収録の「河を渡って」は、
全ケッチャム作品の中で二番目に好き。
これを読むと残酷残虐非道、一つ休んでまた残酷の
ケッチャムが、実は何を書きたいのか、が伝わってくる。
登場人物の誇りや虚飾や命の尊厳も含めた何もかもを剥ぎ取る
ケッチャムのスタイルは、
その先の純度の高い人間の気高さに近づくための
手段なのではないか、という気すらする。
この短編が収録されている、という理由だけで、
★五つ。ええ。偏ってますとも。

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閉店時間 (扶桑社ミステリー ケ 6-9) 文庫 – 2008/7/30
ジャック・ケッチャム
(著),
金子 浩
(翻訳)
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暴走する嗜虐、非情のリリシズム。鬼才ケッチャムの精髄がここに!
愛し合いながら別れた二人を襲う都市の悪夢。ブラム・ストーカー賞受賞の表題作をはじめ、ケッチャム文学の最高峰を示す傑作4 本を収録。加速する狂気に貴方はついていけるか?
愛し合いながら別れた二人を襲う都市の悪夢。ブラム・ストーカー賞受賞の表題作をはじめ、ケッチャム文学の最高峰を示す傑作4 本を収録。加速する狂気に貴方はついていけるか?
- 本の長さ408ページ
- 言語日本語
- 出版社扶桑社
- 発売日2008/7/30
- ISBN-104594057217
- ISBN-13978-4594057213
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登録情報
- 出版社 : 扶桑社 (2008/7/30)
- 発売日 : 2008/7/30
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 408ページ
- ISBN-10 : 4594057217
- ISBN-13 : 978-4594057213
- Amazon 売れ筋ランキング: - 533,280位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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- 2011年6月9日に日本でレビュー済みAmazonで購入
- 2014年12月7日に日本でレビュー済みAmazonで購入スティーブン・キングが絶賛したという「川を渡って」は、マカロニウエスタン文学の傑作です。
現代社会の歪みや矛盾を暴力を通して表現してきたケッチャムがウエスタン?と読むまではギャップを感じていましたが、そもそも残虐なシーンも余すことなく描き出すマカロニウエスタン映画は、ケッチャムの作風に通ずるところがあり、読み終えた今は、読み終えるのが惜しいと思えるほどの余韻を味わっています。
残虐ホラー映画を文学にした「オフシーズン」からすでにケッチャムの作品は映像的でしたが、「川を渡って」も上手く演出できれば良い映画になるのではないでしょうか。
「ヒッチハイク」も映像的で、毒をもって毒を制すといった内容と言えるでしょうか。
善良な一家が乗る車を襲撃した悪党どもが、家族が聞こえるそばで
「殺るしかねえよ・・しょうがねえな。で、ガキはどうする?」
と、レストランで割り勘の相談をしているように自分たちを殺すかどうかを話し合っている。
なんとも実に恐ろしいシーンだ。
それだけに、悪党どもには「ささやかなフロンティアの正義」が待っています。
上記のとおり子どもまで容赦なく殺害されるシーンをえがくケッチャムですので、どうしても嫌悪感をぬぐえないという方は少なくないかもしれません。
特に「雑草」などは、ケッチャム自身が「これまでに書いたうちでもっとも不快な作品」と述べているほどです。
しかしながら、この作品も実際の事件の犯行状況をそのまま再現した部分があるといいますから、現実は小説よりも恐ろしいということでしょうか。
- 2009年3月31日に日本でレビュー済みAmazonで購入現時点での、ケッチャムの中編集の邦訳は本書だけだと思います。ケッチャムといえば、現実の事件としても起こりそうな作品と、すでに一般の人間とはいえない生き物(異形態?)が登場する作品に分かれると思います。この中編集で扱われている作品は一応全て前者です(「ヒッチハイク」の後半と「川を渡って」の一部はやや後者の雰囲気もありますが)。
長ければいいというような風潮(しかも中盤からダレダレ)の作品が多い中、言葉を研ぎすました中編にこそ創作意欲が高まるというケッチャムですので、残りの「閉店時間」「雑草」も読み応えがあります。ただ、「雑草」は史実をヒントに書かれ、異形態は登場しない作品であるにもかかわらず、人間そのものが異形態になりうる恐ろしさを感じます。胸くそ悪くなる人もおられると思いますのでご注意を。
- 2015年8月9日に日本でレビュー済みAmazonで購入『隣の家の少女』や『オフシーズン』のような
胸糞悪くなるグロテスクホラーが有名なケッチャム。
こちらの中編4編を読むと、グロテスク一辺倒ではなく、
引き出しの多い作家だと再認識させられます。
『川を渡って』は、めちゃくちゃかっこいい西部劇で、おすすめです。
表題作の『閉店時間』も秀作ですよ。
- 2009年1月23日に日本でレビュー済み全体的に良く出来た中篇集です。
『閉店時間』『ヒッチハイク』『雑草』の三作はなんと言うか、ジャック・ケッチャムらしい残酷でありながらも哀愁のある作品になっています。
しかしながら、今回もっとも目を惹くのは最後を飾る「川を渡って」でしょうか。
ジャック・ケッチャムと言えば、現代のアメリカを舞台に犯罪と人間をテーマにしたような作品が殆どだったが、
これはウェスタンを舞台にカウボーイと記者が売春を斡旋する団体との戦いを描いた作品です。
設定には意表をつかれましたが、新しい世界観ながらもジャック・ケッチャムらしさを存分に発揮した秀作です。
- 2009年5月29日に日本でレビュー済みケッチャムの中短篇4編を収めています。
1 閉店時間
2 ヒッチハイク
3 雑草
4 川を渡って
ケッチャムの、これでもかこれでもかと残虐グロテスクシーンが続く長編を読む前に、この中の「雑草」あたりで、お試しをしてみてはいかがでしょうか。大丈夫そうだったら、『地下室の箱』にすすみ、平気だったら、『隣の家の少女』、もっと過激なものを、という方は『オフシーズン』に挑戦してみてください。
4「川を渡って」が一番気に入ったという方は、長編の中では『老人と犬』を薦めます。
- 2010年12月19日に日本でレビュー済み短編集とは知らずに購入。
一話目を読んで『いまいちだなぁ』って
思いつつも先を読み進めると
2話、3話でいつものケッチャム感が出てきてる感じでした。
でも、やっぱり長編の方が好きかもな。
キャッチャムファンは読んで損はない作品。
- 2009年3月4日に日本でレビュー済み「閉店時間」
これはケッチャムにしては非常におとなしい作品。本書の導入部として万人に受け入れられる作品だと思う。また9.11以後のニューヨークを描いた作品を読んだのも初めてだったので、新鮮だった。閉店間際のバーを狙う強盗と不倫の関係を断った男女が絡み合い、最後には真っ赤な花が二つ咲く。
「ヒッチハイク」
題名からも不穏な雰囲気が溢れているが、この作品は予想以上にフルスロットルで爆走するバイオレンス・アクションだ。あの〈ナイトヴィジョン〉に書き下ろされた作品ということで、本書の中でも一番長い作品なのだが、あっという間に読み終わってしまう。告白すると、嗚咽を洩らしそうになったのはこの作品。いまでもその場面を思い出すと、気持ちが萎えてくずおれそうになってしまう。
「雑草」
女性を監禁してレイプしまくるカップルを描いたケッチャムの本領発揮の一作。まったく救いのないストーリーがいっそ清々しい。感覚がおかしくなってしまったのか、そこはかとないユーモアさえ感じてしまった。勧善懲悪になってないところがミソである。
「川を渡って」
この中篇集の中で「ヒッチハイク」と競うリーダビリティなのがこの作品。めずらしいことに、これはウェスタンである。だがそこはケッチャム、ただのウェスタンではなくそこにはホラーが侵蝕してくる。ウェスタンとホラーという相反する二つの要素を見事に融合させる手腕もさることながら、それをこれだけ完成された娯楽作にまとめあげてしまう豪腕に脱帽。これは傑作である。
というわけでこの中篇集、万人に薦められる本ではないがホラーとミステリがなにより好きで、鬼畜系にも怖気をふるわないというツワモノの方には自信をもってオススメする次第であります。