誤解を恐れずに、私の理解力の無さを恥を忍んで明らかにして云うと、他の作品に比べると
心的描写や時間錯誤が多いのでやや難解な内容です。
時期的にはサン＝テグジュペリがキャップ・ジュピーの飛行場長をしている時代なので中半でしょうか。
作品としては処女作です。
作品中に出てくるジュヌヴィエーヴが誰に相当するのかを理解出来ないと、これまた話が理解しにくくなります。
（後に結婚したコンスエロではないという事は、時代的にも分かるでしょうが... まだ出会ってない筈...）
非常にお薦めできないのですが、読書中にあまりにも苦しくなったら「訳者あとがき」を盗み見るのも「手」です。
サン＝テグジュペリの作品は、まず一つ（「星の王子さま」以外で）を読んで気に入ったら、この人の背景を
じっくりと追いかけてからの方が、ただ読むよりは理解が深まると思います。
そういう意味では、「サン＝テグジュペリの生涯」はとてもいい伝記でした。
箱根にある「箱根サン＝テグジュペリ 星の王子さまミュージアム」は、サン＝テグジュペリの素顔を知るのに
最適な資料集です。ドーラやギヨメの写真を見、ギヨメ達、昔の僚友が一人ずつ消息を絶って行く過程を観ると
涙が出そうになりました。
こうした作品の後に「星の王子さま」があるのであって、最初にあるのではないのです。
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