藍青を全巻読んだ方ならご存知でしょうが、葵さんとティナは大親友です。
ティナは、葵さんの優しくて家事なら何でもできるところ、好きな男性に「尽くす」ところに
惹かれ、葵さんはティナの行動力のあるところや周りの人をいつでも楽しませることができるところに
惹かれています。
女性同士の実に美しい友情です。
ティナは大らかで陽気で傍若無人ですが、賢い女性です。
薫をめぐって葵さんと争っても玉砕しかないことを彼女はよく知っています。
そのうえで犬猿の仲(?)の繭ちゃんにセッティングしてもらったうえで
なけなしの度胸を振り絞って薫に告白。
孤独な少女時代を過ごした小学生の校舎で。
「ティナ、オレは…」と告白されて戸惑う薫。
「私は、カオルには、カオルにだけは、フラれたくない。」
彼女のセリフはこう続きますね。
「私が勝手に好きになって私が勝手に諦めるだけだから」
あのセリフは、神セリフであり(私にとって)、そしてあのティナの
泣き笑いは、神シーンです。
あの告白シーン、私は単行本が垢だらけになるほど読みました。
音楽に例えるとR・シュトラウスのばらの騎士第3幕やカプリッチョの月の光の音楽に匹敵するほどの
切なさと美しさですね。
絵柄といいストーリーテリングの上手さといい。
私は男性ですが、去年の12月に絶対に実らない相手に告白しました
むろん玉砕。
その女性は藍青をよく知っている方で、私がティナびいきであることも
よく知っています。
私は手紙でその方に告ったのですが、そこで
己をティナになぞらえ、「この感情は自分で何とか処理します。ティナがそうしたように」と
と結びました。
恋は戦です。
敗けることもあるし、勝つこともあります。
歴史や戦史が好きな方ならご存知でしょうが、戦術で最も難しいのは退却戦です。
恋という戦において己が葵さんに勝てっこないことを知り尽くしているティナは
ドイツ軍アフリカ撤退時のロンメルや、姉川の戦いの秀吉なみの退却戦を見せてくれました。
なみの野郎なんかよりティナはずっと潔くてカッコいい生き方を、そして恋をしましたね。
でも15巻で「私はカオルがまだ諦められない。でもカオルと大家さんが幸せになったら
私の中で気持ちの区切りがつくような気がする。だから絶対に幸せになってよね」と
ティナは桜庭館の台所で涙を流しながら葵さんに言いますよね。
そして完結編たる17巻でめでたく結ばれた薫と結ばれた
葵さんに「大家さん、カオルと結婚するっちゃろ?ならズバッと言うて!」と
快活な表情で言いますよね。
ティナの生き様と、薫への恋心の処理の仕方は本当に素敵ですね。
ちなみに私は、薫が葵さんと夫婦になってからも薫を追いかけることをやめない
「自分の気持ちに絶対に嘘をついたり裏切ったりしない」繭ちゃんも大好きです。
屋台の飲み屋でおでんを食いながらあの犬猿の仲のティナと繭ちゃんが
乾杯するシーンもR・シュトラウス的な美しさですね。
藍青に最初にアニメでハマった時は葵さん一辺倒で、
次に責任感が服を着て歩いているようで、普段は厳しいけれど
根は優しい雅さんに萌え、次は恋は戦だということを教えてくれたティナと
(積極的攻勢主義の戦を止めない)繭ちゃんに惹かれました。
藍青の女性陣の半分近くにハマってますね(笑)。
司馬さんの坂の上の雲は私のバイブルであり、
真之さんと広瀬さんの、あるいは児玉さんと乃木さんの友情は
原作でもドラマでも好きなのですが、
男同士の友情の美しさを教えてくれる作品が坂の上なら
女性同士の友情の美しさを教えてくれる作品が私にとっては藍青かもしれません。
とにかく薫君への長い長い片思いを見事卒業したティナに拍手ですね。
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藍より青し 14 (ジェッツコミックス) コミック – 2004/9/29
文月 晃
(著)
- 本の長さ182ページ
- 言語日本語
- 出版社白泉社
- 発売日2004/9/29
- ISBN-104592134443
- ISBN-13978-4592134442
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登録情報
- 出版社 : 白泉社 (2004/9/29)
- 発売日 : 2004/9/29
- 言語 : 日本語
- コミック : 182ページ
- ISBN-10 : 4592134443
- ISBN-13 : 978-4592134442
- Amazon 売れ筋ランキング: - 5,792位漫画・アニメ・BL(イラスト集・オフィシャルブック)
- - 382,319位コミック
- カスタマーレビュー:
著者について
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上位レビュー、対象国: 日本
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2014年10月7日に日本でレビュー済み
2004年10月1日に日本でレビュー済み
前巻から続いてたティナのストーリーが一段落。
なんだけど、しばらくティナに薫を取られてた葵ちゃんの甘えっぷり、スネっぷりが可愛くてたまらない。
恋人と二人っきりだと、普段とは違う甘甘の恥ずかしいことしてしまえる、という恋人独特の雰囲気、良く出てますよぉ。
読んでるほうが恥ずかしい。
そして肝心の本筋のストーリがようやく動き始めそう…な一コマで、この巻最後の話は全然別の話ですか。番組のいいとこでCMが入る気分です。(^^;)
もっとも、これのオチがかなり笑えたので、それはそれで良かったです。
なんだけど、しばらくティナに薫を取られてた葵ちゃんの甘えっぷり、スネっぷりが可愛くてたまらない。
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そして肝心の本筋のストーリがようやく動き始めそう…な一コマで、この巻最後の話は全然別の話ですか。番組のいいとこでCMが入る気分です。(^^;)
もっとも、これのオチがかなり笑えたので、それはそれで良かったです。
2004年10月23日に日本でレビュー済み
私は主人公、花菱馨の、ひたむきで、本当に自分に大事なひと、を自分の力で守ろうとする姿に心打たれました。ここまでの純粋な恋愛を描いたマンガはそうはないでしょう。ちなみに私の好きなキャラはティナです。