この本の中に収録されている一説が「安楽の全体主義」(確か)である。
現代という時代を、切れ味鋭く批判する藤田省三の文章はさすがである。
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全体主義の時代経験 (藤田省三著作集 6) 単行本 – 1997/10/1
藤田 省三
(著)
全体主義の時代経験
- 本の長さ243ページ
- 言語日本語
- 出版社みすず書房
- 発売日1997/10/1
- ISBN-10462203106X
- ISBN-13978-4622031062
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登録情報
- 出版社 : みすず書房 (1997/10/1)
- 発売日 : 1997/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 243ページ
- ISBN-10 : 462203106X
- ISBN-13 : 978-4622031062
- Amazon 売れ筋ランキング: - 772,621位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2006年10月13日に日本でレビュー済み
父子ほども年の離れた友人に「藤田省三」を読んだと言ったら不思議な顔をされた。昔は恐ろしい堅物だったそうだ。確かに、若者が喜ぶような軽やかな思想書ではない。結局、それは本書に至るまで変わらなかったのかもしれない。だけど、本書で初めて藤田省三の言葉に触れたとき、僕はそうとばかりは思えなかった。ここには恐ろしく日常に根ざした思想がある。それゆえ、理解せざるをえない。僕らの肉体感覚をも浸食する消費社会の病巣を、内視鏡でもって見せつけられるかのような痛々しさがある。それゆえ、とても苦しい。だからこそ、肉体を貫く言葉の強さがある。読むことによって、思想というものが、頭にでなく背中に宿る。われわれが見ないように生きている歴史の重さを知ってしまう。中途半端に社会に併合しようとする現在の評論家たちは、本当はこの重みに耐えられないだけ。だから9.11なんかにすぐ飛びついて、これぞとばかりに過去を切り捨てる。本書を彩る悲しみを、明るさとは言わないまでも、屈しない強さの肥やしとしたい。
2005年11月21日に日本でレビュー済み
藤田省三こそが最後の思想家になってしまうのだろうか。本書は、事実上藤田氏の最後の本といっていいだろう。表題の「全体主義の時代経験」は冒頭の論文である。「全体主義」という用語は、いうまでもなくハンナ・アレントやフランクフルターを通じて、日本に紹介された。この全体主義という語を、実に上手くつかいこなし、日本の戦後「企業主義」ともいえる資本主義の内面掌握力を説明したのが、この論文である。「神の視点」、あるいは「徹底して疎外されたところの視点」からの分析は、フランクフルターの視点であり、諦念の思想に基づいている。かつてアントニオ・グラムシは「知性の悲観主義」といったが、ここまでそれを徹底した思想家は、日本にはそうはいない。この藤田の論文を真に受けると、死ぬしかない。そうしないため、少なくとも現代を生き抜く同伴の書として、傍らに常に置いておきたい本である。