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なめくじに聞いてみろ (扶桑社文庫 S 2-1) 文庫 – 2000/10/1
都筑 道夫
(著)
タフでクールでナンセンス
かつて、『殺人狂時代』のタイトルで映画化されたコミカルアクションの金字塔。
かつて、『殺人狂時代』のタイトルで映画化されたコミカルアクションの金字塔。
- 本の長さ531ページ
- 言語日本語
- 出版社扶桑社
- 発売日2000/10/1
- ISBN-104594029949
- ISBN-13978-4594029944
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登録情報
- 出版社 : 扶桑社 (2000/10/1)
- 発売日 : 2000/10/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 531ページ
- ISBN-10 : 4594029949
- ISBN-13 : 978-4594029944
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,064,515位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 365位扶桑社文庫
- - 24,372位日本文学
- - 96,808位エンターテイメント (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年3月28日に日本でレビュー済み
500頁を超える長編と思いきや、13章から成る短篇連作といった趣き。各章ごとに趣向を凝らした殺人方法の殺し屋が登場して、それを主人公・桔梗信治が退治していくという話。007の小道具みたいな、荒唐無稽な殺人道具を駆使したり、一筋縄でいかない殺人方法と、それに対抗する桔梗信治の機知が楽しめる。何より、殺し屋バスターの桔梗をはじめ、それを助ける大友ビル、お竜さん、鶴巻女史といったレギュラー陣がいい感じ。各章もそれとなくつながっているので、どんどん読めてしまう。本の帯に、本格推理+活劇小説の最高峰とか、活字のジェットコースターなどとあるが、自分はそういう絢爛な小説とはちょっと違う印象。なんとなく、ヘンテコで面白い、昭和のエンタテインメント小説!!というのが私のキャッチコピーでしょうか。本書は、2021年に装丁、本文組みを変えた新装版で、たいへん読みやすい。解説は、映画化作品「殺人狂時代」を監督した岡本喜八さんです。
2019年11月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
裏づけはとっていませんが、もともとは雑誌連載だったようです。
そのためか、最初と終わりのほうでは雰囲気が変わっているように思いますが、面白さを損ねるほどではないと思います。
ストーリーの骨子はいたってシンプルで、変わった道具を使う殺し屋と主人公の対決が続くというものです。単調にならないように、いろいろと工夫がしてありますが、一番の読みどころは殺し屋たちの風変わりな殺し方でしょうか。
いまと風俗が大分異なる、一昔も、二昔も前の物語ですが、却ってこれくらい時代が開いたほうが、戦後というには時間が経っていて、でもいまとは大分様子の異なる昭和の時代を偲ばせるこの物語を楽しめるのではないでしょうか。
そのためか、最初と終わりのほうでは雰囲気が変わっているように思いますが、面白さを損ねるほどではないと思います。
ストーリーの骨子はいたってシンプルで、変わった道具を使う殺し屋と主人公の対決が続くというものです。単調にならないように、いろいろと工夫がしてありますが、一番の読みどころは殺し屋たちの風変わりな殺し方でしょうか。
いまと風俗が大分異なる、一昔も、二昔も前の物語ですが、却ってこれくらい時代が開いたほうが、戦後というには時間が経っていて、でもいまとは大分様子の異なる昭和の時代を偲ばせるこの物語を楽しめるのではないでしょうか。
2011年6月20日に日本でレビュー済み
著者のアクションものは、「暗殺教程」でも同様だが、実にヴィジュアルで、かつスピーディーである。
本作は連作短編集という、同じ主人公が、次々と違う相手との対戦を繰り返していく、という体裁のものである。
その相手が、それぞれの必殺技を有する暗殺者集団である。
ということは、その必殺技をいかにして破るか、というのが読みどころとなる。
そう、主人公が負けるわけがないのだから。
そして、この手のストーリーの典型として、相手の技はどんどんとインフレする。
つまり、どんどん相手は手強くなる、という必然の設定となる。
だから後半では、主人公が何度も負けそうになったりする。
そこに、スリルがある。
タイトルに、そう深い意味があるわけではない。
しかし、このタイトルは、一度聞いたら忘れられないであろう。
かつて東都ミステリーでの刊行に際して、「飢えた遺産」というタイトルに変更された。
確かに、内容を良く表すタイトルではあるが、印象には残り難い。
「なめくじ〜」のほうが、ずっと印象深いし、のちの「なめくじ長屋」とも重なる。
特に関連はないのだが。
かつての日活アクション映画を思わせるような、お気楽アクションものである。
東宝で映画化されたが、上出来ではなかった。
著者の作品の映像化は、実は大変むずかしい。
「なめくじ長屋」の2時間ドラマ版、「雪崩蓮太郎」の1時間ものなど、いくつか見たことがあるが、いずれも今ひとつの出来だった。
そのくらい、著者の作品には観念的な描写があるということだ。
だが、本作はアクションものだけに、その手の描写は少ない。
気楽に読める作品である。
この「昭和ミステリ秘宝」版が直近の版なのだが、それでも入手は難しいだろう。
再刊されて、広く読まれてほしい作品である。
本作は連作短編集という、同じ主人公が、次々と違う相手との対戦を繰り返していく、という体裁のものである。
その相手が、それぞれの必殺技を有する暗殺者集団である。
ということは、その必殺技をいかにして破るか、というのが読みどころとなる。
そう、主人公が負けるわけがないのだから。
そして、この手のストーリーの典型として、相手の技はどんどんとインフレする。
つまり、どんどん相手は手強くなる、という必然の設定となる。
だから後半では、主人公が何度も負けそうになったりする。
そこに、スリルがある。
タイトルに、そう深い意味があるわけではない。
しかし、このタイトルは、一度聞いたら忘れられないであろう。
かつて東都ミステリーでの刊行に際して、「飢えた遺産」というタイトルに変更された。
確かに、内容を良く表すタイトルではあるが、印象には残り難い。
「なめくじ〜」のほうが、ずっと印象深いし、のちの「なめくじ長屋」とも重なる。
特に関連はないのだが。
かつての日活アクション映画を思わせるような、お気楽アクションものである。
東宝で映画化されたが、上出来ではなかった。
著者の作品の映像化は、実は大変むずかしい。
「なめくじ長屋」の2時間ドラマ版、「雪崩蓮太郎」の1時間ものなど、いくつか見たことがあるが、いずれも今ひとつの出来だった。
そのくらい、著者の作品には観念的な描写があるということだ。
だが、本作はアクションものだけに、その手の描写は少ない。
気楽に読める作品である。
この「昭和ミステリ秘宝」版が直近の版なのだが、それでも入手は難しいだろう。
再刊されて、広く読まれてほしい作品である。
2022年3月6日に日本でレビュー済み
1979年に刊行されたものを、本文組みなど行い新装版として刊行されたものです。
天才科学者の父親が育てた殺し屋を、父亡き後、息子が順々に殺していくという、如何にもエンターテインメントたっぷりのアクション小説。
とにかく細かいことは気にしないで、繰り広げられる主人公や殺し屋たちの奮闘ぶりややり取りを楽しめるかどうかで評価が分かれるところです。
ちなみに帯などに本格推理とありますが、論理的な推理といった類のことではありません。
天才科学者の父親が育てた殺し屋を、父亡き後、息子が順々に殺していくという、如何にもエンターテインメントたっぷりのアクション小説。
とにかく細かいことは気にしないで、繰り広げられる主人公や殺し屋たちの奮闘ぶりややり取りを楽しめるかどうかで評価が分かれるところです。
ちなみに帯などに本格推理とありますが、論理的な推理といった類のことではありません。
2015年8月13日に日本でレビュー済み
岡本喜八監督が作ったカルトムービー「殺人狂時代」(1967年)の原作小説です。しかし、「殺人狂時代」が好きだから、ついでに原作の方も読んでおくか、程度の軽い気持ちで手に取ったりすると、ヒドい目にあってしまうでしょう。
つまらないからじゃなくて、「殺人狂時代」に負けないぐらい面白すぎるからです。(以下、ネタばれ全開)
まず、映画ではあっさり倒されていった殺し屋たちが、一章一人のペースで登場し、そのアクの強いキャラや殺人テクニックがたっぷり描写されている点に引き込まれます。映画オリジナルの設定かと思われた大日本人口調節審議会や溝呂木博士も中盤からきちんと登場した時は、をを!と声を出してしまうはずです。しかし、何よりも映画ファンにショックなのは、小説のみ登場の女スリ・佐原竜子の存在でしょう。なぜ、このキャラも映像化してくれなかったのだ、と思わされてしまうこと間違いなしです。
映画では未使用の殺人テクニック(農薬カプセルや闇凧など)も拝めます。大ボス(溝呂木博士)のあと、ラスボスもいる事は、映画を観ていたら、すでに分かっていますので、そのへんの展開は新鮮に楽しめないかもしれませんが、代わりに、小説では、ラスボスのあとに、さらに、あのブルッケンマイヤーが、まさかの裏ボスとして参戦してきますので、最後まで意外性に驚かされながらは読めるかもしれません。
私は、この原作を読んでから、「殺人狂時代」は拝見しました。原作の面白さを知っていながらも、映画の方も全く見劣りは感じませんでした。原作小説、映画、ともに最高傑作です。
つまらないからじゃなくて、「殺人狂時代」に負けないぐらい面白すぎるからです。(以下、ネタばれ全開)
まず、映画ではあっさり倒されていった殺し屋たちが、一章一人のペースで登場し、そのアクの強いキャラや殺人テクニックがたっぷり描写されている点に引き込まれます。映画オリジナルの設定かと思われた大日本人口調節審議会や溝呂木博士も中盤からきちんと登場した時は、をを!と声を出してしまうはずです。しかし、何よりも映画ファンにショックなのは、小説のみ登場の女スリ・佐原竜子の存在でしょう。なぜ、このキャラも映像化してくれなかったのだ、と思わされてしまうこと間違いなしです。
映画では未使用の殺人テクニック(農薬カプセルや闇凧など)も拝めます。大ボス(溝呂木博士)のあと、ラスボスもいる事は、映画を観ていたら、すでに分かっていますので、そのへんの展開は新鮮に楽しめないかもしれませんが、代わりに、小説では、ラスボスのあとに、さらに、あのブルッケンマイヤーが、まさかの裏ボスとして参戦してきますので、最後まで意外性に驚かされながらは読めるかもしれません。
私は、この原作を読んでから、「殺人狂時代」は拝見しました。原作の面白さを知っていながらも、映画の方も全く見劣りは感じませんでした。原作小説、映画、ともに最高傑作です。
2005年4月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ハードボイルド・エンターテイメント・ミステリーといえるような粋で楽しい小説。桔梗のタフガイぶりや大友の子分ぶり、竜子や啓子のボンドガールぶりが回を重ねるごとに板についてくる。
内容もさることながら、昭和の雰囲気や描写がよくでていて、どことなくノスタルジーを感じさせてくれる。
昭和ミステリ秘宝シリーズにはもっとこのような埋もれてしまった昭和の名作を発掘して欲しい。
内容もさることながら、昭和の雰囲気や描写がよくでていて、どことなくノスタルジーを感じさせてくれる。
昭和ミステリ秘宝シリーズにはもっとこのような埋もれてしまった昭和の名作を発掘して欲しい。
2020年8月25日に日本でレビュー済み
すみません。人に進められて小説書きの勉強のために読んでみたのですが、私には面白さが全く分かりませんでした。
ただ、昭和のアクション小説の名作として高い評価を得て映画化もされているということなので、多くの方がこの話に惹き込まれたということであり、その点をきちんと学んで自作の改善に反映したいと考えています。
私がピンと来なかったのは、荒唐無稽さというこの小説最大の魅力が私にとってはアレルギーでしかなかったからだと思います。殺人の通信教育というナンセンス設定で、父の教え子を殺すと言われても「はあ、勝手にやれば」と全く感情移入できませんでした。街角で偶然出会った人に殺し屋はどこにいるかと尋ねて、ここにいるよとすぐに教えてもらえるというご都合主義も肌に合いません。そういうもんだとスルーしながら読むのが正しい読み方なのでしょうが、そこで引いてしまったので、後はダメでした。
それから、キャラ造形の弱さ(桔梗信治は最初はボーっとしている感じなのに後半は男前で戸惑いました)、なぜ勝ってなぜ負けたのか理由が不明確なことが多く、桔梗信治の強さをいまいち実感しきれない点、説明が足らず、勝負の場の一瞬の交錯で何が起こったのかよく分からないことが多かったことなど、挙げればキリがないのですが……
それでも名作ってことになってるんだよなぁ! これが面白いって人がたくさんいるんですよね!
私はどんな小説を書けばいいんだろう?
ただ、昭和のアクション小説の名作として高い評価を得て映画化もされているということなので、多くの方がこの話に惹き込まれたということであり、その点をきちんと学んで自作の改善に反映したいと考えています。
私がピンと来なかったのは、荒唐無稽さというこの小説最大の魅力が私にとってはアレルギーでしかなかったからだと思います。殺人の通信教育というナンセンス設定で、父の教え子を殺すと言われても「はあ、勝手にやれば」と全く感情移入できませんでした。街角で偶然出会った人に殺し屋はどこにいるかと尋ねて、ここにいるよとすぐに教えてもらえるというご都合主義も肌に合いません。そういうもんだとスルーしながら読むのが正しい読み方なのでしょうが、そこで引いてしまったので、後はダメでした。
それから、キャラ造形の弱さ(桔梗信治は最初はボーっとしている感じなのに後半は男前で戸惑いました)、なぜ勝ってなぜ負けたのか理由が不明確なことが多く、桔梗信治の強さをいまいち実感しきれない点、説明が足らず、勝負の場の一瞬の交錯で何が起こったのかよく分からないことが多かったことなど、挙げればキリがないのですが……
それでも名作ってことになってるんだよなぁ! これが面白いって人がたくさんいるんですよね!
私はどんな小説を書けばいいんだろう?