刷屋で働いている話題が出る。1985年のアニメ映画を思い出した。ますむらひろしの絵で、ネコのジョバンニが活字を拾っているシーンが記憶に残る。文芸部員の一人が家庭の悩みを抱えているが、これがジョバンニに重なる。
ひとつだけの活字――弓子と雪乃は銀座にある活字店を訪れる。本文用の活字の大きさは5号という日本独自の単位で、フォントサイズの10.5ポイントに相当する。だからWORDの本文標準は10.5ポイントなのである。そして、フリガナをルビと呼ぶのは、7号(約5.5ポイント)をそう呼んだから。HTMLのタグrubyに受け継がれている。
活字には重さがある。無い文字は、その場で職人が彫って作ったというが、フォントも似たようなものだ。まだJIS第2水準までしかなかった時代、人名・地名に足りない字は、デザイナがPostScript外字を作った。そして、私たちプログラマは、それを表示用ビットマップに変換し、外字コードを割り当てたものである。
雪乃と友明は、1セットしかない平仮名の活字を組み合わせて結婚式の招待状の文面を練る。「八月のコースタ」では俳句が取り上げられたが、こうした制約があるからこそ、逆に、私たち日本人は1つ1つの文字を大切にし、時間をかけて文章を組み立ててきたのではないか。そして、「組版」という独特の印刷文化を築き上げたのである。
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