この本は、デカルトの言うところの理性の領分に言語を位置付けてきた研究の歴史的概観が行われ、著者はそして変形生成文法をそのような研究の流れの中に位置付けようとしています。著者は先行研究の問題点を認めながらも、変形生成文法はポール・ロワイヤル学派の現代版に他ならないとしています。
本書は6章よりなります。第1章では本書の目的が述べられています。第2章では、デカルトやその他の研究者の文章を引用しながら、言語は動物的な本能の領分ではなく、創造的な活動を可能にする理性に属するものであると言うことを述べています。第3章では深層構造と表層構造についてで、ポール・ロワイヤル学派ははやくも17世紀頃にはこの2つを区別していたということを指摘し、変形生成文法との関係性について記述しています。第4章では、個別言語の研究とすべての言語に共通すると考えられる普遍原理の探求の違いについて説明しています。チョムスキーはもちろん、普遍原理の探求こそが重要と考えていますが、言語の普遍原理は彼がデカルト派言語学と呼ぶ先人たちも解明を試みてきたものであるということを指摘しています。第5章は、言語の習得と使用に関して議論しています。習得は根底にある言語の普遍的原理があるからこそ可能になり、使用は根底の生成規則体系を利用しなければならないとしています。そして第6章は本書の要約となっています。
この本を読むことを通して、生成文法が一体何をしようとしているのか、少し深く理解できたような気がします。また、ポール・ロワイヤル学派の言語研究には驚かされます。
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デカルト派言語学―合理主義思想の歴史の一章 単行本 – 1976/10/1
- 本の長さ160ページ
- 言語日本語
- 出版社みすず書房
- 発売日1976/10/1
- ISBN-104622019744
- ISBN-13978-4622019749
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登録情報
- 出版社 : みすず書房 (1976/10/1)
- 発売日 : 1976/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 160ページ
- ISBN-10 : 4622019744
- ISBN-13 : 978-4622019749
- Amazon 売れ筋ランキング: - 156,816位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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