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9条どうでしょう 単行本 – 2006/3/1
新しい話をしようじゃないか!!
人気沸騰の哲学者・内田樹が選んだ切れ味鋭い書き手たちによる、かつてない憲法9条論。
- 本の長さ197ページ
- 言語日本語
- 出版社毎日新聞出版
- 発売日2006/3/1
- ISBN-104620317608
- ISBN-13978-4620317601
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商品の説明
著者からのコメント
どうしてかしらと思案したが、やはり書評家たちが「リスク」を避けたというのが
実情ではないかと思う。なにしろこれだけ態度の悪い書き手が四人集まってしまった
わけである。好意的に書評すれば「あの類か……」という致命的な決めつけに業界内
部的に立場を失い、否定的に書評すれば、居丈高に説教垂れる、せせら笑う、向こう
ずねをかっぱらう、パイを投げつけるなど掟破りの反批判を覚悟せねばならない。仮
に私が書評を頼まれてもおそらく遠慮するであろう。こうなれば「その本が存在した
ことさえもできればはやく忘れたい本」として記憶されることを願うばかりである。
抜粋
私たちが本書でめざしたのは、既成の護憲派とも改憲派とも違う「第三の立場」を
探り当て、そこからの眺望を語るということであり、いささか大風呂敷を広げて言え
ば、「護憲・改憲の双方を含めて日本国民を代表する憲法論の可能性を探る」という
ことである。…………私たちが知る限り、「対立者を含めて国民全体を代表する」と
いう野心をうかつに抱く者は、しばしば「国民全員を敵に回す」という最悪の末路を
たどることになる。
私とて無駄に半世紀生きてきたわけではないから、世の中がそういう仕組みであ
ることは熟知している。熟知してはいるが、憲法問題(それは同時に自衛隊問題であ
り、日中・日韓問題であり、日米問題である)についての「ゆるやかな国民的合意」
を形成するためには、(どれほど石もて打たれようと)、どこかで戦後六十年間続い
た「護憲・改憲」の二元論的スキームから逃れ出なければならないという判断は譲れ
ない。
私たちが本書でめざしたのは、護憲・改憲の二種類の「原理主義」のいずれにも
回収されないような憲法論を書くことである。
だが、どういう書き手であればそのような憲法論を書いてくれるだろう。………
登録情報
- 出版社 : 毎日新聞出版 (2006/3/1)
- 発売日 : 2006/3/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 197ページ
- ISBN-10 : 4620317608
- ISBN-13 : 978-4620317601
- Amazon 売れ筋ランキング: - 608,788位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
1950(昭和25)年東京都生まれ。東京大学文学部仏文科卒。現在、神戸女学院大学文学部総合文化学科教授。専門はフランス現代思想。ブログ「内田樹の研究室」を拠点に武道(合気道六段)、ユダヤ、教育、アメリカ、中国、メディアなど幅広いテーマを縦横無尽に論じて多くの読者を得ている。『私家版・ユダヤ文化論』(文春新書)で第六回小林秀雄賞受賞、『日本辺境論』(新潮新書)で第三回新書大賞を受賞。二〇一〇年七月より大阪市特別顧問に就任。近著に『沈む日本を愛せますか?』(高橋源一郎との共著、ロッキング・オン)、『もういちど村上春樹にご用心』(アルテスパブリッシング)、『武道的思考』(筑摩選書)、『街場のマンガ論』(小学館)、『おせっかい教育論』(鷲田清一他との共著、140B)、『街場のメディア論』(光文社新書)、『若者よ、マルクスを読もう』(石川康宏との共著、かもがわ出版)などがある。
映画評論家、コラムニスト。1962年東京生まれ。早稲田大学法学部卒。宝島社社員を経て、洋泉社にて『映画秘宝』を創刊。現在カリフォルニア州バークレーに在住。TBSラジオ「たまむすび」レギュラー。週刊文春などにコラム連載中。映画評論の著作に『映画の見方がわかる本』『ブレードランナーの未来世紀』『トラウマ映画館』『トラウマ恋愛映画入門』など。アメリカについてのエッセイ集に『底抜け合衆国』『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』などがある。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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9条という国内問題で、国内を骨抜きにした結果、外から一方的に占領されたりしたらどうするのか、という恐怖心からは、9条は洗脳カルトみたいに見えると思います。
でも逆に、軍需産業やそれにつらなる勢力が人々を煽って戦争をおこしているという考え方からは、武装して他国を刺激して、そんな自滅してどうするのかという言い方もできます、どうとでもいえます。
憲法9条とそれを可能にする国際関係上の状態とは、国際談合上のバランスで、どっちにでもころぶナッシュ均衡的話題だと思います。その均衡の一要素に日本の民意と、それに反応する中韓の市民の反応などがあります。
>要素(ザル)こうですか?わかりません先生。
>改憲派
アメリカー岸(親日派)
軍需産業
徴兵のオッサン
日本の右翼
>護憲派
オバマ(核廃絶
キッシンジャー(アメリカ&中国)
護憲なオッサン(この本)
中韓の世論
日本の左翼
○再軍備することのメリット、デメリット。
○周辺国の反応。
○徴兵制が必要か。
○人は争わずに生きていけるか。
○地球は水や食料を奪い合わないで、生きていけるための人口をキープできるのか。
○国が困窮化したときに戦争に活路をもとめることがあるのではないか。
○核武装、原発。
○国家対国家は戦争をしないためにはどうしたらいいか。
○日本を再軍備させようとするアメリカのタカ派の思惑はどうしてかわせばいいのか、むしろ乗ったほうが得策なのか。
○北朝鮮などはどうしたらいいか。
イザというときの軍備を他国に任せるなら、その負担を押し付ける理屈、また任せたこによるデメリットは何なのか、経済侵略や人権侵害を受けるのか、煮詰める必要ありそうです。仮に中国共産党が侵略しないと約束しても、政府なんか屁でもない、マフィアや外資は押し寄せるはずです。
内田樹が選出した三人、出版社が毎日というところから、想像される内容。
改憲派を二人交えても、好かったのではという気がしないでもない。
もしくは、全編、二対二の討論で構成しても興味深かったのはず。
平川克美は都はるみの「普通のおばさん」発言と、改憲派の「普通の国」を比較。
「莫迦言え!」と言う方もいらっしゃるだろうが、なかなか筋が通った論調。
小田嶋隆は、得意のサッカーからスタートしたが、成功しているとはあまり思えず。
しかし、あろうことか、終盤に2004年の園遊会における、毎日の商売敵讀賣新聞の記事を紹介している。
以下は、当時の米長邦雄永世棋聖・東京都教育委員と、平成天皇の会話。
米長「日本中の学校で国旗を掲げ、国歌を斉唱させることが仕事です」。
天皇「やはり、強制ではないことが望ましいですね」。
改憲派は、当時の天皇、現上皇のこの発言をどう受け留めるだろう。
右寄りを標榜する方々は、逆に皇室側の国家、国民に対する想いから乖離して来てはいないか。
やや意外な人選だったのが、御本人もそうだと書いている町山智浩。
「てめぇ、映画しか、知らねえじゃん!」」と、言うこと勿(なか)れ。
元在日であり後に帰化、当時からアメリカ在住との立場から、独得の視点で刺戟的に論を展開。
特にP88~、「アメリカの憲法は、(国)旗を焼くどころか、政府と戦う権利すら保障している」という件に注目。
印刷が2006年3月10日、発行が同年3月25日。
ソ連、否、ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルとパレスチナの終わりのなさそうな諍い、北朝鮮と中国の動向。
状況は最悪を更新しつつあるようだが、今なら、各氏、どのような論を立てる?
既に鬼籍に入った小田嶋さん、おなたの意見を聞きたかったよ。
心より、御冥福をお祈り申し上げます。
合掌……。
内田樹さんの本は何冊か読んでいるので大体思った通りの内容でしたが、意外だったのが町山智浩さんで、映画関係やアメリカレポートではよく知っていましたが憲法についても海外の憲法も含めてこれだけ語れる人だとは知りませんでした。自分の出生や苦労話など町山さんの知らない側面がわかって良かったです。まあ、相変わらず話が発散するスタイルは町山さんらしいですが。
小田嶋さんは惜しくも65才の若さで亡くなってしまいましたが、いつも通り抜群の感受性とセンスでズバズバ言っていて痛快です。ちょっと韓国の部分は失礼かと思いましたが、9条を折りたたんで四畳半(4条半)にしてしまえ!というのは爆笑しました。
平川克美さんは今まで読んでことがなく初めてでしたが、内田さんと同じく思想家で改憲派、護憲派の論争以前に、そもそも何故こんな議論になったのかを80年代から振り返って日本人の心境の変化から捉えていて大変面白かったです。
四人に共通しているのは、憲法というのは大局的に国家が進むべき道を示したもので「崇高な理想」であり、法律と違って現実とそぐわないから変えるものではなく、そぐわない時は現実の方を変えていかなければならないということです。
今現在、2023年、憲法改正といった話題は下火になったように思います。と言うか憲法を無視して敵基地攻撃能力を配備しようとしています。憲法を無視しても国民が騒がないことを自民党がわかってしまったからです。
私が思うに安倍晋三が愛国心やら憲法改正やらを言い出したのは、アメリカがもはや世界の警察をするだけの力を失ったので、自衛隊にもっと戦争能力をつけさせたいと考えたのが発端だという気がします。その為には平和憲法が邪魔になる。でもアメリカが作った憲法だからアメリカから変えた方がいいとは言えない。なので日本人に自分で変えさせようとしたのでしょう。
でも日本国民の大部分は平和憲法を愛していると思います。海外派兵できないって日本がアメリカに面と向かって断れる唯一のことじゃないですか?それ以外は全部いいなりだけど。アメリカが作った憲法だからアメリカもこればっかりは日本に強く言えないわけで。
戦後、日本という国は太平洋の端で共産主義と資本主義の境界に位置するという非常に重要な役割を担ってきたのですが、日本がどんな国かと言えば民主主義でありながら社会主義で、何よりも調和を大切にする国民性なので、うまく共産主義と資本主義の間に収まっていると思います。そういうところからして「普通の国」にはなれない宿命なわけで、内田樹さんの言うようにジレンマを抱えながらあがき続けるのが良策かと思いました。
もし平和憲法がなかったら、知り合いの日本人がイラクでイラク兵士を射殺してたり、自分達の会社で作った誘導弾や爆弾で間違ってイラクの子供達を殺していたことになるのですよ。そんなことになっていたら今の日本人像とは全然違う日本人像が出来上がっていたでしょう。しかも今の日本や日本人って海外の人たちから結構人気じゃないですか。大勢の人たちが喜んで日本に観光に来るし。これって、ある意味平和憲法が世界に発信出来ているとは考えられないでしょうか。
願わくは息子も高校生の娘も
戦争なんぞ知らずに一生過ごせますように。
子供らが「戦争を知らない子どもたち」で居続けられる未来を
なんで同じ日本人の大人が奪おうとするのか。
「現状に合わないから変える」なら
変えるべきなのは憲法ではなく現状の方でしょ。
「戦争を始める人たちは、常に戦争に行かない人たちである」という事実を
忘れてはいけない。
この本を読んで始めて町山智浩氏を知ったのだが、なかなか面白い作家だと思った。いや他にも小田嶋隆氏や平川克美氏にしてもそれぞれいい味を出している。内田樹という作家はこれもやっぱり一種の天才なのだろうね。
自分は、憲法・法律論はまったくの素人です、又
テレビの討論番組やネットなどで見かける護憲派の意見(逃げろ、とか非武装論)
には、不快感を感じている、どちらかと言えば改憲派の人間です。
そして、この本の著者は全員護憲派であります。
にも関らず、大変すんなりと読み切れました。
著者の先生方の文章が非常に読みやすく(個人的には小田嶋先生のファン)。
堅苦しくなく、重苦しくも無い快活な文章で憲法の成り立ちや意義が
書かれており、憲法初心者にも大変解りやすい内容になっています。
他のレビュアーの方も書いていましたが、決してサヨクの戯言ではなく、
キチンとした現実感覚に基ずいた憲法論であり、
読んでいて不快な気分になることはまず無いでしょう。
読後うっかりしてると、護憲でも良いか、何て考えたりしてる自分がいるかもwr
今まで憲法について、特に考えた事の無い人達に是非読んでもらいたい
肩の力を抜いて楽しく読める一冊です。