公認会計士版、Dr.コトーとも言うべき一冊。
リズミカルなテンポで進むストーリーが、読んでいる側を書の中の
「奄美の世界」へ引き込んでいく魅力がある。
信念と現実のギャップから「アルコール依存症」に至る経緯は壮絶だが、
「アルコール依存症」の過去をカミングアウトする勇気と、そこからの
脱出にも潔さを感じる。
読後は、リスペクト!の念を非常に感じたのと同時に、自らの使命を
考えさせられた。
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南の島のたったひとりの会計士 単行本 – 2006/11/1
屋宮 久光
(著)
生まれ故郷の南の島・奄美大島に公認会計士の彼が帰ってきた。
上場企業がまったくないこの島で、会計や経理の考え方を普及させ、地方経済を
活性化させようと一念発起してのこと。
しかし、帳簿すらつけたことのない人たちあいてに孤軍奮闘の日々が続く。
そんなある日、公認会計士のキャリアを揺るがすような大事件が勃発。
上場企業がまったくないこの島で、会計や経理の考え方を普及させ、地方経済を
活性化させようと一念発起してのこと。
しかし、帳簿すらつけたことのない人たちあいてに孤軍奮闘の日々が続く。
そんなある日、公認会計士のキャリアを揺るがすような大事件が勃発。
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社扶桑社
- 発売日2006/11/1
- ISBN-104594052533
- ISBN-13978-4594052539
商品の説明
著者からのコメント
解説より
プロフェショナルが異種格闘技をするとどうなるか?
山田真哉(公認会計士・代表作「さおだけ屋はな潰れないのか?」)
以下 抜粋
本書の最後の頁を閉じたとき、私は、公認会計士VS奄美大島とい
う、大きな試合を観終えたような爽快さを感じました。
観戦中、私はずっと興奮していました。
この異種格闘技戦は、い ったいどちらが勝つだろうと、はらはらしていました。
まったく先が読めなかったのです。
屋宮さんは、前半のラウンドで懸命に戦うものの、残念ながら一 度ダウン。
それから復活して、敵を追い込んだものの、最後には、勝つか負けるかの微妙な判定。
私が見たところ、引き分け再試合です。
けれど、勝敗がまだ決定していないからこそ、次の試合がまた見
たくなります。
私は、格闘技の場合、次が見たくなる試合が良い試合だと思うの
で、この試合は、申し分なく楽しむことができました。
そして、屋宮さんには、ぜひ、この闘いがどうなったのか、続き
を読ませてほしいとお願いせずにはいられません。
そして、できれば、その試合では、胸のすくようなKO勝利を、期
待しています。
プロフェショナルが異種格闘技をするとどうなるか?
山田真哉(公認会計士・代表作「さおだけ屋はな潰れないのか?」)
以下 抜粋
本書の最後の頁を閉じたとき、私は、公認会計士VS奄美大島とい
う、大きな試合を観終えたような爽快さを感じました。
観戦中、私はずっと興奮していました。
この異種格闘技戦は、い ったいどちらが勝つだろうと、はらはらしていました。
まったく先が読めなかったのです。
屋宮さんは、前半のラウンドで懸命に戦うものの、残念ながら一 度ダウン。
それから復活して、敵を追い込んだものの、最後には、勝つか負けるかの微妙な判定。
私が見たところ、引き分け再試合です。
けれど、勝敗がまだ決定していないからこそ、次の試合がまた見
たくなります。
私は、格闘技の場合、次が見たくなる試合が良い試合だと思うの
で、この試合は、申し分なく楽しむことができました。
そして、屋宮さんには、ぜひ、この闘いがどうなったのか、続き
を読ませてほしいとお願いせずにはいられません。
そして、できれば、その試合では、胸のすくようなKO勝利を、期
待しています。
著者について
1962年鹿児島県奄美大島生まれ。
公認会計士・税理士・経営コンサルタント。
金久中学校卒業まで島で育ち、高校は本土鹿児島市内の錦江湾高校に進学。慶応
義塾大学経済学部卒業。
公認会計士2次試験合格後、朝日監査法人福岡事務所入所。
4年後、故郷奄美大島で独立。屋宮公認会計士・税理士事務所開業。
2浪2留、果ては大学在学中に電車に轢かれる。
独立後にアルコール依存症になるも克服などその人生は波乱万丈。
現在、奄美大島の雄大な自然を背景に、毎日20kmのランニングと1日1冊のビジネ
ス書読破を日課とし、ターゲットコンダクター(目標達成請負人)の名のもとマー
ケティング、税務・会計のみならず自己啓発に及ぶまで各種企業の指南役として
講演、コンサルティング等で東奔西走中。
公認会計士・税理士・経営コンサルタント。
金久中学校卒業まで島で育ち、高校は本土鹿児島市内の錦江湾高校に進学。慶応
義塾大学経済学部卒業。
公認会計士2次試験合格後、朝日監査法人福岡事務所入所。
4年後、故郷奄美大島で独立。屋宮公認会計士・税理士事務所開業。
2浪2留、果ては大学在学中に電車に轢かれる。
独立後にアルコール依存症になるも克服などその人生は波乱万丈。
現在、奄美大島の雄大な自然を背景に、毎日20kmのランニングと1日1冊のビジネ
ス書読破を日課とし、ターゲットコンダクター(目標達成請負人)の名のもとマー
ケティング、税務・会計のみならず自己啓発に及ぶまで各種企業の指南役として
講演、コンサルティング等で東奔西走中。
登録情報
- 出版社 : 扶桑社 (2006/11/1)
- 発売日 : 2006/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 224ページ
- ISBN-10 : 4594052533
- ISBN-13 : 978-4594052539
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,044,602位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 59,013位投資・金融・会社経営 (本)
- - 94,700位ビジネス・経済 (本)
- - 145,901位ノンフィクション (本)
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著者について
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トップレビュー
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2006年12月11日に日本でレビュー済み
自慢話のような本かなぁとおもいながら、夜寝る前に数頁のつもりで読み始めました。そしてそのまま一気に読み切ってしまいました。
面白い!
何が面白いかというと、著者が、自分の生まれ育った島の人々に苛立ちながら、もがき苦しみ、試行錯誤の結果、一足飛びに島の人を変えようとするのではなく、まず自分を変える。そしてこの本の最後では島の人と一つになって嵐の夜、一つの作業を完成させるという、著者の変化の過程が赤裸々に書かれていた点です。
目に見えないサービスに相談料を払おうとしない人。国からのお金をあてにする態度に苛立ち、やがては自身もアルコール中毒になってしまう。
しかし自分も落ちるところまで落ちたと、立ち上がり、単に不適切な点を指摘するだけのアドバイスでは不十分だったのではないかと思い至り、「クリエイティブ」な相談業務を模索していく著者。ビジネス書等の読書にのめり込み思索は早朝のジョギング時に行う。
なんだかんだいいながら、最初から最後まで、島や島の人々に対する著者の愛情が貫かれている点で心温まる小説を読み終えたような読了感でした。
出来れば島の地図などを入れて欲しかったと思います。この点編集に対する不満から★一つ減らしました。
面白い!
何が面白いかというと、著者が、自分の生まれ育った島の人々に苛立ちながら、もがき苦しみ、試行錯誤の結果、一足飛びに島の人を変えようとするのではなく、まず自分を変える。そしてこの本の最後では島の人と一つになって嵐の夜、一つの作業を完成させるという、著者の変化の過程が赤裸々に書かれていた点です。
目に見えないサービスに相談料を払おうとしない人。国からのお金をあてにする態度に苛立ち、やがては自身もアルコール中毒になってしまう。
しかし自分も落ちるところまで落ちたと、立ち上がり、単に不適切な点を指摘するだけのアドバイスでは不十分だったのではないかと思い至り、「クリエイティブ」な相談業務を模索していく著者。ビジネス書等の読書にのめり込み思索は早朝のジョギング時に行う。
なんだかんだいいながら、最初から最後まで、島や島の人々に対する著者の愛情が貫かれている点で心温まる小説を読み終えたような読了感でした。
出来れば島の地図などを入れて欲しかったと思います。この点編集に対する不満から★一つ減らしました。
2006年11月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本の著者は公認会計士の資格を持っている。大手の会計事務所に勤め社会的にも経済的にも満ち足りた状況であったのだが、奄美群島振興開発特別措置法で疲弊した郷土を救うべく、故郷である奄美大島へ戻る。ただし彼の故郷であるシマには上場企業といった会計監査の必要な企業や団体はほとんどない。大半は税理士としての仕事しかない地域なのだ。
地元へ戻った彼は意気に燃えていた。都会で学んだ最先端のノウハウを還元して地元振興に力を尽くそうと考えていたのである。
しかし、そこで待っていたのは一筋縄ではいかない地方経済の現実だった。シマ特有の時間感覚は都会のビジネスで鍛えられた彼にはコスト感覚の欠如と映った。友人まで巻き込まれた選挙違反により、公共事業に頼り切りの現実を突き付けられる。彼は何度となく現場で衝突し、孤独感にさいなまれた揚げ句、アルコール中毒にて身を持ち崩す。
ようやく苦境から脱出した彼は経理面だけにとどまらず、経営上のコンサルティングでシマの中小事業所の再生に尽力する。
地方の活性化はお題目ばかりで、現実は東京一極集中に歯止めがかからない。人もカネも知識もない地域社会はひずみを抱えたまま高齢化が進む一方だ。そんな現実に敢えて飛び込み、現場から泥臭く処方箋を見いだそうと悪戦苦闘する様は、きれい事に終始しがちな類書とは様相を異にし、迫力満点。何よりもリアリティがある。
都会で功成り名遂げながら、それをすべて捨て去り郷土のために奔走する著者は男気すら感じさせる。地元の人との軋轢一つ一つにも考えさせるものがあった。
地域の再生といったテーマに取り組んでおられる方は是非読んで欲しい。多くのヒントが提示されているように思う。様々な会計上の知識を実際の出来事を通じて分かりやすく解説してくれているので、経理初心者には入門書としてもお勧めだ。
地元へ戻った彼は意気に燃えていた。都会で学んだ最先端のノウハウを還元して地元振興に力を尽くそうと考えていたのである。
しかし、そこで待っていたのは一筋縄ではいかない地方経済の現実だった。シマ特有の時間感覚は都会のビジネスで鍛えられた彼にはコスト感覚の欠如と映った。友人まで巻き込まれた選挙違反により、公共事業に頼り切りの現実を突き付けられる。彼は何度となく現場で衝突し、孤独感にさいなまれた揚げ句、アルコール中毒にて身を持ち崩す。
ようやく苦境から脱出した彼は経理面だけにとどまらず、経営上のコンサルティングでシマの中小事業所の再生に尽力する。
地方の活性化はお題目ばかりで、現実は東京一極集中に歯止めがかからない。人もカネも知識もない地域社会はひずみを抱えたまま高齢化が進む一方だ。そんな現実に敢えて飛び込み、現場から泥臭く処方箋を見いだそうと悪戦苦闘する様は、きれい事に終始しがちな類書とは様相を異にし、迫力満点。何よりもリアリティがある。
都会で功成り名遂げながら、それをすべて捨て去り郷土のために奔走する著者は男気すら感じさせる。地元の人との軋轢一つ一つにも考えさせるものがあった。
地域の再生といったテーマに取り組んでおられる方は是非読んで欲しい。多くのヒントが提示されているように思う。様々な会計上の知識を実際の出来事を通じて分かりやすく解説してくれているので、経理初心者には入門書としてもお勧めだ。
2007年2月11日に日本でレビュー済み
最近、会計もの、会計士ものの本を良く読む。仕事柄、興味をたやすことはなかったが、エンロン、西武鉄道、ライブドアと大きな事件が続いている世界と、この本の世界が、同じ時代の、同じ種類の職業人がかかわっていることに、なんとも奇妙なものを感じる。
ただ、むしろ、世界の99%は、この本の世界と同じ世界を雁行していると思う。
私のなかで、さおだけ屋でブレイクした山田真哉、美ぼうの須藤実和につづいて、スター会計士の誕生である。
ところで、この本の中で最も印象に残ったのは、会計とは特に縁のない島尾敏雄のエピソードであった。太平洋戦争末期、奄美に赴任した島尾は、その行動で島の人々の畏敬を集め、ネリヤカナヤ(海の向こうの神の国)から来た化身のように思われていたという。難しい超現実主義的な作品しかしらなかったので、意外であり、久しぶりに日本文学をになった人々の奥の深さを感じた。
ただ、むしろ、世界の99%は、この本の世界と同じ世界を雁行していると思う。
私のなかで、さおだけ屋でブレイクした山田真哉、美ぼうの須藤実和につづいて、スター会計士の誕生である。
ところで、この本の中で最も印象に残ったのは、会計とは特に縁のない島尾敏雄のエピソードであった。太平洋戦争末期、奄美に赴任した島尾は、その行動で島の人々の畏敬を集め、ネリヤカナヤ(海の向こうの神の国)から来た化身のように思われていたという。難しい超現実主義的な作品しかしらなかったので、意外であり、久しぶりに日本文学をになった人々の奥の深さを感じた。
2006年11月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
表紙の鮮やかさにつられて、ついつい購入。でも、著者の波乱万丈の生き方に引きこまれた。著者は、東京でのエリート生活を捨てた。そして、故郷の奄美大島に戻って、会計士として孤軍奮闘している。島には著者以外に公認会計士がいないのだそうだ。そのため、悪戦苦闘の毎日だ。それでも、島と歩む著者には夢や希望がある。お金や地位に縛られず、その先を見続ける著者にエールをおくりたい。
2007年1月27日に日本でレビュー済み
15歳で故郷の奄美大島を離れ、苦労を重ねながら公認会計士となった。著者の屋宮久光さんは30歳を過ぎたころ父親の死をきっかけに故郷奄美への思いを強くし、奄美へ帰ることを決心する。
故郷奄美を豊かにしたいという思いを携えてタイトル通り、「ひとり」で挑むわけだ。国の補助に頼った島を国から自立させたい。
しかしなかなかうまくいかない。
屋宮氏の思いと島の人の思いが同じ方向に向いていないのだ。
挑む、ということは偉大だと思う。とくにそれが一人であったりするとき。
なかなかうまくいかないことが好転しはじめるきっかけは、ひとりであると思っていたが「ひとり」ではないことに気がついたとき、その賛同者に気付きありがたいと思い始めたときなのではないだろうか。
故郷奄美を豊かにしたいという思いを携えてタイトル通り、「ひとり」で挑むわけだ。国の補助に頼った島を国から自立させたい。
しかしなかなかうまくいかない。
屋宮氏の思いと島の人の思いが同じ方向に向いていないのだ。
挑む、ということは偉大だと思う。とくにそれが一人であったりするとき。
なかなかうまくいかないことが好転しはじめるきっかけは、ひとりであると思っていたが「ひとり」ではないことに気がついたとき、その賛同者に気付きありがたいと思い始めたときなのではないだろうか。
2009年5月28日に日本でレビュー済み
会計士は、上場企業の決算報告が正しいのかをチェックする方たちの事であり、別名「企業の医者」とも呼ばれている。そんな資格を持った人が奄美大島という上場企業がまったくない島での、経済の活性化を計って奮闘する様を描いている。(実際は会計士の試験に受かると取得できる税理士として働く。)
奄美大島に住む人と、少しのミスも許されない会計士という世界で生きてきた人との間には少なくともモノの捉え方の違いがある。例えば時間。島民は時間を気にせず約束の時間になってもなかなか現れない。また、島民は助け合い精神が根強くあるが、会計士(又は税理士)は自分の知識が商売道具であるから、情報提供でお金を取ろうとする。‥等。
会計の本というよりは、島民とどう接していくか、その上で会計の知識を生かしてみんなのために何ができるかを読みやすく書いてあります。
奄美大島に住む人と、少しのミスも許されない会計士という世界で生きてきた人との間には少なくともモノの捉え方の違いがある。例えば時間。島民は時間を気にせず約束の時間になってもなかなか現れない。また、島民は助け合い精神が根強くあるが、会計士(又は税理士)は自分の知識が商売道具であるから、情報提供でお金を取ろうとする。‥等。
会計の本というよりは、島民とどう接していくか、その上で会計の知識を生かしてみんなのために何ができるかを読みやすく書いてあります。
2008年9月7日に日本でレビュー済み
たったひとりの会計士として奄美大島で奮闘する著者の姿は、内地の人間にとっては腹を抱えるような笑い話としか映らないだろう。だがよく覚えておいてほしい。ここに書かれていることは決して笑い話などではないのだ。南の島での生きにくさは内地での想像を絶している。小さな島の経済を知るための格好の入門書である。