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レディ・ジョーカー〈下〉 単行本 – 1997/12/1
高村 薫
(著)
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犯罪が犯罪を呼び、増殖し続けるレディ・ジョーカー事件。犯人たちの狂奔と、それを覆い尽くす地下金融の腐臭は、いつ止むのか。そして、合田雄一郎を待つ驚愕の運命とは―高村文学の新たな頂点を記す、壮大な闇の叙事詩、ここに完結。
- 本の長さ443ページ
- 言語日本語
- 出版社毎日新聞出版
- 発売日1997/12/1
- ISBN-104620105805
- ISBN-13978-4620105802
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
犯罪の愉楽に発狂する男たちの臓腑。犯罪が犯罪を呼び、増殖し続けるレディ・ジョーカー事件。犯人たちの狂奔とそれを覆う地下金融の腐臭はいつ止むのか。そして合田刑事を待つ驚愕の運命…高村文学の新たな頂点を記す叙事詩。
登録情報
- 出版社 : 毎日新聞出版 (1997/12/1)
- 発売日 : 1997/12/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 443ページ
- ISBN-10 : 4620105805
- ISBN-13 : 978-4620105802
- Amazon 売れ筋ランキング: - 462,402位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 131,667位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1953(昭和28)年、大阪市生れ。
1990(平成2)年『黄金を抱いて翔べ』で日本推理サスペンス大賞を受賞。1993年『リヴィエラを撃て』で日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。同年『マークスの山』で直木賞を受賞する。1998年『レディ・ジョーカー』で毎日出版文化賞を受賞。2006年『新リア王』で親鸞賞を受賞。2010年『太陽を曳く馬』で読売文学賞を受賞する。他の著作に『神の火』『照柿』『晴子情歌』などがある。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年5月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とても緻密に組み立てられています。登場人物の設定や感情の動きも良いと思います。ぐっとくることが幾度もありました。
2023年5月19日に日本でレビュー済み
じっくりと丁寧に描かれる人間模様の描写に圧倒されます。大人たちが右往左往するのを横目にレディーだけが泰然として生きていったという結末なのでしょうか。最後まで読み、あらためて「レディージョーカー」というタイトルをつけたことに感心しました。
2005年2月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
上下2巻のこの本、かなり読み応えがあると思います。社会問題系ミステリーと言った感じでしょうか。社会の醜い部分を細部に渡って描いてあります。多少業界用語や難しい言葉もありますが・・読破の価値大の本です。
2013年12月1日に日本でレビュー済み
ここ10年の日本ミステリーで一番の傑作!
一言で言って、割り切れる思いとは縁遠い作品であるけれど、その割り切れなさこそが、現代という朧な時代のの最もリアルな活写であるという気もしてくる。ましてや、あまり光を当てられることのない、タブーに属するような被差別民や在日他民族の世界が、同じ日本という狭い時空の中にまぎれもなく混在していて軋轢を起こしているその断面をこそ、この小説がテーマにしているのでないのにも関わらず、何のためらいもなくすっぱりと切り出して見せる。
前作『照柿』では、ドストエフスキーの『罪と罰』のように、個人の内面を深くえぐった地獄行のような世界がひたすら描かれていたが、今度の『レディ・ジョーカー』は、より社会を取り込んだ、よりマクロ的な視野において、より巨大な時空間を意識した、新しい世界を見せている。想像するだに書くのはかなり困難だろうと思われる描写が多く、手間ひまかけて準備されて書かれた作品特有の密度がここにある。
そして、大きな小説であるだけに、集中力を削がれるところは否めないものの、人間がいかに社会的な存在であるのか、という作者なりの方向がきちんと見えてきて、純文学とは一線を画しているような新たな転換のようなものを、ぼくは作者の書く姿勢に感じて嬉しかったのだ。
ぼくは以前から高村は、ドストエフスキィの世界を規範にしているように感じていたのだが、それはまたもこの作品で裏打ちされる。ドストエフスキィの魅力は一言で言えば「混沌」。トルストイのように正邪をきちんと整理してキリスト的「道」を解いてゆく作家なのではなく、「混沌」そのものをいかに表現し、その中でいかに生そのものを描き切るのか。具体的にはいかに社会とより真摯に切り結んでゆくかという物語であり、一人一人の心の中の悪霊たちの物語でもある。
ドストエフスキィは『作家の日記』という時事評論をものにしているが、まさに文学だけにおさまらない懐の深さ、視点の多さ、視野の広さを、そうした地点で示してくれていて、この辺り高村のやり方には近いものがあるのではないだろうか。
現代でドストエフスキィの犯罪を中心に据えた小説作法をやろうとしたら、高村のこの『レディ・ジョーカー』は、非常によくできた手法と言えるように思う。犯罪そのものを物語とするのではなく、もっと書きたいものごとのために、犯罪を中心に据えるのだ。『レディ・ジョーカー』はそういう小説ではないかと思うのである。
馳星周がエルロイの影響をダイレクトに受けたという『鎮魂歌』は、まさに『ホワイト・ジャズ』の文体に機を得たものだと言われるが、今、小説世界の闇の深さという一点だけに絞ってみると、この『レディ・ジョーカー』こそエルロイのあの深い闇に再接近したそれではないだろうか?
ぼくはこのことだけでも大変この小説に衝撃を受けた。
以前から鼻についていた高村小説特有の男性同士の同性愛的気配は相変わらずだけれど、そんなものはこの際許してしまおうとさえ思った。
ラストのラストで感動させられた。闇に抛り込まれた人や事件があまりに多い。しかし、ぼくらが生きている世界はそうした闇にいつでも繋がっているし、ぼくらはその中で何の痛痒もなく無関係な顔をして生きている。そうした平穏から滑り落ちてゆく闇の怖さ、のようなものをこの小説は非常にシニカルに描き切っているように思うのだ。
さて、最後に値段のことだが、一冊1,700円で、こうした「質量ぎっしり本」を買うことができるのは驚きである。そこらの文庫本数冊分より遥かに安い買い物となったのは、かつて『砂のクロニクル』でハードカバーの四段印刷という荒業をやらかし革命的コスト・パフォーマンスを見せてくれた毎日出版社という良心のたまものであろう。こうした出版姿勢を持った版元にこそ、いい作品が集まって欲しいと、願ってやまない。
一言で言って、割り切れる思いとは縁遠い作品であるけれど、その割り切れなさこそが、現代という朧な時代のの最もリアルな活写であるという気もしてくる。ましてや、あまり光を当てられることのない、タブーに属するような被差別民や在日他民族の世界が、同じ日本という狭い時空の中にまぎれもなく混在していて軋轢を起こしているその断面をこそ、この小説がテーマにしているのでないのにも関わらず、何のためらいもなくすっぱりと切り出して見せる。
前作『照柿』では、ドストエフスキーの『罪と罰』のように、個人の内面を深くえぐった地獄行のような世界がひたすら描かれていたが、今度の『レディ・ジョーカー』は、より社会を取り込んだ、よりマクロ的な視野において、より巨大な時空間を意識した、新しい世界を見せている。想像するだに書くのはかなり困難だろうと思われる描写が多く、手間ひまかけて準備されて書かれた作品特有の密度がここにある。
そして、大きな小説であるだけに、集中力を削がれるところは否めないものの、人間がいかに社会的な存在であるのか、という作者なりの方向がきちんと見えてきて、純文学とは一線を画しているような新たな転換のようなものを、ぼくは作者の書く姿勢に感じて嬉しかったのだ。
ぼくは以前から高村は、ドストエフスキィの世界を規範にしているように感じていたのだが、それはまたもこの作品で裏打ちされる。ドストエフスキィの魅力は一言で言えば「混沌」。トルストイのように正邪をきちんと整理してキリスト的「道」を解いてゆく作家なのではなく、「混沌」そのものをいかに表現し、その中でいかに生そのものを描き切るのか。具体的にはいかに社会とより真摯に切り結んでゆくかという物語であり、一人一人の心の中の悪霊たちの物語でもある。
ドストエフスキィは『作家の日記』という時事評論をものにしているが、まさに文学だけにおさまらない懐の深さ、視点の多さ、視野の広さを、そうした地点で示してくれていて、この辺り高村のやり方には近いものがあるのではないだろうか。
現代でドストエフスキィの犯罪を中心に据えた小説作法をやろうとしたら、高村のこの『レディ・ジョーカー』は、非常によくできた手法と言えるように思う。犯罪そのものを物語とするのではなく、もっと書きたいものごとのために、犯罪を中心に据えるのだ。『レディ・ジョーカー』はそういう小説ではないかと思うのである。
馳星周がエルロイの影響をダイレクトに受けたという『鎮魂歌』は、まさに『ホワイト・ジャズ』の文体に機を得たものだと言われるが、今、小説世界の闇の深さという一点だけに絞ってみると、この『レディ・ジョーカー』こそエルロイのあの深い闇に再接近したそれではないだろうか?
ぼくはこのことだけでも大変この小説に衝撃を受けた。
以前から鼻についていた高村小説特有の男性同士の同性愛的気配は相変わらずだけれど、そんなものはこの際許してしまおうとさえ思った。
ラストのラストで感動させられた。闇に抛り込まれた人や事件があまりに多い。しかし、ぼくらが生きている世界はそうした闇にいつでも繋がっているし、ぼくらはその中で何の痛痒もなく無関係な顔をして生きている。そうした平穏から滑り落ちてゆく闇の怖さ、のようなものをこの小説は非常にシニカルに描き切っているように思うのだ。
さて、最後に値段のことだが、一冊1,700円で、こうした「質量ぎっしり本」を買うことができるのは驚きである。そこらの文庫本数冊分より遥かに安い買い物となったのは、かつて『砂のクロニクル』でハードカバーの四段印刷という荒業をやらかし革命的コスト・パフォーマンスを見せてくれた毎日出版社という良心のたまものであろう。こうした出版姿勢を持った版元にこそ、いい作品が集まって欲しいと、願ってやまない。
2000年12月1日に日本でレビュー済み
何万部と売れている、というので買って読みましたが、いったいどこがそんなに新鮮で、どこがクライマックスなのか、さっぱりわかりませんでした。ラストで何か、どんでん返しがあるのか、と思っていましたが、全体的にあまりにも、無味乾燥とした内容と書きっぷりです。登場人物も、旧泰然とした、いかにもな経歴のサラリーマンばかりで、共感を覚える人物はいませんでした。最近の流行作家全体に言えることですが、あまりにもプロットと関係のない無駄な記述が多すぎて、書籍の分量が長すぎます。この書籍も、ストーリーとは関係のない記述があまりにも多すぎます。
2011年11月5日に日本でレビュー済み
読了まで相当の知力・体力を要する大作である。あの『マークスの山』と比べても、さらに数倍のエネルギーを、読む者に要求する。
満点から★を1つ減らしたのは、誰にでも薦められる平易な物語ではないため。個人的嗜好としては★5つでも足りないくらいに、好きである。
お世辞にも読みやすいとは言えず、広くお薦めするのは無責任かと思う。だが、”忍耐力がある知的な読書好き”には是非、手にとっていただきたい。
知性と根気に欠ける私は、途中で何度も投げ出しそうになった。重層的に進む物語に混乱し、前を読み返すこともしばしば。オーバーロード気味の脳にチョコレートや煎餅でエネルギーを補給しながら、しかし、上巻・後半からは溺れるように読んだ。泳げなかった…
登場人物が生身の体、現実の思考をあたかも持ったかのように、脳裏に起ち上がる、動き出す。
なるほど疲れる訳だ。
最終ページ。とにかく「凄い」としか感じられなかった。
抽象的で申し訳ないが、読了時の放心状態を表現するには、これ以上の言葉が浮かばない。
そして穏やかに湧き上がる、長距離ランを完走したような達成感。
強い文体・人物造形・ストーリーは、著者の性別を意識させない。「女」を武器にすることなく「らしさ」に甘んじることもなく、ただ一人の作家として執拗に筆を駆る。高村氏の覚悟と執念が伝わってくる。
穏やかな筆致で人の強さ、したたかさを謳(うた)い上げた終章は圧巻。
ヌーベルバーグの秀作にも似た物語の余韻。単なる感動とは違う、震えるような余韻。凄い、本当に凄い。この人の筆は、怖い。
満点から★を1つ減らしたのは、誰にでも薦められる平易な物語ではないため。個人的嗜好としては★5つでも足りないくらいに、好きである。
お世辞にも読みやすいとは言えず、広くお薦めするのは無責任かと思う。だが、”忍耐力がある知的な読書好き”には是非、手にとっていただきたい。
知性と根気に欠ける私は、途中で何度も投げ出しそうになった。重層的に進む物語に混乱し、前を読み返すこともしばしば。オーバーロード気味の脳にチョコレートや煎餅でエネルギーを補給しながら、しかし、上巻・後半からは溺れるように読んだ。泳げなかった…
登場人物が生身の体、現実の思考をあたかも持ったかのように、脳裏に起ち上がる、動き出す。
なるほど疲れる訳だ。
最終ページ。とにかく「凄い」としか感じられなかった。
抽象的で申し訳ないが、読了時の放心状態を表現するには、これ以上の言葉が浮かばない。
そして穏やかに湧き上がる、長距離ランを完走したような達成感。
強い文体・人物造形・ストーリーは、著者の性別を意識させない。「女」を武器にすることなく「らしさ」に甘んじることもなく、ただ一人の作家として執拗に筆を駆る。高村氏の覚悟と執念が伝わってくる。
穏やかな筆致で人の強さ、したたかさを謳(うた)い上げた終章は圧巻。
ヌーベルバーグの秀作にも似た物語の余韻。単なる感動とは違う、震えるような余韻。凄い、本当に凄い。この人の筆は、怖い。
2005年1月4日に日本でレビュー済み
LJの入門書いうか雛型習作として高村薫「日吉町クラブ」(誇りたかき掟・角川ノベルズ収録)を推薦するよ。
①人生の酸いも甘いもわきまえた男たちが、府中競馬場にたまたま集い
互いに共通の憤懣や屈託を認識し、共有しあう。
②この憤懣を何かに転換できないか→犯罪につかえないかと犯意を抱く
(※ この「犯罪動機」を説明するのが高村作品解説の最大のネック。
ま、読めば何となく情緒でわかるのだが・・・)
③府中競馬場につどう男たちと、誘拐対象である会社社長は相互の鑑無しを確認
(※ 警察の犯罪捜査は、地縁血縁知人の鑑捜査から始まる。
つまり相互の面識無ければ、警察は犯罪現場と犯人を結び付けられず完全犯罪となる)
④じゃ、誘拐犯罪をやろうかとなる
⑤読者は、犯人たちの虚無感に、ダンディズムなりヒロイズムを感じて酔うべし
LJはこの犯人たちを中心に、戦後日本という壮大な地獄巡りを読者に仕掛ける作者畢生の大作。
①人生の酸いも甘いもわきまえた男たちが、府中競馬場にたまたま集い
互いに共通の憤懣や屈託を認識し、共有しあう。
②この憤懣を何かに転換できないか→犯罪につかえないかと犯意を抱く
(※ この「犯罪動機」を説明するのが高村作品解説の最大のネック。
ま、読めば何となく情緒でわかるのだが・・・)
③府中競馬場につどう男たちと、誘拐対象である会社社長は相互の鑑無しを確認
(※ 警察の犯罪捜査は、地縁血縁知人の鑑捜査から始まる。
つまり相互の面識無ければ、警察は犯罪現場と犯人を結び付けられず完全犯罪となる)
④じゃ、誘拐犯罪をやろうかとなる
⑤読者は、犯人たちの虚無感に、ダンディズムなりヒロイズムを感じて酔うべし
LJはこの犯人たちを中心に、戦後日本という壮大な地獄巡りを読者に仕掛ける作者畢生の大作。
2005年5月3日に日本でレビュー済み
高村薫の本を読むときは、腰を据え、物語に没頭する覚悟で臨まなくてはならない。
深く暗い絶望感を持った人間達には、雑念を振り払って対峙しなくてはならない。
本書では警察官、大企業の重役、犯罪グループ、闇社会等、極めて個性的な人物達が登場する。
結末に向かう過程で悪夢は繰り返される。まさに絶望そのものだ。
これほど吐き気を感じる読後感は、後にも先にも経験がない。
とはいえ本書は傑作である。登場人物達の事件を巡る攻防は読み応え十分だ。
嫌悪感を与えながらも、ここにはリアルな人間が包み隠すことなく描かれている。ただ合田雄一郎はやさしく成り過ぎたか。
僕らは生きていく中で、好むと好まざるとに関わらず、社会的立場というものを得てしまう。
さらにその背負った立場ゆえの葛藤、呪縛にもがき苦しむ。その姿こそ本書の最大の魅力だと思う。
本書の題材が、1984年に世間を賑わせたグリコ・森永事件であることは明らかだ。この事件にまつわる様々な説が、物語りの中にちりばめられている。「日本はどうなってしまうのか」の一文は、絶望感に対する著者の強いメッセージである。本書はミステリー・社会派作家としての、著者の最高傑作である。
深く暗い絶望感を持った人間達には、雑念を振り払って対峙しなくてはならない。
本書では警察官、大企業の重役、犯罪グループ、闇社会等、極めて個性的な人物達が登場する。
結末に向かう過程で悪夢は繰り返される。まさに絶望そのものだ。
これほど吐き気を感じる読後感は、後にも先にも経験がない。
とはいえ本書は傑作である。登場人物達の事件を巡る攻防は読み応え十分だ。
嫌悪感を与えながらも、ここにはリアルな人間が包み隠すことなく描かれている。ただ合田雄一郎はやさしく成り過ぎたか。
僕らは生きていく中で、好むと好まざるとに関わらず、社会的立場というものを得てしまう。
さらにその背負った立場ゆえの葛藤、呪縛にもがき苦しむ。その姿こそ本書の最大の魅力だと思う。
本書の題材が、1984年に世間を賑わせたグリコ・森永事件であることは明らかだ。この事件にまつわる様々な説が、物語りの中にちりばめられている。「日本はどうなってしまうのか」の一文は、絶望感に対する著者の強いメッセージである。本書はミステリー・社会派作家としての、著者の最高傑作である。