この手のビジネス本っていうのは、たまたま上手くいった個人的な成功を後から振り返って「これが正しい方法だ」と言ったり(これがビジネス本全体の9割かな)、あるいはひどく単純な問題をこう機械的に解けばいいと言ったりするものが多い。その方が本として作りやすいから。
でもそうした本が実際の問題の解決に役立つものでないことは、もうみんな分かってるんじゃないだろうか?
そんな「解法(?)」が単なる結果論に過ぎなかったり(同じことやって死んでいった人もたくさんいるだろう)、内容を分析して唯一無二の正解を導き出せるような問題なんてそもそも無かったり。
本書はそうしたビジネス本の安易なやり方を嫌悪する。
ひたすら考えろ。苦労して考えろ。本書はとにかく頭に汗をかくことを奨励する。
うん、わかったよ、でもどうやって? 本書はその「どう考えるか」を、5つの質問に沿って紹介するものだ。
本書の特徴は、あくまで「実用性」を目指したものでありつつ、その前提となる哲学として可能な限り「人文的なもの」を取り入れているところ。
人文的なものってなんだ? 本書にも「定義がさまざま」とあるように僕にもよくわからん。簡単に言えば昔ながらの知恵や哲学といったところ。
でも昔ながらの哲学って退屈だし、んじゃ実際どうやって生活に適用すればいいのかよくわからんのよね。
ブッダはこう言った、アリストテレスはこう、でもなんとかティウスは・・・やかましい! 俺の明日の問題を解決してくれよ!
本書にもそうした「誰々がこういった」は多く出てくる。
問題を解く鍵になるのは、そうした人たちによって鍛えられた哲学だというもんだから。
でも本書が偉いのは、そこで、こんな概念がありますよー偉人って頭いいですね、あやかりたいですね、で終わってないところ。
きちんと「実用ガイド」なんて項目を作って、それを日常の問題にどう適用するべきかが書いてある。
なんとかティウスがどうだとか鬱陶しい人はここだけ読んだっていいんじゃないかな?
それも、「みんなの影響考ええろ」、「とりあえず一晩寝かせろ」、「組織の政治を考慮しろ」とか、いずれも安易だったり、極端な方法だったりしない。
だから、裏を返せば実用といっても即物的な、簡単な方法じゃない。
上記したようにひたすら「頭に汗をかく方法」を提示するだけだ。
でも、それがグレーな問題に対する唯一のアプローチなのかもしれない。
ちょっとした効用を考えてみて、ああこれが正解だって、それってそもそもグレーな問題じゃないからね。
本書を読んで、グレーな問題が立ちどころに雲散霧消すると思っている人はちょっとアテがはずれるかもしれない。
(実を言うと僕もちょっとそうした期待を持っていたところもある・・・)
でもじっくり読み込んでみて、ここに書かれている質問を通じて日常の問題を考えられるクセがつけられれば、大きな財産になると思う。
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マネージング・イン・ザ・グレー ビジネスの難問を解く5つの質問 単行本(ソフトカバー) – 2019/1/31
Joseph L. Badaracco
(著),
山形 浩生
(翻訳)
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白黒つけがたい問題への回答は何か?当事者も周囲も自分も納得のいく答えの探し方とは?マネージャーあるいは人間として望ましい判断や行動とは?
リーダー/管理職が直面する、複雑な問題について、歴史上の著名人や大企業の社長の事例などもあげながら、何を基準に考えればよいか解説。
5つの簡単な質問を自問することで、問題解決への道筋を開く。
リーダー/管理職が直面する、複雑な問題について、歴史上の著名人や大企業の社長の事例などもあげながら、何を基準に考えればよいか解説。
5つの簡単な質問を自問することで、問題解決への道筋を開く。
- 本の長さ320ページ
- 言語日本語
- 出版社丸善出版
- 発売日2019/1/31
- 寸法21 x 14.8 x 2.5 cm
- ISBN-104621303600
- ISBN-13978-4621303603
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登録情報
- 出版社 : 丸善出版 (2019/1/31)
- 発売日 : 2019/1/31
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 320ページ
- ISBN-10 : 4621303600
- ISBN-13 : 978-4621303603
- 寸法 : 21 x 14.8 x 2.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 105,439位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 643位マネジメント・人材管理
- カスタマーレビュー:
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2019年2月8日に日本でレビュー済み
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2020年4月22日に日本でレビュー済み
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カリスマ経営者のベストプラクティスが掛かれた本をいくら読んでも、何処か特別な人たちの物語として記憶し、現実と向き合った時にそことつながらない自分がいましたが、本書を含め、著者のメッセージは常に現実と向き合っている現役の経営者に語りかけるように勇気を与えてくれる。今起きている事実を正確に直視し、信念をもって判断し決断を下す。シンプルでありながら、自分というものを問われていると感じ、心に響きました。
2020年7月25日に日本でレビュー済み
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ハーバード・ビジネス・スクールでリーダーシップ論などを教えているバダラッコ教授による新著です。本書ではビジネスリーダーが、グレー領域の問題に出くわした際に、自問自答すべき5つの質問群について詳しく解説しています。質問について解説する、ということは裏返せば、グレー領域を解決する万能な「答え」はない、ということであります。答えを求めがちな日本人からすると、強烈な肩透かしをくらった感覚になるのだと思いますが、私は著者の主張に完全に同意できます。グレー領域に直面したら、最後はいかに広く深くその影響を考えることができ(第1)、自分の責務に照らし合わせ(第2)、実務的な側面を熟慮し(第3)、自分が所属する組織(会社等)の価値観に照らしてどうかを考え(第4)、最後は自分が納得できるのか(第5)、ということに尽きるのでしょう。第1から第3の質問までは分析的な要素が強いですが、第4、第5は組織や自分自身のミッションや価値観、倫理観が問われてくるわけです。
2020年7月時点、世界はまだ新型コロナウイルス感染拡大が収束していませんが、この5つの原則は政治リーダーたちにも深く心に刻み込むべきです。意思決定のための時間の猶予が少ないことはわかっているのですが、日本の政治家がこの5つの質問を少しでも実践したら、政治家の発言から「苦渋の決断である」ことがにじみ出てくるのではないかと思うのです。本書、書かれていることは明快の真逆と言ってもよく、一度読んでも完全には腹落ちしないので、2回は読む必要があるかと思います。唯一おしむらくは、翻訳の質が低く、誤字脱字も多いということでしょうか。増刷時の改善を望みます。
2020年7月時点、世界はまだ新型コロナウイルス感染拡大が収束していませんが、この5つの原則は政治リーダーたちにも深く心に刻み込むべきです。意思決定のための時間の猶予が少ないことはわかっているのですが、日本の政治家がこの5つの質問を少しでも実践したら、政治家の発言から「苦渋の決断である」ことがにじみ出てくるのではないかと思うのです。本書、書かれていることは明快の真逆と言ってもよく、一度読んでも完全には腹落ちしないので、2回は読む必要があるかと思います。唯一おしむらくは、翻訳の質が低く、誤字脱字も多いということでしょうか。増刷時の改善を望みます。
2021年5月4日に日本でレビュー済み
まるで新しいことを書いているかのようにいろいろと、あれもあるこれもあると書き連ねているが、AHP(階層分析法; Analytic Hierarchy Process)と何が違うのか分からない。この本を読むなら、AHPで引っかかる方の本を読んだ方がずっと役に立つ。
2020年4月30日に日本でレビュー済み
アメリカのマサチューセッツ州にある繊維工場。何十年と地元に大きな雇用を生み出してきたが、ある時、大規模粉塵火災が発生してしまい、すべての操業が停止してしまう。事故の一報を受け現場に駆け付けた経営者は、即座にすべてを再建し、従業員の雇用も保証すると宣言。実際に何百億円という投資を行い、すべての機器を最新のものにして立て直す。メディアにも大々的に取り上げられ、数々の栄誉表彰を受ける。しかしその工場を経営する企業は、再建にかかった負担の重荷に耐え切れず、事故からわずか数年後に倒産してしまう。
長年の努力で、多発性硬化症という難病に対する治療薬を開発した、小さなバイオベンチャー。非常に優れた効果を発揮し、市場に一気に浸透する。しかしそれから、一部の患者に副作用が生じ、脳に深刻な病気を引き起こす可能性のあることが発覚。薬の流通をすぐさまストップし、投与された患者に即座に事実を公表するべきだっかもしれない。しかし経営者はそれをせず、水面下で慎重に調査を進め、多くの患者が薬の恩恵を受けながらも、副作用の被害が最小限に抑えられる方法を、我慢強く着実に実行していった。
経営に携わっていると、時に訪れる「深刻な事態」。誰も答えがわからない。わかったとしても、本当に実行できるのかどうかも確証ない。そんな事態を何とかして切り抜けるための考え方の違いについて、様々な実例をケースに取り上げつつ、ガイダンスを行う本。著者のバダラッコ先生はハーバードビジネススクールの教授ですが、哲学で修士号を取得されているそうで、古今東西の哲学者の考え方や、近年発展が目覚ましい進化論なども援用されています。
何か深刻な事態が起こってしまった時、自分ならどう対処するかを、これでもかというほど考えさせられます。事実はどうなっているのか。どれほどの影響が出てしまいそうか。自分たちに取り得る選択肢はどれほどあるのか。選択肢は人の道を外れてはいないか。そもそも自分たちはどうしたいのか。そして、自分自身はどうしたいのか。まだまだ経営の中枢には程遠い自分ですが、末端の管理職の職務においても、大きな責任を伴う判断をしなければならない時の「判断軸」を与えてもらった気がします。いや、その軸を自分で作り上げるための方法について、ヒントをもらったという方が正しいかもしれません。
マネージャーの立場になると、これまで自分が信条としていた「即断即決」だけでは、うまくいかないなと思うことが増えました。その判断により、どのような影響が発生するか。その判断は、人の道を外れてはいないか。その判断は、組織の理念を表したものになっているか。その判断は、自分の価値観に沿ったものか。参照しなければならない軸があり過ぎるんですよね。でも、こうした難しい判断や決断の経験を増やすことが、これからの自分の未来を拓く糧になるんだと信じて、今は耐え抜きます。
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