これは「イェルサレムのアイヒマン」についての本ではない。
「悪」についての本である。
特定の時代、特定の政権下、特定の歴史背景の中で起きた事件を取り上げてはいるが、
実は、そういった時代に生きた、
「アイヒマン」という名の人間が体現した、普遍的な「悪」についての本なのだ。
もちろん、国家社会主義労働者党、ヒトラー政権下での戦時犯罪行為に関わることなので、
ある程度の予備知識があるとより深く読むことはできるが、
逆に「ナチス」「ホロコースト」「イスラエルによる追及」などに気を取られ過ぎると、
この本の真の意味は見えてこない。
もちろん、そういった一次史料としても充分価値はあるのだが、
「ナチスのアイヒマン」の事を書いた本だと思い込まない方が良い。
では、この本に書かれたうち、真におそるべきことは何か。
今、あなたの身近にこんな人がいる。あなた自身であるかもしれない。
社会的に有能で、職務のために力を尽くし、それを楽しみ、
仕事の成果に責任と自信を持つ。
なんら欠点ではない。
むしろ賞賛され、おそらく現代のどの文化にあっても、立派な社会人と見なされるだろう。
これができてこそ一人前、とも言われているようだ。
アイヒマンにとって、その仕事が「ユダヤ人問題」だったというだけのことだ。
自分の仕事に誇りを持ち、能力を信じ、上司や部下と協力し、全力で職務に励む。
自他共に認める「ユダヤ人問題のスペシャリスト」が、アイヒマンだった。
そのことに戦慄する。
「ホロコースト」の邪悪さについてはいまさら言うまい。
同じ人間を、民族や文化や思想、あるいは性的指向が異なる、肉体的精神的障碍がある、
というだけで、隔離し酷使し、人体実験の対象にし、
「使えない」ものは壊れた道具のように「処理」する。
「悪」の一つであろう。
「ドイツ第三帝国」が降服した後、明らかにされた絶滅収容所の様子を見れば、
頭で考える前に体が反応する。これは紛れもなく「悪」だ、と。
しかしその邪悪を為したのは、実に効率的に仕事に取り組む、真面目な人間たちであったのだ。
家族を愛し、友人を大切にし、仕事に励む。
そういう人物である、おおぜいの「アイヒマン」たちが、
ユダヤ人やロマ、障碍者や同性愛者らを「処理」したのである。
このことの意味を真に理解しなければ、
この本の価値はわからないだろう。
アイヒマンは人外の鬼などではない。
広島と長崎に原子爆弾を投下した人々も鬼ではない。
アジアの人々を手にかけた私たちの父祖も鬼ではない。
凡庸さが、戦慄すべき「悪」になる時、
そこに何の力が働くのかを見極めようとした本書は、
紛れもない傑作だ。
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イェルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告 単行本 – 1969/9/21
ダブルポイント 詳細
アウシュヴィッツのナチ将校、アイヒマン裁判への透徹した観察。〈悪〉の陳腐さを衝いた問題作。
■ 映画「ハンナ・アーレント」(マルガレーテ・フォン・トロッタ監督)
2013年10月26日岩波ホールほか、全国順次ロードショー。
世界的スキャンダルを巻き起こした、ナチス戦犯アイヒマンの裁判レポート。
60年代初頭、悪とは何か、愛とは何かを問い続けた哲学者アーレント、感動の真実。
*************
「この本は全体として思考の独立性のすばらしい証言です。
……彼女が哲学的にも思想的にも徹底した、アウグスティヌスの愛の概念についての研究で正学位を得たとき、
それもまだごく若く、たしか23歳だったと思いますが、
教授資格を得るようにと人々は勧めました。それを彼女は拒絶した。
彼女の本能は大学を拒んだ。彼女は自由でありたかったのだ。
1933年に彼女は著述を一切放棄した。……彼女はユダヤ人の目的のための実践活動に入り、シオニスト協会に加入した。
……戦争中彼女は評論を書きはじめました。大抵政治的なものです。戦後になって一作また一作と著書があらわれた。
……彼女がそれによって生きる根本のものは、真理への意志、真の意味における人間的存在、
幼年時代にまで見られる限りない誠実、そしてまた、逮捕(1933)と証券なしの国外移住のときに味わった極度の孤独の経験です。」ヤスパース、1965
ハンナ・アーレントは1906年生れのユダヤ人。ヤスパースのほかに、ブルトマン、ハイデッガー、
フッサールについて学んだ。亡きシモーヌ・ヴェイユとならび、今日もっとも大きな知的影響力をもつ女性である。
【目次抄】
読者に
第1章 法廷
第2章 被告
第3章 ユダヤ人問題専門家
第4章 第一の解決――追放
第5章 第二の解決――強制収容
第6章 最終的解決――殺戮
第7章 ヴァンゼー会議、ポンテオ・ピラト
第8章 法を守る市民の義務
第9章 ライヒ――ドイツ、オーストリアおよび保護領――からの移送
第10章 西ヨーロッパ――フランス、ベルギー、オランダ、デンマーク、イタリア――からの移送
第11章 バルカン――ユーゴスラヴィア、ブルガリア、ギリシャ、ルーマニア――からの移送
第12章 中欧――ハンガリア、スロヴァキア――からの移送
第13章 東方の殺戮センサー
第14章 証拠と証人
第15章 判決、上告、処刑
エピローグ
あとがき
■ 映画「ハンナ・アーレント」(マルガレーテ・フォン・トロッタ監督)
2013年10月26日岩波ホールほか、全国順次ロードショー。
世界的スキャンダルを巻き起こした、ナチス戦犯アイヒマンの裁判レポート。
60年代初頭、悪とは何か、愛とは何かを問い続けた哲学者アーレント、感動の真実。
*************
「この本は全体として思考の独立性のすばらしい証言です。
……彼女が哲学的にも思想的にも徹底した、アウグスティヌスの愛の概念についての研究で正学位を得たとき、
それもまだごく若く、たしか23歳だったと思いますが、
教授資格を得るようにと人々は勧めました。それを彼女は拒絶した。
彼女の本能は大学を拒んだ。彼女は自由でありたかったのだ。
1933年に彼女は著述を一切放棄した。……彼女はユダヤ人の目的のための実践活動に入り、シオニスト協会に加入した。
……戦争中彼女は評論を書きはじめました。大抵政治的なものです。戦後になって一作また一作と著書があらわれた。
……彼女がそれによって生きる根本のものは、真理への意志、真の意味における人間的存在、
幼年時代にまで見られる限りない誠実、そしてまた、逮捕(1933)と証券なしの国外移住のときに味わった極度の孤独の経験です。」ヤスパース、1965
ハンナ・アーレントは1906年生れのユダヤ人。ヤスパースのほかに、ブルトマン、ハイデッガー、
フッサールについて学んだ。亡きシモーヌ・ヴェイユとならび、今日もっとも大きな知的影響力をもつ女性である。
【目次抄】
読者に
第1章 法廷
第2章 被告
第3章 ユダヤ人問題専門家
第4章 第一の解決――追放
第5章 第二の解決――強制収容
第6章 最終的解決――殺戮
第7章 ヴァンゼー会議、ポンテオ・ピラト
第8章 法を守る市民の義務
第9章 ライヒ――ドイツ、オーストリアおよび保護領――からの移送
第10章 西ヨーロッパ――フランス、ベルギー、オランダ、デンマーク、イタリア――からの移送
第11章 バルカン――ユーゴスラヴィア、ブルガリア、ギリシャ、ルーマニア――からの移送
第12章 中欧――ハンガリア、スロヴァキア――からの移送
第13章 東方の殺戮センサー
第14章 証拠と証人
第15章 判決、上告、処刑
エピローグ
あとがき
- ISBN-104622020092
- ISBN-13978-4622020097
- 版〔新装版〕
- 出版社みすず書房
- 発売日1969/9/21
- 言語日本語
- 本の長さ272ページ
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商品の説明
出版社からのコメント
内容(「MARC」データベースより)
ナチの中心人物の1人、オットー・アドルフ・アイヒマンは、1960年5月ブエノス・アイレス近郊で逮捕され、61年4月エルサレムで裁判された。本書はその取材報告。1969年刊の新装版。
著者について
ハンナ・アーレント
Hannah Arendt
1906-1975。ドイツのハノーファー近郊リンデンでユダヤ系の家庭に生まれる。マールブルク大学でハイデガーとブルトマンに、ハイデルベルク大学でヤスパースに、フライブルク大学でフッサールに学ぶ。1928年、ヤスパースのもとで「アウグスティヌスの愛の概念」によって学位取得。ナチ政権成立後(1933)パリに亡命し、亡命ユダヤ人救出活動に従事する。1941年、アメリカに亡命。1951年、市民権取得、その後、バークレー、シカゴ、プリンストン、コロンビア各大学の教授・客員教授などを歴任、1967年、ニュー・スクール・フォー・ソーシャル・リサーチの哲学教授に任命される。
著書『アウグスティヌスの愛の概念』(1929、みすず書房2002)『全体主義の起原』1-3(1951、みすず書房1972、1974)『人間の条件』(1958、筑摩書房1994)『ラーエル・ファルンハーゲン』(1959、みすず書房1999)『イェルサレムのアイヒマン』(1963、みすず書房1969)『革命について』(1963、筑摩書房1995)『暗い時代の人々』(1968、筑摩書房2005)『過去と未来の間』(1968、みすず書房1994)『暴力について――共和国の危機』(1969、みすず書房2000)『精神の生活』上下(1978、岩波書店1994)他、没後に編集されたものに『アーレント政治思想集成』全2巻(みすず書房2002)『思索日記』全2巻(法政大学出版局2006)『責任と判断』(筑摩書房2007)『政治の約束』(筑摩書房2008)『反ユダヤ主義――ユダヤ論集 1』『アイヒマン論争――ユダヤ論集2』(みすず書房2013)など、またヤスパース、ハイデガー、メアリー・マッカーシーとの往復書簡集も邦訳されている。
Hannah Arendt
1906-1975。ドイツのハノーファー近郊リンデンでユダヤ系の家庭に生まれる。マールブルク大学でハイデガーとブルトマンに、ハイデルベルク大学でヤスパースに、フライブルク大学でフッサールに学ぶ。1928年、ヤスパースのもとで「アウグスティヌスの愛の概念」によって学位取得。ナチ政権成立後(1933)パリに亡命し、亡命ユダヤ人救出活動に従事する。1941年、アメリカに亡命。1951年、市民権取得、その後、バークレー、シカゴ、プリンストン、コロンビア各大学の教授・客員教授などを歴任、1967年、ニュー・スクール・フォー・ソーシャル・リサーチの哲学教授に任命される。
著書『アウグスティヌスの愛の概念』(1929、みすず書房2002)『全体主義の起原』1-3(1951、みすず書房1972、1974)『人間の条件』(1958、筑摩書房1994)『ラーエル・ファルンハーゲン』(1959、みすず書房1999)『イェルサレムのアイヒマン』(1963、みすず書房1969)『革命について』(1963、筑摩書房1995)『暗い時代の人々』(1968、筑摩書房2005)『過去と未来の間』(1968、みすず書房1994)『暴力について――共和国の危機』(1969、みすず書房2000)『精神の生活』上下(1978、岩波書店1994)他、没後に編集されたものに『アーレント政治思想集成』全2巻(みすず書房2002)『思索日記』全2巻(法政大学出版局2006)『責任と判断』(筑摩書房2007)『政治の約束』(筑摩書房2008)『反ユダヤ主義――ユダヤ論集 1』『アイヒマン論争――ユダヤ論集2』(みすず書房2013)など、またヤスパース、ハイデガー、メアリー・マッカーシーとの往復書簡集も邦訳されている。
登録情報
- 出版社 : みすず書房; 〔新装版〕 (1969/9/21)
- 発売日 : 1969/9/21
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 272ページ
- ISBN-10 : 4622020092
- ISBN-13 : 978-4622020097
- Amazon 売れ筋ランキング: - 322,588位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 96位ドイツ・オーストリア史
- - 832位ヨーロッパ史一般の本
- - 61,199位ノンフィクション (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年12月15日に日本でレビュー済み
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2011年1月22日に日本でレビュー済み
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アイヒマンは全世界の注目を集める裁判で証言する度に凡庸さをあからさまにし、識者の失望を買い、それが故に更なる憎しみを買う立場になってしまう。
彼が従容として刑に処せられる所は強烈な悪の意思も心からの悔悛も見られず、思い込みが激しい性質のアイヒマンが殉教者的な高揚感を持って死んでいった事を冷徹に描写している。
本書ではアルゼンチンで被告を拉致した裁判の正当性に疑問を呈し、大虐殺がユダヤ人の協力無しでは行い得なかった事等多岐に渡って分析がされているが、それでもアイヒマンは死刑にされるべきであると結論付けている。
アイヒマンが全人類に対する罪で裁かれる事が順当で、我々が所属している国家の政治に対して責任を負わねばならないとしたら、倫理的には当然先進国の住民が後進国に、さらに先祖が子孫に対しても、資源の乱獲、環境の汚染等も全て責任を取らねばならないのだろう。
本書でも「政治」に物事を限って問題が余りにも拡大・拡散するのを防いでいるがそれでも有事の際には個人が責任を持たなければいけない範囲の重大さには考えさせられた。
彼が従容として刑に処せられる所は強烈な悪の意思も心からの悔悛も見られず、思い込みが激しい性質のアイヒマンが殉教者的な高揚感を持って死んでいった事を冷徹に描写している。
本書ではアルゼンチンで被告を拉致した裁判の正当性に疑問を呈し、大虐殺がユダヤ人の協力無しでは行い得なかった事等多岐に渡って分析がされているが、それでもアイヒマンは死刑にされるべきであると結論付けている。
アイヒマンが全人類に対する罪で裁かれる事が順当で、我々が所属している国家の政治に対して責任を負わねばならないとしたら、倫理的には当然先進国の住民が後進国に、さらに先祖が子孫に対しても、資源の乱獲、環境の汚染等も全て責任を取らねばならないのだろう。
本書でも「政治」に物事を限って問題が余りにも拡大・拡散するのを防いでいるがそれでも有事の際には個人が責任を持たなければいけない範囲の重大さには考えさせられた。
2020年2月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
何方かの蔵書だったらしく、蔵書印が押してあります。経年劣化は有りますが、これは止むをえない事。私の所蔵する書籍より余程きれいです。大切にしていたようです。新本ではとても手の出る価格ではありませんし、私としては満足です。文庫版があるかどうか分かりませんが、ハードカバー本の方が嬉しい。元々余り売れていない本だと思いますので、暫く楽しめます。ハイデッガー、ヤスパースからこの著者,ハンナ・アーレントに辿り着きました。
2014年11月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ナチズムにも共産主義にも反対したハンナ・アーレントがあたかもアイヒマンを擁護したかのように思え、矛盾を感じる読者も多いと思うが、彼女は「悪」は「普通の人間」が犯すものだと主張したかったのに相違ありません。同じ頃アマゾンで買ったDVD『スペシャリスト~自覚なき殺伐者~』は白黒映画ながら「イェルサレムのアイヒマン裁判」を迫真の映像で描き出しています。彼はどう見ても「普通の人間」です。この「普通の人間」が「普通でない人間」ヒトラーの命令に唯々諾々と職務に従って重視したところに改めて「権力」というものお恐ろしさを思い知りました。アーレントは本書に収められている緒論項のため、古くからの多くの友人を失い、敵に回してしまいました。それでもあくまで自分の信念に忠実であろうとした彼女に対して私は尊敬の念を禁じ得ません。
2014年4月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「イェルサレムのアイヒマン」という題名のイェルサレム(エルサレム)を付けた意味が前半でわかりました。イェルサレムで行われた裁判という意味も一部あるんですね。アイヒマンの行った行為が許されるわけもないが、いろんな思惑があったことも事実。法の裁きがどれだけ難しいか・・。「悪の陳腐さ」とありますが悪に陳腐さはあるのでしょうか?アイヒマンの悪は戦争の時代でなければ悪として現れなかったものかも知れない・・。裁きの陳腐さの方がずっと変わらない。
アマゾンに言論の自由を!!!!!
アマゾンに言論の自由を!!!!!
2008年8月5日に日本でレビュー済み
字が細かく訳が日本語としてこなれていなく
当時の状況が(今のもですが)よくわからなくて。
なにかやたらと皮肉っぽい語り口の意味もわからず
その上アイヒマンという人間が気持ち悪く、
とりあえず苦労して読み終えたけど・・
ただわかったのは、
私はあまり頭がよくない。
そして徹底的に部外者だ。
ユダヤ人のナチ協力者を非難するアーレントに
どういう同意も反論もできません。
とても苦しい読書でした。
当時の状況が(今のもですが)よくわからなくて。
なにかやたらと皮肉っぽい語り口の意味もわからず
その上アイヒマンという人間が気持ち悪く、
とりあえず苦労して読み終えたけど・・
ただわかったのは、
私はあまり頭がよくない。
そして徹底的に部外者だ。
ユダヤ人のナチ協力者を非難するアーレントに
どういう同意も反論もできません。
とても苦しい読書でした。
2014年2月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
短いセンテンスを繰り返し繰り返し 反芻しても、頭の悪い爺さんには理解出来ない・・・ないようではない!・・・文章に毎ページ毎ページでくわす、つらさ!!! しかし、ハンナ・アーレントの思想の素晴しさだけで、とうとう182ページまで到達した!これを読みおえたら、映画『ハンナ・アーレント』の原作本をかって、40年間ほったらかしのわがドイツ語でと見返す事にした!ひとさまの翻訳に頼るのは、この『イェルサレムのアイヒマン』でこりたから・・・。五つ星は、彼女の思想に対してで,書籍としてはだめですね。Amazonの流通物の外見的評価も 五つ星 でした!!!。Danke-Good!
2014年2月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アイヒマン裁判について書かれていますが、全体にハンナ・アーレントの哲学理論が書かれていて、少しむずかしいようです。日本語訳がこなれていない所もあって、英語の方がわかりやすいのかなと思いました。今ならもう少しわかりやすく翻訳するのでしょうが、1969年(初版)なので仕方がないかなとも思います。本の価値としてはかなり良いです。