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どつぼ超然 単行本 – 2010/10/15

4.0 5つ星のうち4.0 42個の評価

明るすぎるし、見晴らしがよすぎる。どうも死ににくい。
飄然から超然へ。世界を睥睨する町田文学の新境地。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 毎日新聞社 (2010/10/15)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2010/10/15
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 312ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4620107581
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4620107585
  • カスタマーレビュー:
    4.0 5つ星のうち4.0 42個の評価

著者について

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町田 康
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作家、ミュージシャン。1962年大阪生まれ。高校時代より町田町蔵の名で音楽活動を始める。97年に処女小説『くっすん大黒』で野間文芸新人賞、 Bunkamuraドゥマゴ文学賞、2000年には「きれぎれ」で芥川賞を受賞する。01年詩集『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、02年「権現の踊り 子」で川端康成文学賞を受賞、05年『告白』で谷崎潤一郎賞、08年『宿屋めぐり』で野間文芸賞を受賞した(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 あなたにあえてよかった―テースト・オブ・苦虫〈8〉 (ISBN-13: 978-4120041235 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)

カスタマーレビュー

星5つ中4つ
5つのうち4つ
42グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2018年2月15日に日本でレビュー済み
最近読んで感心したもの。

町田康『どつぼ超然』
まだ読み途中なのだけど。この人はやっぱり天才だな。だいたい小説家っていうのは、脱力した文章を書く、夏目漱石的な系譜と、シリアスな一派がある。どちらかというと後者が本流なのだけど、前者の方がぼくは7-3くらいで好きで、前者の代表が、町田康、高橋源一郎、伊坂幸太郎、あたりだろう。

やたらシリアスな小説を書く島崎藤村みたいなのの影響で、日本の小説がつまらなくなったと誰かが書いていた(気がする)。

で、『どつぼ超然』。真剣に、脱力しまくっていて、すごい。

<余はなにゆえにこのようなところを歩いているのだろうか。余はなにゆえ生きているのだろうか。実際の話、お紺とはなんなのか。(※この語り手が歩いてて出会った銅像の名前) なぜあんなに顔がでかいのか。わからない。なにひとつわからない。
けれども余はそれでよいと思う。わからないからといってはっちゃきになって文献を渉猟、実際にお紺がなんなのかを解明してなにになるのか。なににもならない。そんなことをしても心が寒くなるだけだ。そして今度は半吉について調べたくなるのだ。(※お紺の隣にいた銅像の名前)
中略)
そもそも、人生というのは不可思議なものだし、宇宙というのも不可思議なものだ。それを小さな理解の中に閉じ込めるのではなくして、大きな謎としてごろんと転がしておく。謎が謎であることをいちいち不安に思ったりせず、ただ善哉(よきかな)を叫ぶ。そして、おもむろにぜんざいと塩昆布を用意し、それを道行く人やメジロに振舞う。
もちろん、メジロがぜんざいを食べる訳ではないが、そんなことも含めての超然主義ということだ。>

何が言いたいのかよく分かるが、メジロとかお紺とかが意味不明で、シュール。でも、それも含めて、不可思議なものをほっておく、という読み方を読者に許すこの姿勢がよい。みょうちくりんだが、元気をもらえる。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2018年2月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
エッセイ要素が減退しつつ、私小説というか町田康的虚構の世界
への比重が高まっている本作。
単行本で読みましたが、文庫版の表紙、シブいですね(笑)。
表紙目当てで買ってしまった…。
「表紙が著者本人の写真率」1位 柳美里  2位 町田康 
このところ、1位との差が開いていたので威嚇でしょうか。
ん〜、この2人ほどポートレイトを表紙にしている人は
他にいないと思いますけれど。まあ、違和感はゼロ。
ワタクシ小学生の頃からの町田町蔵ファンなので。

エッセイでも私小説風作品でも、実にポロリの少ない
鉄壁の要塞、町田康。プロのエンターテイナーです。
バランスを取るための文庫版の写真表紙か…
柳氏作品、町田作品、セットで読むと面白いです。
どちらが先か分からない(発表年まで見ないからですが)
タイミングで、微妙にシンクロ。面白いとはいえ、
これってどっちのエピソードだっけ?と混乱する弊害はアリ。
本質的なところで似てらっしゃるんですなあ。
自己顕示欲の強い自分を反省しつつ、自分大好きの照れ屋的な。

パブリックイメージは懸け離れているのに、
スピリチュアル・ツインとゆうか。ワンペアではなく、
分身してロイヤル・ストレート・フラッシュの威力です。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年3月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
こんなに可笑しい小説はめったない。
何度も読みたくなる。歴史に残る小説である。最高!
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年6月11日に日本でレビュー済み
『パンク侍斬られて候』があまりに名作だったので(舞台化された作品も見に行った)、町田康にはまり、『告白』くらいまでけっこういろいろ読んだ。が、この人の話を続けて読んでいると喋り方と頭がおかしくなりそうだと思いしばらく遠ざかっていたが、久しぶりに入った書店で不自然なほどに推されていたので買ってしまった。『ホサナ』という無闇に長い新作にかこつけて既刊書も売ろうという魂胆なのだろう。しかしそこは超然としてまんまと仕掛けにハマる客を演じてやった。ほほほ。善哉、善哉。

町田康の小説は、主観と客観の壁を完全に溶かしてしまう作用があって、読むこと自体に麻薬的快楽がある。話の筋はほんとうにどうでもいいが、一応あらすじを。主人公である「余(苗字ではなくもったいぶった一人称)」の言葉でまとめると「浴衣姿で塁球をする婦女を見て死を決意し、絶海の孤島で死を乗り越え、盆地の牧場で山羊と国家の触れ合いという通常、ありえない触れ合いを目撃し」たところで死ぬのがだんだん馬鹿らしくなって腹が減って中途半端な店でレンズ豆のスープを頼み、普通においしかったのだが、そんなとき「うまい以外に発する言葉がない」ことに愕然とし「言葉というものが不幸を語るに適していて、幸福を語るに適していない」というようなことに思い至る。その後、せっかく死なぬことにしたのだからそれまで人生でやってこなかった「遊興」というものをひとつやろうかということでいろいろトライするわけだが、それも自意識が空回りして心の底から楽しめない。で、至った結論が「期待は必ず裏切られる。思惑はあらぬ方にそれ、夢はかならず破壊せられる。誤解。誤読。…私たちはつねに何かを企画し、企画したことが別のことに変幻していくその軌跡を辿っているのだ」って、これ東浩紀が言ってる郵便論的な、つまり「誤配」の話じゃないか。相変わらず自意識過剰な「余」なる主人公が、ビーチバレーしている若い男女を見て遊覧船に乗って帰って定食屋でそこそこ上手いものを食べて帰るだけの1日において、「ただ、一さいは過ぎていく」ことを「全身の毛穴で感じ」る境地に達するまでの独白が延々と続くという町田節なのだが、本当にどうでもいい瞬間瞬間に湧きおこる感情に昇華する以前の印象とか反応みたいなものをいちいち言葉にすることについてこの人の右に出る者はとりあえずいないのではないか。そのダラダラした告白のなかにときどきどきっとするような的を射たというかツボにはまるというか、線を引きたくなるような表現が差し込まれている。たとえば。

・彼らは普通を蔑み、人のしないこと、しないことをした。…結果、どうなったか。多くの者が破滅した。そしていま彼らが空しく望んでいるのは、普通の生活、である。

・芸術作品を見て、ふむう、と息を漏らすのも、スーパーマーケットで冷凍のしっぽくうどんを見て、あはあ、と笑うのも、余にとっては同じこと、春日部も品川も気去らずも足立も練馬も湘南も、そこで生活している人には申し訳ないが、余にとってはただのナンバープレート、一片の金属板にすぎぬのである。

あとはあれだ、この人の比喩のセンスとか、語感への奇妙なこだわりとかがいちいちグッとくる。たとえば。

・こいつときたら、駄犬が主人のサンダルをくわえ、上目遣いで主人の方をちらちら見つつ、へらへら笑いを浮かべ、走って逃げるときみたいな、人を小馬鹿にしたような、小猾いような、卑しみ笑いを笑っているのである。

・やむなくその場を離れ、のりば、とアホみたいに平仮名で書いてある戸口の方へのらのら歩いたのであった。

・…のんどの奥の方から、むずむずっ、と黒い固まりのようなものがせりあがってきた。来た来た来た、と思う間もあらばこそ余の朽ちから言葉が漏れた。「おかぼ」という言葉であった。

「のりば」や「おかぼ」といった三文字の平仮名、がとくに気になるようである。たしかに、気になる。でもふつうは気にしないし、気になったとしても追いかけない。やりすごす。それをしないで歩きながら頭に浮かぶあれこれをすべて文字にしたところ、こんなふうになりましたというエッセイとも小説とも評論ともつかない町田節。たまに読むとやっぱり面白いが、続けて読むと喋り方と頭がおかしくなりそうなので当分はいいかな。といいつつ『ホサナ』読む前の準備運動だったりしてね。それにしても太宰治がみんな好きなのだなあ。すごいコピーライターだもの。「人も家も、暗いうちはまだ滅亡せぬ」(右大臣実朝)とか、「ただ、いっさいは過ぎていきます」(人間失格)とか。「余」ほどの感性を持たぬ者でもクラッときますな。善哉。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2010年10月30日に日本でレビュー済み
くだらだらない

つまらまらない

僕は町田康が大好きでしたし、
告白なんかは大変素晴らしい作品だったし、
初期の作品群の無為も素晴らしく

だけれども、この、ただ原稿用紙を埋めるだけの文章は何なん?

人間小唄はまだ良かったけれども

このような本を読む暇があったら、
もっと読むべき本がある

違う本を手に取ってください
14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2010年11月10日に日本でレビュー済み
まだ途中までしか読んでいないけど
何だこの
ほとんど思いつきで書き連ねられたような文章は。
思いつくままに書き連ねたような文章は。
よくこれだけどーでもいい事が次から次へと思いつくものである。
相変わらずの才能は健在である。
最後まで読めばよく構想が練られてた素晴らしい作品だった
ということになるのだろうか。
後半に向けて何らかの伏線が盛り込まれたりしているのだろうか。
だとしたらそれは何だろう。
続きは楽しみだ。
これだけ先のよめない作品も珍しい。
先の事なんか一切考えていないのではないかとすら感じさせる文章である。
どのように文章が展開されていくのか。
町田康。相変わらず予測不能な作家である。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2021年8月12日に日本でレビュー済み
作者の顔が表紙の文庫版を購入。眼光鋭い、ちょっと太宰治ぽいヘアスタイルの超真面目そうなおじさん。この顔を常に頭に思い浮かべながら読み進むと、面白さが倍増です。いちいちの出来事、見たもの、聞いたものに対する超真面目なんだけど微妙にズレたところから始まる思索が、どんどんそのズレを倍増し、どつぼにハマっていく主人公のジタバタ具合に腹がよじれます。どつぼの真っ只中で超然と振る舞おうと「ほほほ、善哉、善哉」なんて言っているのだけど、ともするとすごく些細なことに囚われて怒り出したり、なのに実は小心者でその怒りを出せなかったり。凝り固まったアタマを無理矢理ほぐしてくれるような、不思議な快感を堪能しました。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2017年11月28日に日本でレビュー済み
町田さんの最大の魅力は、何と言ってものそのぶっ飛んだ文体でしょう。パンクロックとボケツッコミと純文学がごちゃ混ぜになったような特異な文体。スピード感があり笑わせると同時に深い考察も差し込まれている。

本作でもそのような町田節は衰えてはいません。ただ、たとえば「告白」のような深刻なテーマの追及があるかというと、そこまでの踏み込んだ内容はないというように感じました。全体を通して、「超然」=「俗世から離れて生きること」という主題はあるものの、そこまで深く展開せずにフッと物語は終わってしまったという印象です。

町田作品が好きなら読んでもいいと思いますが、万人受けする作品ではないです。特に、小説を読んで何かを学び取りたいというタイプの人にはお勧めできません。「なんじゃこりゃ時間の無駄だ」と思われるだけかと思います。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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