レヴィ＝ストロースの「悲しき熱帯」もそうだったが、この本も非常に文学的な文化人類学の本である。
現象学的な手法を用いて、「貧困の文化」の存在を立証しようと試みた意欲的な著作であるとともに、ライフ･ストーリーアプローチに基づいて質的調査を行う際、どのような記述を提示すればよいのかの格好の例を提示してくれている。ここから、筆者が「貧困の文化」概念をどう立証したのかはよくわからないものの、読むのが面白い著作であることは確かである。
かなり長く分厚いものの、よくまとまっている。
一読の価値はあるだろう。
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