精神科医療に関する専門家中の専門家が告発する、抗うつ剤の臨床試験やマーケティング上の深刻な問題。
軽症うつ病に対しては抗うつ剤が自殺を増加させる可能性、若年者に対する使用のエビデンス欠如などなど。
日本ではまだあまり知られていないが、世界的にはすでに大規模訴訟の段階にあり、パキシル大国の日本でも大スキャンダルになる可能性がある。
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抗うつ薬の功罪―SSRI論争と訴訟 単行本 – 2005/8/4
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全世界で年に数兆円を売り上げている抗うつ薬SSRI(プロザック、パキシルなど)。本書はSSRIの、うつ病患者の自殺衝動を強めるというショッキングな副作用に焦点をあてる。この副作用のリスクは1990年に最初に研究論文のかたちで報告されたが、2004年以降に米・英・EUの薬事監督庁が製品への警告表示を指導するなどの対応をとりはじめるまで、産官学にまたがる関連業界から実質的に黙殺されつづけた。
副作用のリスクを認めたうえで、ある種の鎮静剤を併用したり、服用量を減らすことでリスクを最小限に抑えながら本来の効果を得ることができたにもかかわらず、なぜリスクの存在自体が否定されなければならなかったのか。
著者は産官学すべてのインサイダーを経験した無二の証人としてこのスキャンダルを報告する。ビッグ・サイエンス化する医薬品の開発および許認可プロセスの現状と、そこに複雑にからむ産官学の利害構造など、副作用の過小評価につながる数々の誘因のディテールがきわめて具体的に語られる。
SSRIの功罪の多角的分析や訴訟の詳細などのミクロな情報と、生物学的医療の時代の死角を照射するマクロな視点との、二つの次元で核心を語る貴重な証言である。また、精神医療の未来を占う側面もある。実際、原書の刊行後に、SSRIの副作用や臨床試験データの扱いに関して、主流の見解は著者の主張する方向へ大きくシフトした。
副作用のリスクを認めたうえで、ある種の鎮静剤を併用したり、服用量を減らすことでリスクを最小限に抑えながら本来の効果を得ることができたにもかかわらず、なぜリスクの存在自体が否定されなければならなかったのか。
著者は産官学すべてのインサイダーを経験した無二の証人としてこのスキャンダルを報告する。ビッグ・サイエンス化する医薬品の開発および許認可プロセスの現状と、そこに複雑にからむ産官学の利害構造など、副作用の過小評価につながる数々の誘因のディテールがきわめて具体的に語られる。
SSRIの功罪の多角的分析や訴訟の詳細などのミクロな情報と、生物学的医療の時代の死角を照射するマクロな視点との、二つの次元で核心を語る貴重な証言である。また、精神医療の未来を占う側面もある。実際、原書の刊行後に、SSRIの副作用や臨床試験データの扱いに関して、主流の見解は著者の主張する方向へ大きくシフトした。
- 本の長さ447ページ
- 言語日本語
- 出版社みすず書房
- 発売日2005/8/4
- ISBN-104622071495
- ISBN-13978-4622071495
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登録情報
- 出版社 : みすず書房 (2005/8/4)
- 発売日 : 2005/8/4
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 447ページ
- ISBN-10 : 4622071495
- ISBN-13 : 978-4622071495
- Amazon 売れ筋ランキング: - 441,108位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,156位ストレス・心の病気
- - 22,687位医学・薬学・看護学・歯科学
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年9月15日に日本でレビュー済み
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2012年8月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者David Healy は、英国精神薬理学会の元事務局長、現カーディフ大学精神医学部ウェールズ副部門教授であり、精神薬理学史の第一人者であるとされる方です。1960年代に薬の特許規制の法律が変わり、企業は化学物質そのものに特許が取れるようになりました。そのことが、企業による大学や研究機関の大規模な私物化の始まりであったとヒーリーは指摘しています。その変化の大きさは16世紀のエンクロージャーに匹敵するとヒーリーはたとえています。彼は「私たちが直面しているのは、私たちを人にしているもの、そのものの囲い込みであり、資本化である」と述べ、その変化の大きさはとうてい一人で見極めたり捉えたりできない規模で進んでいると警告し、「怪物」と呼んでいます。本書は、ヒーリー自身がプロザック訴訟と関わった5年間の研究、SSRI論争と訴訟の歴史と事例、実験とその結果の考察がたんねんに書かれています。研究者らしい中立で緻密な論の立て方は、圧巻であり、大変読み応えのある本です。私は、二つの点に特に興味を持ちました。一つは、今日こんなにも害があると言われるSSRIがもてはやされ続けている理由です。二つ目は、ヒーリー自身が行っている健常者に行った実験の結果です。
一つ目の何故有害であるSSRIがもてはやされ続けるのかという点についてヒーリーは、特許法の問題と裁判制度の問題を指摘しています。前述の特許法の変化で、現在では医学論文や学術論文のほとんどは企業のマーケティング部が作成し、研究者は名前を載せるだけで論文が出来上がると指摘しています。学会そのものが企業のお金で開催されるばかりでなく、企業がスポンサーとなる研究や実験では、実験のサンプル数の改ざんがあからさまで、実データのほんの数割しか利用しない実験報告がなされている実態を報告しています。すなわち、莫大な新薬開発費を賄うため、企業のマーケティングの論理が、研究や実験の結果を改ざんしているのです。
裁判制度の問題については、現在多くの国では、訴訟に負けた側が裁判費用を負担する制度になっている点が指摘されています。巨大製薬会社は訴訟が起きるたびに、強大な弁護団を組織し、原告側は敗訴すれはその膨大な弁護団の代金までもたなければならないのです。これでは、被害者は泣き寝入り以外に手が出せなくなります。製薬会社はこうした万全の包囲網の中で、ネガティブキャンペーン(プロパガンダ)を繰り返し、私たちは、専門家も含め全員が、薬なしでは一日も暮らせないような気分にさせれているのです。
二つ目のヒーリーの実験は、セロトニン系(ゾロフト)とノルアドレナリン系(レボキセチン)の抗うつ剤を健常なボランティア(顧問医、研究医、看護スタッフ等)19名に2週間飲んでもらって、QOL尺度(SASS)のスコアを比べるものです。ヒーリーの予測ではSSRIよりノルアドレナリン系の薬の方が、QOL尺度が高いはずだったのですが、結果は、どちらも同じでした。人により、向かない薬があるようだと言う結論でした。しかし、どちらも吐き気、不眠、性的機能の低下を招き、しかも遅効性のはずの薬がどちらも初日から変化が始まってしまった。また、グループの半数からしもやけと冷や汗を伴う悪寒、顎のこわばり、やたらにあくびが出るなどの訴えが2日目から始まりました。これらは予想外の結果で、さらに自殺傾向が2名に現れ、脱抑制や鈍麻が現れたり、元気以上の反応が現れました。健常者で、実験に対しての理解度も高い専門家ボランティアに対して、注意深く安全考慮した実験であったにも関わらず、また、実験目的は、QOLの高さを比べるものであったにも関わらず、このような反応が記録されました。2名の自殺傾向を示した女性の被害は、数ヶ月たっても立ち直れなかったばかりか、「あれが純粋に薬のせいだと納得させるのは至難の技だった。彼女たちの自分自身への見方は揺るがされていた。私たちは彼女たちの自己評価に長期的とは言わないまでも、決して短期的ではない影響を与えたのだ」と述べられています。
脱抑制や鈍麻、自己評価の低下は、日ごろのカウンセリングでよく語られる内容です。薬に誘発された神経過敏や自殺企図、非社会性や暴力傾向を人格障害の証拠だと解釈してしまう恐ろしさを考えました。問題の本質を見る目をカウンセラーはもたなければならないと考えます。
一つ目の何故有害であるSSRIがもてはやされ続けるのかという点についてヒーリーは、特許法の問題と裁判制度の問題を指摘しています。前述の特許法の変化で、現在では医学論文や学術論文のほとんどは企業のマーケティング部が作成し、研究者は名前を載せるだけで論文が出来上がると指摘しています。学会そのものが企業のお金で開催されるばかりでなく、企業がスポンサーとなる研究や実験では、実験のサンプル数の改ざんがあからさまで、実データのほんの数割しか利用しない実験報告がなされている実態を報告しています。すなわち、莫大な新薬開発費を賄うため、企業のマーケティングの論理が、研究や実験の結果を改ざんしているのです。
裁判制度の問題については、現在多くの国では、訴訟に負けた側が裁判費用を負担する制度になっている点が指摘されています。巨大製薬会社は訴訟が起きるたびに、強大な弁護団を組織し、原告側は敗訴すれはその膨大な弁護団の代金までもたなければならないのです。これでは、被害者は泣き寝入り以外に手が出せなくなります。製薬会社はこうした万全の包囲網の中で、ネガティブキャンペーン(プロパガンダ)を繰り返し、私たちは、専門家も含め全員が、薬なしでは一日も暮らせないような気分にさせれているのです。
二つ目のヒーリーの実験は、セロトニン系(ゾロフト)とノルアドレナリン系(レボキセチン)の抗うつ剤を健常なボランティア(顧問医、研究医、看護スタッフ等)19名に2週間飲んでもらって、QOL尺度(SASS)のスコアを比べるものです。ヒーリーの予測ではSSRIよりノルアドレナリン系の薬の方が、QOL尺度が高いはずだったのですが、結果は、どちらも同じでした。人により、向かない薬があるようだと言う結論でした。しかし、どちらも吐き気、不眠、性的機能の低下を招き、しかも遅効性のはずの薬がどちらも初日から変化が始まってしまった。また、グループの半数からしもやけと冷や汗を伴う悪寒、顎のこわばり、やたらにあくびが出るなどの訴えが2日目から始まりました。これらは予想外の結果で、さらに自殺傾向が2名に現れ、脱抑制や鈍麻が現れたり、元気以上の反応が現れました。健常者で、実験に対しての理解度も高い専門家ボランティアに対して、注意深く安全考慮した実験であったにも関わらず、また、実験目的は、QOLの高さを比べるものであったにも関わらず、このような反応が記録されました。2名の自殺傾向を示した女性の被害は、数ヶ月たっても立ち直れなかったばかりか、「あれが純粋に薬のせいだと納得させるのは至難の技だった。彼女たちの自分自身への見方は揺るがされていた。私たちは彼女たちの自己評価に長期的とは言わないまでも、決して短期的ではない影響を与えたのだ」と述べられています。
脱抑制や鈍麻、自己評価の低下は、日ごろのカウンセリングでよく語られる内容です。薬に誘発された神経過敏や自殺企図、非社会性や暴力傾向を人格障害の証拠だと解釈してしまう恐ろしさを考えました。問題の本質を見る目をカウンセラーはもたなければならないと考えます。
2011年8月3日に日本でレビュー済み
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とても聡明で、極めて良心的な精神科医による、とても勇気のある渾身の宝物のような本です。闘病されている方、日本でメンタルクリニック、心療内科、神経科、精神科を受診されている方にも是非、読んでいただきたい、とても価値のある本です。どうしてこんなにすごい本が知られていなかったのか不思議です。決して高くないです。とてもお勧めです。
原著は2000年に出版、2004年に改訂され、日本には6年も前に翻訳出版された本です。私はかなりの年数、向精神薬を処方されて服用してきましたが、自分の健康が深刻に悪くなって調べ直し、ようやくベンゾジアゼピン常用量依存を知り、少しでも情報を知りたくて、インターネットで懸命に探していたときに精神科医が参考文献として書いていた本でした。少々高くても自分で読みたいと思いました。衰弱していた頭で懸命に読んだのですが、最初からとても読み応えがあり、序章のなかのベンゾジアゼピンの歴史だけでもとても収穫があったのですが、その後に続いた「抗うつ薬の時代」の5ページ分の箇所を理解するのに3時間もかかってしまいました。原注も含めて、わからないと思うと何度も読み返し、理解できた時には驚きに変わりました。私が信じ込んできた、人々が真実だと思わされてきたうつ病の原因とされたセロトニン説は、決して科学的に正しい裏づけのあるものではなかったことを知りました。衝撃でした。私がうつ病と診断を受けた当時の、よくテレビにも出ている日本うつ病学会の理事長の野村総一郎の「うつ病を治す」に真しやかに書かれていたことに深刻な疑義を覚えました。少なくとも科学的な事実では全くないことを信じていたことがとてもショックでした。
精神科医療の歴史について、これ以上はないほどつぶさに極めて具体的に検証可能なように詳細に、開発した人、論文を書いた人、製薬会社、監督官庁、被害者、弁護士、その人達の貴重な発言について知ることができました。その具体的な史実に基づいた考察はとても抑えて書かれ、慎重で深く、真実の核心に到達していきます。ヒーリーは世界的にも類を見ない現代精神科医学の歴史研究の第一人者でもあるイギリスの精神科医です。ヒーリーはリリー社のコンサルタントも引き受け、FDAの大物とも親交を持ち、さらにはプロザックとパキシルの裁判における専門家証人として自殺の副作用の確証について証言し、多大な反対と危険と苦難に遭いながら、多くの人が危険を引き受けて支え、ヒーリーの証言は最後に報われます。本書の刊行後、SSRIの副作用や臨床試験データの扱いに関して世界の主流の見解はヒーリーの主張する方向に変わっていきました。感動的です。事実に基づきながら、これほど論理的に積み上げられて述べられた本はほとんど見たことがありません。
ここまでされると精神科医でも反証できる人はいないのではないでしょうか。登場人物や薬剤名は多く、脚注も英文混じりで豊富ですが丁寧に読みました。カタカナの名前もわからなければ、掲載されていたページに戻って何度も読み返しながら、文章の意味を自分がわかっているか何度も立ち止まりながら、何度も寝込みながら、自分でもできるだけ考察しながら、本当にゆっくり味わって読みました。3ヶ月かかりました。最初から最後の最後まで実に読み応えがありました。見事な本でした。この本はほとんど、SSRIの副作用や臨床試験、精神科医療の問題について立証しているといっていいのではないかと思います。少なくとも検証可能なほどに論証されていると思います。世界の医療が多勢の人の論証と反省に基づいて変わっている中で、日本の精神科医療が変わっていない事実からすると、日本ではこの本の持つ真実の力がいまだに隠蔽されているのか、認識されていないのだろうと思います。どこの箇所をとっても宝の山のようなこの本を実際に手にとって、詳細をお読みいただきたいのですが、この本を読まれると、隠されてきた多くの事実を知ることになるだろうと思います。もしも今までうつ病として診察を受けてこられた方が、この本を読み終わられたら、今まで信じてきたことが、全く変わるに違いないと思います。もはや精神科医療を受けることがとても怖くなるのではないかと私は思います。
原著は2000年に出版、2004年に改訂され、日本には6年も前に翻訳出版された本です。私はかなりの年数、向精神薬を処方されて服用してきましたが、自分の健康が深刻に悪くなって調べ直し、ようやくベンゾジアゼピン常用量依存を知り、少しでも情報を知りたくて、インターネットで懸命に探していたときに精神科医が参考文献として書いていた本でした。少々高くても自分で読みたいと思いました。衰弱していた頭で懸命に読んだのですが、最初からとても読み応えがあり、序章のなかのベンゾジアゼピンの歴史だけでもとても収穫があったのですが、その後に続いた「抗うつ薬の時代」の5ページ分の箇所を理解するのに3時間もかかってしまいました。原注も含めて、わからないと思うと何度も読み返し、理解できた時には驚きに変わりました。私が信じ込んできた、人々が真実だと思わされてきたうつ病の原因とされたセロトニン説は、決して科学的に正しい裏づけのあるものではなかったことを知りました。衝撃でした。私がうつ病と診断を受けた当時の、よくテレビにも出ている日本うつ病学会の理事長の野村総一郎の「うつ病を治す」に真しやかに書かれていたことに深刻な疑義を覚えました。少なくとも科学的な事実では全くないことを信じていたことがとてもショックでした。
精神科医療の歴史について、これ以上はないほどつぶさに極めて具体的に検証可能なように詳細に、開発した人、論文を書いた人、製薬会社、監督官庁、被害者、弁護士、その人達の貴重な発言について知ることができました。その具体的な史実に基づいた考察はとても抑えて書かれ、慎重で深く、真実の核心に到達していきます。ヒーリーは世界的にも類を見ない現代精神科医学の歴史研究の第一人者でもあるイギリスの精神科医です。ヒーリーはリリー社のコンサルタントも引き受け、FDAの大物とも親交を持ち、さらにはプロザックとパキシルの裁判における専門家証人として自殺の副作用の確証について証言し、多大な反対と危険と苦難に遭いながら、多くの人が危険を引き受けて支え、ヒーリーの証言は最後に報われます。本書の刊行後、SSRIの副作用や臨床試験データの扱いに関して世界の主流の見解はヒーリーの主張する方向に変わっていきました。感動的です。事実に基づきながら、これほど論理的に積み上げられて述べられた本はほとんど見たことがありません。
ここまでされると精神科医でも反証できる人はいないのではないでしょうか。登場人物や薬剤名は多く、脚注も英文混じりで豊富ですが丁寧に読みました。カタカナの名前もわからなければ、掲載されていたページに戻って何度も読み返しながら、文章の意味を自分がわかっているか何度も立ち止まりながら、何度も寝込みながら、自分でもできるだけ考察しながら、本当にゆっくり味わって読みました。3ヶ月かかりました。最初から最後の最後まで実に読み応えがありました。見事な本でした。この本はほとんど、SSRIの副作用や臨床試験、精神科医療の問題について立証しているといっていいのではないかと思います。少なくとも検証可能なほどに論証されていると思います。世界の医療が多勢の人の論証と反省に基づいて変わっている中で、日本の精神科医療が変わっていない事実からすると、日本ではこの本の持つ真実の力がいまだに隠蔽されているのか、認識されていないのだろうと思います。どこの箇所をとっても宝の山のようなこの本を実際に手にとって、詳細をお読みいただきたいのですが、この本を読まれると、隠されてきた多くの事実を知ることになるだろうと思います。もしも今までうつ病として診察を受けてこられた方が、この本を読み終わられたら、今まで信じてきたことが、全く変わるに違いないと思います。もはや精神科医療を受けることがとても怖くなるのではないかと私は思います。
2011年5月31日に日本でレビュー済み
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抗うつ薬の薬害が早くから分かっていながら日本の行政に憤る。安易な診察、安易な処方により精神科医に人生を弄ばれ診察の度に暴言の数々を浴びせる精神科医。人を不幸にするだけの医者がなぜ先生なのか!こんな理不尽極まりない行為なのに被害家族はなすすべもなくネットの普及まで待たねばならなかった。しかしネットの普及も数年十数年、苦しんだ患者には確かに救えたのもかも知れません。しかし力尽きた患者や家族や残りの人生を後わずかにして誤診、薬害を知った患者たちも沢山います。ベンゾジアゼピンの調査を30年も前にするように専門家が指摘していたそうです。薬害被害者は医療の不正義に怒っているのです。精神薬が悪いと分かっていて出し続けている医療に怒るのです。精神医療関係者の患者は本当に目にしませんよ。心の悩みを聴く相談員が他人には精神科を勧めて自分の身内には精神科に行くな!ということでは人の信用を失いますよ!
2007年5月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自分自身もSSRIを飲んだことがあるが、まったく効かなかった。ただ非常に切れやすくなったような気がする。
夢の薬のように言われ精神科ではまず副作用が少ないこともあってSSRIが処方されるようだが本当に効くのだろうか?
この本を読んでますます疑問に思えてきた。
劇的に効くと言う人も聞くが効果が無かった場合早めにやめるのが良いのではないだろうか?
精神科医には是非読んで欲しい本である。強迫神経症・不安障害色々な疾患に効くといわれているがほんとうだろうか?
統計的なきちんとした検証がなされているのかこの本を読むとますます不安になった。
夢の薬のように言われ精神科ではまず副作用が少ないこともあってSSRIが処方されるようだが本当に効くのだろうか?
この本を読んでますます疑問に思えてきた。
劇的に効くと言う人も聞くが効果が無かった場合早めにやめるのが良いのではないだろうか?
精神科医には是非読んで欲しい本である。強迫神経症・不安障害色々な疾患に効くといわれているがほんとうだろうか?
統計的なきちんとした検証がなされているのかこの本を読むとますます不安になった。
2019年7月6日に日本でレビュー済み
訴訟や製薬会社、論文のゴーストライターなどはあまりに世界の違う話で全然入ってきませんでしたが、患者や健康なボランティアの実験の記述に「あぁ!みんなこうなるんだ…!」と、どれだけ救われた気持ちになったかわかりません。国内のパニック障害やうつに関連した本を数多読んできましたがこれだけしっくりくる表現を読んだのは初めてです。家族などに部分的に読んでもらったら理解が深まるでしょう。「これなんだよ!これが起きるんだよ!」と言える部分があるのではないでしょうか。個人的にはアカシジアに言及があったことが嬉しい。国内でこれについて言及している本はない。著者はやはりアカシジアともっと激しい何かを混同しているフシがありますが…とにかく「激しい焦燥」を理解してもらいたい。ちなみに、自殺念慮はベンゾでも合わない薬なら起きますよ。
しかし情報量が多くて読むのに頭が痛くなりました。誰か完結にまとめてくれたらいいのに。
というかこの本の国内での発売が2005年ですからそれから14年も経ってるのになぜ未だに「抗うつ薬は3週間飲まないと奇跡が起きない」がまかり通っているのでしょうか…。謎です。
副作用と共に何らかの作用というのは確かにありますけど、おそらく数回の服用で出尽くします。
「これで3週間飲めばある日突然奇跡が起きるのか?それとももっとどえらいことになるのか?」ということに迷っていたのですがこの本のおかげで迷いが晴れました。
しかし情報量が多くて読むのに頭が痛くなりました。誰か完結にまとめてくれたらいいのに。
というかこの本の国内での発売が2005年ですからそれから14年も経ってるのになぜ未だに「抗うつ薬は3週間飲まないと奇跡が起きない」がまかり通っているのでしょうか…。謎です。
副作用と共に何らかの作用というのは確かにありますけど、おそらく数回の服用で出尽くします。
「これで3週間飲めばある日突然奇跡が起きるのか?それとももっとどえらいことになるのか?」ということに迷っていたのですがこの本のおかげで迷いが晴れました。