大した執着があったわけでもなく、けれど始めたが最後、
不可避の誘惑に導かれるまま、100年前にアジェが撮り歩いたパリの街を、
写真集片手に黙々と逍遥する筆者。本書はその足跡と内観の記録。
19世紀末、街の佇まいを塗り替えていく“オスマンの大改造”に
急き立てられるでもなく、
何の変哲もない路地裏の風景や貧しい人々を淡々と記録したアジェは、
その一葉一葉にどんな思いを託したのか──時代遅れのカメラでの
長時間露出による撮影のために茫々とぼやけたモノクロ写真を
穴が開くほど見つめ、目眩く想いを巡らせながら
撮影ポイントに立ってファインダーを覗くとき、
一世紀の時を隔ててその視座のみならず
老写真家の心の内にまでシンクロするような錯覚を、
著者と共に読者もまた味わえる。
読後、まだ訪れたことのない街をすっかり歩き尽くしたような
心地よい疲労と充実を覚える一冊。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
この商品には新版があります:
この商品を見た後に買っているのは？
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
