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ことばをめぐる哲学の冒険 単行本 – 2008/6/21

5.0 5つ星のうち5.0 1個の評価

哲学者にして名翻訳者の著者による「ことば」をめぐる壮大な論考。
古今東西の書から、「愛」「誕生」「平和」等の表現を探る。
聖書から文学作品、憲法まで。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 毎日新聞社 (2008/6/21)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2008/6/21
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 288ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 462031885X
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4620318851
  • カスタマーレビュー:
    5.0 5つ星のうち5.0 1個の評価

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長谷川 宏
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上位レビュー、対象国: 日本

2015年10月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 一つの「ことば」について国内外の作品、それも、神話、古典文学、詩、戯曲、
朗読話など、あらゆる文学ジャンルから「ことば」のもつ意味を縦横無尽に掬い
上げ、「ことば」のイメージをふくらませ、哲学的、思想的に解釈している。
文章は、簡潔をきわめ高校生以上であれば十分理解可能である。読者は、著者の
解釈で「ことば」が広く深い景色をもつことに、感銘を覚えるだろう。自分なり
にテーマを選択し同じことができそうな気がする。また、参考文献を是非読みた
くなるのが長谷川マジックである。

 構成は、五章で「愛」「誕生」「亡霊」「平和」「旅」である。これらの言葉
が選択された理由は明確ではないが、「愛」と「誕生」は著者の頭に、すぐ浮か
んだテーマらしい。

 「愛」について、井上陽水『愛は君』から始まる。歌詞の各フレーズの解釈に
「重たい愛」と「軽やかな愛」を感じる原因は、言葉の「重い音」「早く軽い音」
で聞き分ける、という。井上陽水を聴くとなるほどと思う。
 『万葉集』の相聞歌には、恋の喜びに、「苦しさ」「つらさ」「狂おしさ」「不
思議さ」などあり、日本人が身に着けている情念の歴史を解き明かす。日本人が詠
む歌の奥にある思いを「ことば」にすると、「恋心」を捉まえるのが、難しく不安
定なものであることを示している。
 「恋心」の不安定さを、スタンダール『恋愛論』、アラン『定義集』にみる。
恋心が、「論」とか「定義」をはみ出し、それらを超える感情であることを読み解
く。それが人間の心理「動揺、不信、悪意、狂気、絶望」を引き起こし、「近代文
学」のテーマになりえる、とする。

 「誕生」は、久保栄『火山灰地』の、新生児誕生理由の「重苦しい現実」から、
「希望の灯」に、共同体としての村の空気が変わっていく意味を読み解いている。
深沢七郎『笛吹川』を題材にした、「誕生は誰かの生まれ変わり」で不安解消に
つながると云う解釈。『新約聖書』のイエス生誕、ハンナ・アーレント『全体主
義の起源』と、人間から国家の「誕生」を、「はじまり」とする世界観。

 「亡霊」の『ハムレット』で、ハムレットの復讐が優柔不断と云われる理由が
「近代人として日々生きようとするから・・・・」と、彼の近代人としての悩みであ
る、とする。父の亡霊が冷静で理性的であるが、父の亡霊がみえるくらいハムレ
ットは情念の人であるという解釈はおもしろい。
 
 「旅」は、芭蕉『野ざらし紀行』『笈の小文』に、「人生は旅だ」「俳諧は旅
だ」という「漂泊」と孤高の思想を感じている。芭蕉と対照的な紀行文として、
ゲーテ『イタリア紀行』をあげている。

 文献からの引用は最小限度であり、著者の斬新な解釈が各テーマの「旅路」を
楽しませてくれる。著者の『ことばへの道』を読みやすくした内容である。
哲学者の冒険らしい好書である。

 
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