結論から言うと、この本を僕はワンダー本編以上に好きかもしれません。ワンダー本編を読んだ人には是非こちらの本もお勧めしたいと思います。ワンダー本編の方は、そちらの感想に書いたのですが、非常に機能的に書かれた本だと感じました。その各章はそれぞれ新たな視点の気づきを読者に与えるために書かれたというのが読んでいてわかる気がしました。そして、起こしたいその気付きが多いため、結構盛り沢山に詰め込まれていたのだと思います(映画版はそれ以上にぎゅうぎゅうでしたが)。それに対して、こちらの本は、こちらも基本的にはそれぞれのキャラクターを通して気づきを与えたいという意図は作者にあるものと思いますが、1冊で3人のキャラクターしかとりあげなかったこともあって余裕があり、キャラクターの生きている様子を描くというところにより多くのウェイトが置かれているように感じました。お話にあそびや肉付けがあるのか、なんだかじんわりとした温かみを感じました。
ワンダー本編は複数人の視点から描かれているとは言っても、外見が普通ではない少年オギーを中心とした物語で、それぞれのキャラクターのエピソードはオギーに関するものばかりでしたが、本書ではそうではありません。本書の3章はそれぞれジュリアン、クリストファー、シャーロットという3人の脇役を主役に描かれていて、オギーはほとんど登場しません。オギーとはまったく無関係なエピソードがかなりの割合を占めます。そのことは、オギーという「特別な子」はまわりに影響を及ぼすけれどもそれは普通の子がほかの子の生活に影響を及ぼすのとそんなに違うことではなくて、他の子の生活には他にもいろいろなことがあってオギーはいわば脇役にすぎない、ということを思い出させ、オギーがやはり普通に一人の子供でしかないことを自然な形で読者にしみ込ませます。つまり本書ではオギーはますます特別ではないんです。
3人の章はそれぞれまったく違うお話で、それぞれ面白かったのですが、読む前からどんなお話なのかとても気になったのはジュリアンの章です。というのは、ジュリアンは本編でオギーを最後までいじめていた言わば悪役の子だからです。いじめっ子の一人称視点は一体どのように描かれるのでしょう。そして、彼は改心するのでしょうか。ネタバレしないようにここでは明かしませんが、それを明らかにするこの物語は安易ではなく、僕には納得感があるものでした。そうか、そういう気持ちがいじめっ子の彼の根っこにはあったんだね、と子供と話し合ったりしました。シャーロットという子は本編で出番がそんなに多くなく、映画版では出番が多くない割りにその出番でちょっと極端に描かれていたので、本編を読んで映画版を見てから本書に来た僕らは、映画版のイメージが抜けず、少し混乱することになりました。映画版のシャーロットはちょっと忘れるようにした方がいいと思います。それはともかく僕がなんとなくいちばんほっこりしたのはシャーロットの章でしたね。
小学生の子への読み聞かせに読みましたが、彼の感想は「ワンダーよりも細かいことが書かれていた。いろいろな物の見方を教えてくれた気がする。これからもずっと役に立つ本な気がする」とのことでした。
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もうひとつのワンダー 単行本 – 2017/7/20
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いじめっ子のジュリアン、オーガストの幼なじみのクリストファー、優等生のシャーロットの3人の視点から語られる「もうひとつのワンダー・ストーリー」。この本の中ではオギーは脇役であり、オギーとの出会いによってそれぞれがどのように影響を受けて変化していったかを描いています。冒頭には、続編は書かないつもりでいた著者が『ワンダー』刊行後に米国で起こった「ジュリアンになるな」運動に違和感を持ち、本作を書くことにした経緯がつづられています。
- 本の長さ400ページ
- 言語日本語
- 出版社ほるぷ出版
- 発売日2017/7/20
- 寸法21 x 15 x 3 cm
- ISBN-104593535220
- ISBN-13978-4593535224
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商品の説明
出版社からのコメント
「続編は書かない」と言っていた作者がこの作品を書いた理由、それは米国で「いじめっ子ジュリアンになるな」という運動が起こってしまったから。「ジュリアンには、ジュリアンが語るべき物語がある」という作者は、「ジュリアンをもっと理解するために」この物語を書きました。
本書は、「いじめっ子」ジュリアン、幼い頃からオーガストのそばにいた幼なじみのクリストファー、学校の案内役になった優等生の女の子シャーロットの、3人の「ふつうの子」による、それぞれのワンダー・ストーリーです。
本書は、「いじめっ子」ジュリアン、幼い頃からオーガストのそばにいた幼なじみのクリストファー、学校の案内役になった優等生の女の子シャーロットの、3人の「ふつうの子」による、それぞれのワンダー・ストーリーです。
著者について
【R・J・パラシオ】 アメリカの作家。前作『ワンダー』でデビューし、全世界600万部のベストセラーとなる。アメリカの出版社で、長年アートディレクター、本のデザイナー、編集者として多くの本を担当してきた。現在は、夫と二人の息子、二匹の犬とニューヨーク市に住んでいる。
【中井はるの】 外資系企業勤務を経てフリーの翻訳家となり、出産以後は児童文学の翻訳に携わるようになる。2013年、『木の葉のホームワーク』(ケイト・メスナー)の訳で第60回産経児童出版文化賞翻訳作品賞受賞。他の翻訳作品に「グレッグのダメ日記」シリーズ(ポプラ社)、『ワンダー』(ほるぷ出版)など。
【中井はるの】 外資系企業勤務を経てフリーの翻訳家となり、出産以後は児童文学の翻訳に携わるようになる。2013年、『木の葉のホームワーク』(ケイト・メスナー)の訳で第60回産経児童出版文化賞翻訳作品賞受賞。他の翻訳作品に「グレッグのダメ日記」シリーズ(ポプラ社)、『ワンダー』(ほるぷ出版)など。
登録情報
- 出版社 : ほるぷ出版 (2017/7/20)
- 発売日 : 2017/7/20
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 400ページ
- ISBN-10 : 4593535220
- ISBN-13 : 978-4593535224
- 寸法 : 21 x 15 x 3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 91,390位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 415位童話・こどもの文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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グレッグのダメ日記,ワンダー,ちっちゃなサリーはみていたよ,アナと雪の女王,ケイト・ミドルトン,難民になったねこクンクーシュ,子どもを守る言葉「同意」って何?,よるのあいだに… , ビアトリクス・ポター物語 等100冊以上 子どもの本の翻訳と、創作 Pen Club,JBBY,Beatrix Potter Society,イギリス王王室研究
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年10月16日に日本でレビュー済み
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2019年7月1日に日本でレビュー済み
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面白かったです。
普段は文庫本しか買わないのですが、買ってよかったです。
お勧めできる一品です。
普段は文庫本しか買わないのですが、買ってよかったです。
お勧めできる一品です。
2017年8月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
前作「WONDER」の主人公オギーを取り巻く登場人物たちの、3つのサイドストーリー。
丁寧にアメリカのティーンたちの気持ちの変化や成長を描いている。とてもよかった。
小中学生が読んでとても共感できると思うしお勧め。子どもの成長を見守る親や教師たちにもぜひ読んでほしい。
「WONDER」を気に入ってた小6の姪っ子のために購入したのだけど、本人すでに待ち切れず発売と同時に買って読んでしまったとのこと。
私は、原書のペーパーバックを先に買って、Julianの章を少しずつ読み進めていたので、今回和訳を読んで泣いて、改めて英語で読み直してまた泣いた。
丁寧にアメリカのティーンたちの気持ちの変化や成長を描いている。とてもよかった。
小中学生が読んでとても共感できると思うしお勧め。子どもの成長を見守る親や教師たちにもぜひ読んでほしい。
「WONDER」を気に入ってた小6の姪っ子のために購入したのだけど、本人すでに待ち切れず発売と同時に買って読んでしまったとのこと。
私は、原書のペーパーバックを先に買って、Julianの章を少しずつ読み進めていたので、今回和訳を読んで泣いて、改めて英語で読み直してまた泣いた。
2017年7月21日に日本でレビュー済み
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前作ワンダーも傑作でしたが、こんなにも人間の愚かさと温かさを同時に感じられる作品に出会い、涙が止まりません。どんな人間にも、根底には良心が備わっていると信じたい。少なくとも、自分はそうありたいと、強く思いました。
2022年6月18日に日本でレビュー済み
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少し予算を上げて「非常に良い」というレベルの中古本を購入しましたが、「良い」レベルの商品が届き少し残念でした。
ほしい本が定価よりは少し安く購入できたことは良かったです。
ほしい本が定価よりは少し安く購入できたことは良かったです。
2020年9月13日に日本でレビュー済み
ワンダーが素晴らしい本だったので、こちらも読んでみました。嘘じゃなく泣けます。
特に最初のジュリアンの章。本国ではワンダーのヒット後、”Don’t be a Julian” ムーブメントも起きたとか。本当に嫌な奴でしかなかった彼が、フランスの祖母の家で祖母の壮絶な体験を聞き…、まあ、読めばわかります。
思ったことは、特に人との関わりにおいては自分の目に見えてるものが全てじゃないし特に子供は発達途上で正邪併せ持つのであるから、それをわかった大人が如何に関わるのかが大事なんだなってこと。ジュリアンのおばあちゃんが素敵すぎます。
特に最初のジュリアンの章。本国ではワンダーのヒット後、”Don’t be a Julian” ムーブメントも起きたとか。本当に嫌な奴でしかなかった彼が、フランスの祖母の家で祖母の壮絶な体験を聞き…、まあ、読めばわかります。
思ったことは、特に人との関わりにおいては自分の目に見えてるものが全てじゃないし特に子供は発達途上で正邪併せ持つのであるから、それをわかった大人が如何に関わるのかが大事なんだなってこと。ジュリアンのおばあちゃんが素敵すぎます。
2017年10月17日に日本でレビュー済み
前作WONDERでオギーと関わりがあった3人のふつうの子の視点から描かれたもうひとつのWONDERの世界。
どの話もおもしろく最後まで一気読みした。ふつうの子たちが抱える友達付き合い、親との確執、思いやりといった苦悩が丁寧に描かれていた。
3人に共通していたのは、人に親切にすること、人の気持ちを考えることの重要性をどう学んでいくのかということ。オギーとの出会いによってふつうの子たちにどのような変化が起こったのか興味深く読んだ。
以下、個人的に特に印象に残った言葉を抜粋した。
おばあちゃんがジュリアンに話した言葉
「人生のすばらしさはね、ときにまちがいを正せるってことなんだ。あやまちから学ぶ。そして、よりよい自分になるんだ。」
クリストファーのお母さんがクリストファーに話した言葉
「親友が助けてほしいときは、できるかぎりのことをするものでしょ?都合のいいときだけ友だちってわけにはいかないわ。いい友だちは、ちょっとよけいに苦労するだけの価値があるのよ」
トゥシュマン先生がシャーロットに話した言葉
「やさしく接するというのは、親切な行いの第一歩だよ。とてもよいスタートだ。君はじつにすばらしいと思うよ」
どの話もおもしろく最後まで一気読みした。ふつうの子たちが抱える友達付き合い、親との確執、思いやりといった苦悩が丁寧に描かれていた。
3人に共通していたのは、人に親切にすること、人の気持ちを考えることの重要性をどう学んでいくのかということ。オギーとの出会いによってふつうの子たちにどのような変化が起こったのか興味深く読んだ。
以下、個人的に特に印象に残った言葉を抜粋した。
おばあちゃんがジュリアンに話した言葉
「人生のすばらしさはね、ときにまちがいを正せるってことなんだ。あやまちから学ぶ。そして、よりよい自分になるんだ。」
クリストファーのお母さんがクリストファーに話した言葉
「親友が助けてほしいときは、できるかぎりのことをするものでしょ?都合のいいときだけ友だちってわけにはいかないわ。いい友だちは、ちょっとよけいに苦労するだけの価値があるのよ」
トゥシュマン先生がシャーロットに話した言葉
「やさしく接するというのは、親切な行いの第一歩だよ。とてもよいスタートだ。君はじつにすばらしいと思うよ」
2018年3月22日に日本でレビュー済み
ワンダーを読み、号泣。深く考えさせられました。
そして偶然こちらの作品を知り、一気に読破しました。
ジュリアンを主役にした、もうひとつのワンダー。
感動して、打ちのめされました。
ジュリアンのおばあちゃんの話、とても素晴らしかった。
クリストファー、シャーロットの話も共に考えさせられ、
思春期の揺れ動く微妙な感情に、昔を懐かしく思い返しました。
シャーロットが、ヒメナの「スカーフを外す」という表現が好き。
そして、いつもスカーフなんてしていない、生きるのに不器用なマヤ。憎めない。
サマーは、最初から最後まで天使みたいな子でした。
こんな子がクラスにいたら、きっと救われる子は多いだろうな。
そして偶然こちらの作品を知り、一気に読破しました。
ジュリアンを主役にした、もうひとつのワンダー。
感動して、打ちのめされました。
ジュリアンのおばあちゃんの話、とても素晴らしかった。
クリストファー、シャーロットの話も共に考えさせられ、
思春期の揺れ動く微妙な感情に、昔を懐かしく思い返しました。
シャーロットが、ヒメナの「スカーフを外す」という表現が好き。
そして、いつもスカーフなんてしていない、生きるのに不器用なマヤ。憎めない。
サマーは、最初から最後まで天使みたいな子でした。
こんな子がクラスにいたら、きっと救われる子は多いだろうな。