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地に呪われたる者 (みすずライブラリー) 単行本 – 1996/9/1
- 本の長さ344ページ
- 言語日本語
- 出版社みすず書房
- 発売日1996/9/1
- ISBN-104622050048
- ISBN-13978-4622050049
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
アルジェリア革命の中、民族解放戦線に身を投じた著者が、死の直前に著したもの。植民地秩序こそ暴力であるとし、人間の人間に対する支配・差別を問い、全的解放を謳う、ポスト・コロニアル批評の原点。再刊。
登録情報
- 出版社 : みすず書房 (1996/9/1)
- 発売日 : 1996/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 344ページ
- ISBN-10 : 4622050048
- ISBN-13 : 978-4622050049
- Amazon 売れ筋ランキング: - 449,410位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年4月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
フランツ・ファノンは革命家であるが、この『地に呪われたる者』もまた革命の書らしい難解さを伴っている。政治の季節と呼ばれる時節にあって多くの知識人らが、複製された世界観とも言うべきイデオロギーを盲信するが、彼らは所詮、諸学者に過ぎず世界そのものに真っ向から挑んだ革命的哲学者ではない。が、ポストコロニアリズムを一貫して唱えながら、若くして病に倒れたファノンは聡明なる世界観の創造者であると思う。また、これほどまでに、深く読み込んだ書物はない。多くの人々に、特に多くの若者に読まれて欲しい。
2005年11月24日に日本でレビュー済み
植民地秩序とはいかなるものか。植民地秩序の下で生活するとはどのようなことか。我々はそれをなかなか想像できない。その悲惨な状況がファノンの熱情的な筆致によって目の前に描き出されたとき、読者は心を激しく揺さぶられる。
自らのアイデンティティまでもが植民地秩序の影響にさらされ歪んでしまうこと。地に「呪われたる」とファノンが言うのはこのことである。植民地に生まれたものは、自らを劣ったものとして表象してしまうのだ。
その劣った者としての表象を背負った「現地人」は独立の過程で植民者になりかわろうとする(植民者の占めていた地位に自分が立とうとする)が、他の「現地人」とすぐに利害が対立し相容れなくなり、それが植民地の自立をさらに難しくする。独立のし難さだけでなく、独立を果たした後にまで付きまとうこの「地」の「呪い」は、植民地秩序の恐ろしさを我々に物語っている。
本書は、序文を書いたサルトルの言うように、先進国の者に向けたものではない。本書は「呪われたる者」に向けて書かれたものである。しかし、旧植民地下にあった国々の民族や文化を理解する上で、本書は極めて示唆的な視点を我々に与えてくれる。先進国にいる我々は、彼らのこの叫びを真摯に受け止めねばならないだろう。「呪い」は容易には消え去らないのである。
自らのアイデンティティまでもが植民地秩序の影響にさらされ歪んでしまうこと。地に「呪われたる」とファノンが言うのはこのことである。植民地に生まれたものは、自らを劣ったものとして表象してしまうのだ。
その劣った者としての表象を背負った「現地人」は独立の過程で植民者になりかわろうとする(植民者の占めていた地位に自分が立とうとする)が、他の「現地人」とすぐに利害が対立し相容れなくなり、それが植民地の自立をさらに難しくする。独立のし難さだけでなく、独立を果たした後にまで付きまとうこの「地」の「呪い」は、植民地秩序の恐ろしさを我々に物語っている。
本書は、序文を書いたサルトルの言うように、先進国の者に向けたものではない。本書は「呪われたる者」に向けて書かれたものである。しかし、旧植民地下にあった国々の民族や文化を理解する上で、本書は極めて示唆的な視点を我々に与えてくれる。先進国にいる我々は、彼らのこの叫びを真摯に受け止めねばならないだろう。「呪い」は容易には消え去らないのである。
2012年2月20日に日本でレビュー済み
フランツ・ファノンは、フランス領マルチニック島に黒い皮膚のマルチニック人として生まれ、生きていれば今年84歳ですが、今から48年前の1961年12月6日に、ワシントンの病院でわずか36歳で亡くなった精神科医・革命家です。
高校生の頃、私の部屋にはフランツ・ファノンと魯迅のポートレートが貼ってありました。作品を熱心に読みますがファンというのと少し違って、怠惰な自分を奮い立たすためというか、何か困難なことに出会ったり、くじけそうなことがあるといつも、その著作をひも解いて自らを鼓舞するようにして来ました。実際に何度それで助けられたかわかりません。
彼は『黒い皮膚・白い仮面』(1952年)『革命の社会学』(1959年)『地に呪われたる者』(1961年)『アフリカ革命に向けて』(1964年)という4冊の書物だけを残しました。
まったく今まで思ってもみなかったことですが、つい先ほど『地に呪われたる者』というタイトルの「呪われたる者」というのは、ひょってして、あの革命歌『インターナショナル』の冒頭の・・・・
♪起て 飢えたる者よ 今ぞ日は近し
覚めよわが同胞(はらから) 暁は来ぬ
暴虐の鎖断つ日 旗は血に燃えて
海をへだてつわれら
腕(かいな)むすびゆく
♪いざ たたかわん いざ
ふるいたて いざ
ああ インターナショナル
われらがもの
・・・の「飢えたる者よ」と同義語ではないかと思って調べてみると、これは佐々木孝丸・佐野碩訳で、違うもので翻訳者不明ですが「プロレタリア歌曲集(無産社版)」では、なんと確かに「呪われし者」になっているではありませんか。
本書は、5つの章に分けて構成。
1 暴力
2 自然発生の偉大と弱点
3 民族意識の悲運
4 民族文化について
5 植民地戦争と精神障害
これは、本来は私たちにむけて書かれたものではありません。ただ抑圧された植民地現地人だけのために、植民地支配とはどういうものかを分析し、起ちあがる必然性があると説きます。
「今日、人間の真正な解放に逆らって戦っている帝国主義は、あちこちに腐敗の芽をばらまいている。それをわれわれはわが大地から、わが頭脳から、仮借なく検出し、えぐりとらねばならない。」
この本を彼は、白血病に侵されながらも10週間で書き上げ、アルジェリア革命の成功を見ることのないまま亡くなってしまいました。
記述日 : 2009年12月6日 04:32:06
高校生の頃、私の部屋にはフランツ・ファノンと魯迅のポートレートが貼ってありました。作品を熱心に読みますがファンというのと少し違って、怠惰な自分を奮い立たすためというか、何か困難なことに出会ったり、くじけそうなことがあるといつも、その著作をひも解いて自らを鼓舞するようにして来ました。実際に何度それで助けられたかわかりません。
彼は『黒い皮膚・白い仮面』(1952年)『革命の社会学』(1959年)『地に呪われたる者』(1961年)『アフリカ革命に向けて』(1964年)という4冊の書物だけを残しました。
まったく今まで思ってもみなかったことですが、つい先ほど『地に呪われたる者』というタイトルの「呪われたる者」というのは、ひょってして、あの革命歌『インターナショナル』の冒頭の・・・・
♪起て 飢えたる者よ 今ぞ日は近し
覚めよわが同胞(はらから) 暁は来ぬ
暴虐の鎖断つ日 旗は血に燃えて
海をへだてつわれら
腕(かいな)むすびゆく
♪いざ たたかわん いざ
ふるいたて いざ
ああ インターナショナル
われらがもの
・・・の「飢えたる者よ」と同義語ではないかと思って調べてみると、これは佐々木孝丸・佐野碩訳で、違うもので翻訳者不明ですが「プロレタリア歌曲集(無産社版)」では、なんと確かに「呪われし者」になっているではありませんか。
本書は、5つの章に分けて構成。
1 暴力
2 自然発生の偉大と弱点
3 民族意識の悲運
4 民族文化について
5 植民地戦争と精神障害
これは、本来は私たちにむけて書かれたものではありません。ただ抑圧された植民地現地人だけのために、植民地支配とはどういうものかを分析し、起ちあがる必然性があると説きます。
「今日、人間の真正な解放に逆らって戦っている帝国主義は、あちこちに腐敗の芽をばらまいている。それをわれわれはわが大地から、わが頭脳から、仮借なく検出し、えぐりとらねばならない。」
この本を彼は、白血病に侵されながらも10週間で書き上げ、アルジェリア革命の成功を見ることのないまま亡くなってしまいました。
記述日 : 2009年12月6日 04:32:06
2010年10月29日に日本でレビュー済み
マルチニック生まれの精神科医にしてアルジェリア独立戦争を闘う活動家でもあるフランツ・ファノンがその36年の生涯を終える直前に著した一冊。植民地主義とは何か。植民地における「暴力」とは何か。なぜ農村が革命の主役となるのか。ファノンの叙述は、植民地状況から独立後の国家建設期に至るまで、植民地アフリカにおける革命というものの力学を見事に描き出している。ポスト・コロニアリズムの代表的作品として名高い本書だが、個人的には本書は、マルクス、エンゲルス→レーニン、トロツキー→毛沢東、ファノンといった革命論の系譜として位置づけて読むことができ、面白いと感じた。
また、植民地状況がもたらす精神の傷、植民地主義の内面化、暴力といった点に関する精神科医としての診察の経験にも裏付けられた分析には本当に衝撃を受ける。本書を手に取られた方には、ファノンの考察に示唆を得て60年代に在日朝鮮人問題に取り組んだ鈴木道彦氏の自伝『越境のとき』(集英社新書)もお勧めしたい。ファノンが向き合った問題とは、日本も決して無縁ではないことがよくわかる。
また、植民地状況がもたらす精神の傷、植民地主義の内面化、暴力といった点に関する精神科医としての診察の経験にも裏付けられた分析には本当に衝撃を受ける。本書を手に取られた方には、ファノンの考察に示唆を得て60年代に在日朝鮮人問題に取り組んだ鈴木道彦氏の自伝『越境のとき』(集英社新書)もお勧めしたい。ファノンが向き合った問題とは、日本も決して無縁ではないことがよくわかる。