本書は、TBS系「時事放談」で、後藤田氏が出演された計17回(2004年4/25〜2005年8/21)から集成し構成された本です。
あるテーマに対する後藤田氏の発言の一部を大きな文字で書いた本で、ちょっと補足的な内容も書かれています。
名言集などによくあるタイプの本で、すぐ読み終わります。
発言の内容には、サラリと読み流すものもありますが、本質的なことをバッサリと言い切るものが随所に見られ、かなりフックがあります。
「官」が担当しなければならない部分と「民」が引き受ける部分との分解線を明示しろという部分は、TPP目前の今、より深刻に響きますし、
(イラク戦争に対して)「株式会社がですね大変な高い値段で戦の一部を引き受けてやっている」(P98)という発言や、
米中関係に対して「12億7000万という巨大なマーケットを、アメリカが、資本主義が、手放すわけありませんよ。」(P84)という発言などには、
「言いにくい空気になっている今」を感じます。
それと、御厨貴氏による「後藤田氏と大正ヒトケタ 体験に根ざす権力抑制」(P118〜122)が、簡潔ながら良かったです。
「複層的議論を重ね権力抑制に努めた後藤田氏・宮沢氏らの世代の政治家」と「今の政治家」の違いが感じられます。
そして、もう一度最初から読み返すと、後藤田氏の発言に深みが増してきます。
ただ、番組内での発言から集めたもので限度がありますから、物足りなさは否めません。(「☆-1」させていただきました。)
個人的には、「
後藤田正晴語り遺したいこと (岩波ブックレット (No.667))
」のほうがオススメです。
いろんな著作や発言から集成された名言集が出来たら、嬉しいのですが。。。
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後藤田正晴 日本への遺言 単行本 – 2005/11/1
- 本の長さ125ページ
- 言語日本語
- 出版社毎日新聞出版
- 発売日2005/11/1
- ISBN-104620317446
- ISBN-13978-4620317441
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登録情報
- 出版社 : 毎日新聞出版 (2005/11/1)
- 発売日 : 2005/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 125ページ
- ISBN-10 : 4620317446
- ISBN-13 : 978-4620317441
- Amazon 売れ筋ランキング: - 922,356位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 119位TBS・毎日放送系の本
- - 504位政治家
- - 5,865位政治入門
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年3月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タイトルのインパクトと、実際の内容に大きな乖離を感じずにはいられない。
後藤田氏の遺言と呼ぶには、引用文の選定に普遍性は感じなかった。
後藤田氏の遺言と呼ぶには、引用文の選定に普遍性は感じなかった。
2005年12月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
後藤田正晴という政治家が最後まで国を思い、将来を危惧しながら、もう政界の誰も耳を貸さないかも知れないと思いながらも、どうしても言わずにはいられなかった現今の政治情勢への警鐘です。
時事放談での発言という形式上、ややこの本だけでは真意が汲み取れませんが、今の政界がデマゴーグ化している中でいかに長期的視野を持って政治、特に外交を遂行していかなければならないかの示唆に満ちています。
古い平和保守主義、と切り捨てるのは簡単でしょうが、ではそれに変わる新しい政治概念が何であるかを考える時に一考してみるべきものとして、有用だと思います。比較的さくさくと読めますので、それほど手間になることもないでしょうし。
時事放談での発言という形式上、ややこの本だけでは真意が汲み取れませんが、今の政界がデマゴーグ化している中でいかに長期的視野を持って政治、特に外交を遂行していかなければならないかの示唆に満ちています。
古い平和保守主義、と切り捨てるのは簡単でしょうが、ではそれに変わる新しい政治概念が何であるかを考える時に一考してみるべきものとして、有用だと思います。比較的さくさくと読めますので、それほど手間になることもないでしょうし。
2006年7月1日に日本でレビュー済み
晩年の時事放談をまとめただけあって、読むと歳食ったなぁ・・・
と思わせる。もっともっと気骨があって、硬い、こうでなくちゃ
いかんとはっきりした信念ある親父だった。自民党事態はあまり
好きではなかったのだがこの人だけは好きだったなぁ。
本としては内容がそれ程ある訳でもない。一字一字が大きく
読み易いのはいいのだが、後藤田氏のことをあまり知らない人
にはお薦めしかねる。
後藤田氏の本、氏について書かれた本をいくつか読んでて
まだバリバリと活動してた頃を懐かしみながら読む本だ。
いなくなって残念な政治家です。
と思わせる。もっともっと気骨があって、硬い、こうでなくちゃ
いかんとはっきりした信念ある親父だった。自民党事態はあまり
好きではなかったのだがこの人だけは好きだったなぁ。
本としては内容がそれ程ある訳でもない。一字一字が大きく
読み易いのはいいのだが、後藤田氏のことをあまり知らない人
にはお薦めしかねる。
後藤田氏の本、氏について書かれた本をいくつか読んでて
まだバリバリと活動してた頃を懐かしみながら読む本だ。
いなくなって残念な政治家です。
2005年11月23日に日本でレビュー済み
テレビ番組「時事放談」における故・後藤田正晴氏の発言録。後藤田氏ならではの鋭い指摘がちりばめられているが,いかんせんセンテンスが短過ぎて実際のテレビ放送を見ていない人にはその真意を理解するのは困難である。「日本への遺言」というタイトルに引かれて購入したが,いささか物足りない内容であった。
2007年4月5日に日本でレビュー済み
本書は、政界のカミソリと評された後藤田正晴氏が、TBSの番組『時事放談』に出演された際に仰った発言のポイントをテーマ別に構成し、1冊の本にまとめたものである。太字で印象に残る発言をまとめ、必要に応じてその後の発言が追記されている。そのため、極めて読みやすく、あっという間に読破してしまった。
テレビ番組での発言のため、それ程深みは無いと思いがちである。実際、半分以上はそれ程印象に残らなかった。しかし、編者が上手くポイントをまとめているので、一言に含まれる深みが違う。そのため、1割は現在でも頷いてしまうほどの言葉があった。その中でも、私が最も関心を抱いた発言は郵政改革に関するコメントである。
郵政改革について、著者は、「官と民の境界線を明確にする必要があり、これを行わなければ軍事会社が戦争を行うような事態に陥る可能性がある」と指摘していた。このコメントを読んだ時、私は7〜8年も眠っていた公共経済学を思い出し、公共経済学に対する関心が再燃してしまった。
他にも、著者は若者へのメッセージやクールビズ、そして情報機関に対してワンフレーズで感想を述べており、これらフレーズからは激動の時代を生き抜いた男の凄さを垣間見ることができた。
本書を読むことで、読者は私と同様に自分の中で眠っていた何かが目覚めるだろう。そして、著者の発言から応用・発展するだろう。なお、評価は深みが無かったため星4つとしたが、テレビ番組での発言の一部を再構成したので、5段階評価の5に限りなく近い4.8である。
テレビ番組での発言のため、それ程深みは無いと思いがちである。実際、半分以上はそれ程印象に残らなかった。しかし、編者が上手くポイントをまとめているので、一言に含まれる深みが違う。そのため、1割は現在でも頷いてしまうほどの言葉があった。その中でも、私が最も関心を抱いた発言は郵政改革に関するコメントである。
郵政改革について、著者は、「官と民の境界線を明確にする必要があり、これを行わなければ軍事会社が戦争を行うような事態に陥る可能性がある」と指摘していた。このコメントを読んだ時、私は7〜8年も眠っていた公共経済学を思い出し、公共経済学に対する関心が再燃してしまった。
他にも、著者は若者へのメッセージやクールビズ、そして情報機関に対してワンフレーズで感想を述べており、これらフレーズからは激動の時代を生き抜いた男の凄さを垣間見ることができた。
本書を読むことで、読者は私と同様に自分の中で眠っていた何かが目覚めるだろう。そして、著者の発言から応用・発展するだろう。なお、評価は深みが無かったため星4つとしたが、テレビ番組での発言の一部を再構成したので、5段階評価の5に限りなく近い4.8である。
2006年1月26日に日本でレビュー済み
私は良いと思います。大きな文字で書いてあると、一言が意味深いことがわかります。官から民へという小泉内閣に対し、利潤を美徳としている「民」と国民の立場に立つべき「官」の分界線を明示すべきとの言葉は、今の耐震偽装の問題を暗示していますし、立場の弱い人に政治の光を当てるのが政治を担当する者の大きな責任だという言葉は、市場原理で弱者切り捨てのように見える今の政治に大きな警鐘となると思います。
2005年11月23日に日本でレビュー済み
値段の割には、読み応えはないと思います。
ただ、後藤田さんという政治家がどういう主義・主張を持っていた政治家であったのかを知るためには、充分な内容だと思います。
前回の衆議院選終了後、国会開幕と同時に亡くなった後藤田さんは警鐘を鳴らされて亡くなったのではないかなぁ、と思いました。
後藤田さんの発言の中で、「今回(郵政選挙)の自民党の候補者は、自分が政治家になりたいという人しかいないじゃないか」と発言されてました。
やはり、人から必要とされ、その期待に骨身を粉にできるような人物が一人でも多く国会に出てきてもらいたいというのが、後藤田さんの願いであったのではないでしょうか。
そう願っていた後藤田さんは、滅私奉公の政治家であった、というのがこの本を読むと理解できると思います。
ただ、後藤田さんという政治家がどういう主義・主張を持っていた政治家であったのかを知るためには、充分な内容だと思います。
前回の衆議院選終了後、国会開幕と同時に亡くなった後藤田さんは警鐘を鳴らされて亡くなったのではないかなぁ、と思いました。
後藤田さんの発言の中で、「今回(郵政選挙)の自民党の候補者は、自分が政治家になりたいという人しかいないじゃないか」と発言されてました。
やはり、人から必要とされ、その期待に骨身を粉にできるような人物が一人でも多く国会に出てきてもらいたいというのが、後藤田さんの願いであったのではないでしょうか。
そう願っていた後藤田さんは、滅私奉公の政治家であった、というのがこの本を読むと理解できると思います。