急死した母の後を継いで、ワインづくりに奮闘する姉・光実と双子の弟・歩の物語。
光実は、ワイナリーを経営していた亡き母に憧れ、母のようになりたいと頑張る「できがよい方の子」。半分プータローの歩は、「できがよくない方の子」。
読み始めは、絵にかいたような歩のヘタレっぷりにイライラさせられたが、実家の農園でぶどうづくりに精を出すうちに、歩はだんだんと成長していく。人生ナメていたはずの歩が、本質をグッとつく言葉を吐くようになる。対照的に、光実の弱さも少しずつ見えてくるようになった。
この対比と、二人の本気のぶつかり合いを描くうえで、双子の姉弟という設定が生きてくる。
姉弟の成長以外にも、情熱を持ってものをつくるということ、その技術を次代に引き継ぐということ、一方で売れるものをつくらなければ商いにならないことなど、考えさせられることが多かった。
個人的には、ワインづくりの細かな描写を興味深く読んだ。 ワインはほとんど飲まないのだが、土をいじって丹精込めて材料を育て、タンクに入れた後も、生き物を飼うかのようにこまめに世話をしなければならないあたり、日本酒と全く同じなのだなと感じた。
平易な文章で書かれているため、将来の進路を考える時期の若者に勧めたい一作。
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月のぶどう 単行本 – 2017/1/11
寺地 はるな
(著)
実家である天瀬ワイナリーを営み発展させてきた母が、突然倒れ、かえらぬ人となった。
優秀で美しい母を目指して生きてきた双子の姉・光実(みつみ)と、二十六歳になっても逃げることばかり考えている弟・歩(あゆむ)は、自分たちを支えてくれていた母を失い、家業を継ぐ決意をする。
デビュー作『ビオレタ』で高い評価を集めた期待の新鋭による、優しい涙がこみあげる感動作。
優秀で美しい母を目指して生きてきた双子の姉・光実(みつみ)と、二十六歳になっても逃げることばかり考えている弟・歩(あゆむ)は、自分たちを支えてくれていた母を失い、家業を継ぐ決意をする。
デビュー作『ビオレタ』で高い評価を集めた期待の新鋭による、優しい涙がこみあげる感動作。
- 本の長さ317ページ
- 言語日本語
- 出版社ポプラ社
- 発売日2017/1/11
- 寸法13.7 x 2.4 x 19.5 cm
- ISBN-104591153347
- ISBN-13978-4591153345
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登録情報
- 出版社 : ポプラ社 (2017/1/11)
- 発売日 : 2017/1/11
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 317ページ
- ISBN-10 : 4591153347
- ISBN-13 : 978-4591153345
- 寸法 : 13.7 x 2.4 x 19.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,039,123位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 226,291位文学・評論 (本)
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トップレビュー
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2019年5月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日常が淡々とつづられているまま、終わってしまう。続編があるように思えるが、この作風であれば、読みたいと感じないだろう。
2021年2月17日に日本でレビュー済み
葡萄の葉っぱ食べる国あるよね…(←自分は嗜好的にダメだったが)。生食いはしてなかったが。品種によって食用になるかならないかはあると思うが
…は、置いといて
好きで、熱意や情熱をもって仕事に取り組む人からみると、「好きでもないけど、適当にやればいいとは思っていない」はやっぱ格下扱いになるのかなあ…自分はどちらかというと「やるぞー!」より「やるべき事をコツコツ」系の質なので、温度高い人が「高熱」を常態とするのは仰ぎ見るが、温度が上下するタイプだと「勘弁してくれ」と思ってしまわんでもない
…故人の「手帳」や「日記」って見ていい物なのか、悪い物なのか、ハタとした
ん~…。調べなくてはならない事は出てくるだろうし、知らなくてはならない事は別として「憤懣袋」の様な物は絶対出てくるだろうし、「おかしなもの」と言うより「自分的に不愉快になる事」も出てくるだろう。素通りさせるのが正解なのか「偲ぶ」方向にAllチェックするのが正解なのか(本書はそっち方向には全然向いてないんだけど)、折角ノッて読んでたトコなのに、しばし中断して思索に耽ってしまった
「出来のいい方」は「それあくまで俺と比べてやからな!」に笑った
…ちなみに、子どもならともかく、いい大人の「体調の変化」は誰かが気付いてあげないといけないんだろうか?
自分で動けない相手なら↑も分かるんだが、病院ってのは「連れてって」あげなきゃならないのか?「付添必要だから遠慮」で言い出せなかったとか「ボケちゃってて何がどうなろうとも本人分かってない」なら罪悪感も湧くかも知れんが…
自分に罰を与える為に広田に落胆と失望を与えるつもりなら、自分が歩だったら「逃避」と指摘するより「激怒」するぞ?
何かケチばっか付けてる感じだが、大変楽しく読んだんです
…は、置いといて
好きで、熱意や情熱をもって仕事に取り組む人からみると、「好きでもないけど、適当にやればいいとは思っていない」はやっぱ格下扱いになるのかなあ…自分はどちらかというと「やるぞー!」より「やるべき事をコツコツ」系の質なので、温度高い人が「高熱」を常態とするのは仰ぎ見るが、温度が上下するタイプだと「勘弁してくれ」と思ってしまわんでもない
…故人の「手帳」や「日記」って見ていい物なのか、悪い物なのか、ハタとした
ん~…。調べなくてはならない事は出てくるだろうし、知らなくてはならない事は別として「憤懣袋」の様な物は絶対出てくるだろうし、「おかしなもの」と言うより「自分的に不愉快になる事」も出てくるだろう。素通りさせるのが正解なのか「偲ぶ」方向にAllチェックするのが正解なのか(本書はそっち方向には全然向いてないんだけど)、折角ノッて読んでたトコなのに、しばし中断して思索に耽ってしまった
「出来のいい方」は「それあくまで俺と比べてやからな!」に笑った
…ちなみに、子どもならともかく、いい大人の「体調の変化」は誰かが気付いてあげないといけないんだろうか?
自分で動けない相手なら↑も分かるんだが、病院ってのは「連れてって」あげなきゃならないのか?「付添必要だから遠慮」で言い出せなかったとか「ボケちゃってて何がどうなろうとも本人分かってない」なら罪悪感も湧くかも知れんが…
自分に罰を与える為に広田に落胆と失望を与えるつもりなら、自分が歩だったら「逃避」と指摘するより「激怒」するぞ?
何かケチばっか付けてる感じだが、大変楽しく読んだんです
2020年6月29日に日本でレビュー済み
インスタで作者のことを知り、タイトルと表紙に惹かれて購入。
しかし私には合いませんでした。
26歳の双子の姉と弟の仲が良すぎること、母親が姉の書いた作文のみ(ワイナリーを継ぐ、と期待通りのことが書かれている)額縁に飾っていることに違和感を覚え、早々に挫折してしまいました。
しかし私には合いませんでした。
26歳の双子の姉と弟の仲が良すぎること、母親が姉の書いた作文のみ(ワイナリーを継ぐ、と期待通りのことが書かれている)額縁に飾っていることに違和感を覚え、早々に挫折してしまいました。
2020年10月13日に日本でレビュー済み
カバーや紹介文からは爽やかな物語みたいな感じがするが、ベテランはパワハラだし若手はいじめてくるし、それがあっけなく終わるし不自然だった。自分の職場ではパワハラやいじめは即座に手が打たれるので、何で上にとがめられないのかとストレスになりながら読んだ。他の人物には共感できるのに残念。